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世界一小さいものが見えるX線自由電子レーザー施設「SACLA」、「2013年度 グッドデザイン賞」を受賞

PR TIMES / 2013年10月1日 17時35分

さらに「グッドデザイン・ベスト100」にも選出!

人類の知的活動の発展を担う、デザインという範囲を超えた未来を担うプロジェクトであると評価




 独立行政法人理化学研究所 放射光科学総合研究センター(兵庫県播磨地区、センター長 石川 哲也、以下 理研 放射光センター)は、このたびX線自由電子レーザー施設「SACLA」において、公益財団法人日本デザイン振興会が主催する「2013年度 グッドデザイン賞」を受賞しました。さらに、「グッドデザイン・ベスト100」にも選出されました。

 受賞の理由としては、類似の他施設では3kmから4kmという巨大なサイズになるのに対して、700メートルという飛躍的にコンパクトな設計において実現された観測施設であることや、人類の知的活動の発展を担う、デザインという範囲を超えた未来を担うプロジェクトであることが高評価を得たことによるものです。


■グッドデザイン賞審査委員による評価コメント
 世界一短い波長によるX線自由電子レーザー発生を実現し、世界一小さなものを観察することを可能にし、類似の他施設では3kmから4kmという巨大なサイズになるのに対して、700メートルという飛躍的にコンパクトな設計において実現された観測施設である。
 さまざまな日本のモノづくり、観測技術を結集し、原子レベルによる物質の動きの観察を可能にしたことで、世界のとらえ方を更新し、様々な分野における産業やプロダクトの在り方自体を劇的に変化させる可能性を生み出している。また、巨大化する観測装置・施設の分野において、ミニマルな設計、施工を実現できたことにより、建設費用、運用におけるコストやエネルギーの削減にもつながり、継続的な研究活動に大きく貢献している。
 人類の知的活動の発展を担う、デザインという範囲を超えた、未来を担うプロジェクトであると評価する。


■理化学研究所放射光科学総合研究センター 石川 哲也センター長の受賞コメント
 SACLAをGD賞に応募することに関しては、先端科学技術機器がGD賞の対象となるかどうかを含め、様々な議論がございました。事務局から頂きましたコメントによれば、「人類の知的活動の発展を担う、デザインという範囲を超えた、未来を担うプロジェクト」というご評価を頂き、受賞に至りましたことを大変感謝しております。
 関係者一同この受賞を真摯に受け止め、着実に「人類の知的活動の発展」に貢献していくよう、一層の努力を重ねていく所存でございますので、今後とも皆様のご支援をいただけますよう、お願い申し上げます。


◆受賞対象施設について  

・一般名称:    X線自由電子レーザー施設
・固有名称:    サクラ(SACLA)
・事業主体名:   理化学研究所 放射光科学総合研究センター
・デザイナー:   理化学研究所 放射光科学総合研究センター
・寸法・重量・面積:全長700m


■グッドデザイン賞受賞展「グッドデザインエキシビション2013」でX線自由電子レーザー施設「SACLA」が紹介予定
10月30日(水)から東京ミッドタウンで開催される受賞展「グッドデザインエキシビション2013」会場で、X線自由電子レーザー施設「SACLA」が本年度受賞作として紹介される予定です。

 - グッドデザインエキシビション2013 -
 会期:10月30日(水) ~ 11月4日(月/振休)
 会場:東京ミッドタウン(東京都港区六本木)
 主催:公益財団法人日本デザイン振興会

◆「グッドデザイン賞」とは
グッドデザイン賞は、1957年に創設されたグッドデザイン商品選定制度を発端とする、日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨の運動です。これまで55年以上にわたって、デザインを通じて日本の産業や生活文化を向上させる運動として展開され、のべ受賞件数は39,000件以上にのぼります。今日では国内外の多くの企業や団体などが参加する世界的なデザイン賞です。グッドデザイン賞受賞のシンボルである「Gマーク」は、すぐれたデザインを示すシンボルマークとして広く親しまれています。

■X線自由電子レーザー施設「SACLA」について
 X線自由電子レーザー施設「SACLA(サクラ)」とは、「ミリ(mm)」→「マイクロ(micro)」→「ナノ(nano)」に続く小ささを表す単位「ピコ(pico)」の世界を見ることができる、いわばX線を使った“巨大な顕微鏡”です。原子や細胞レべルも観察できることから、生命の神秘の解析や、医療の発展の研究などに貢献している世界最先端施設です。
 2006年度に国家基幹技術の1つとして選定され、日本の最先端テクノロジーを結集して5年間にわたって整備が行われてきました。そして、2011年2月からビーム運転を開始し、わずか3カ月の調整運転で波長0.12ナノメートル(1.2Å)のX線レーザーの発振に成功しました。その後、順調に調整を進め、現在では、世界で最も短い波長となる63ピコメートル(0.063ナノメートル)を達成しています。直線型の加速器を利用したXFELで、波長0.1ナノメートル以下を実現したのは、「SACLA」が世界初となります。

「SACLA」で発生するXFELは、
  (1)極めて明るい 
  (2)発光時間が10兆分の1秒(フェムト秒)と極めて短い
  (3)波が完全にそろっている(コヒーレントである)
ことが特徴です。これにより、今まで捉えることのできなかった化学反応など超高速反応の解析や、タンパク質など生体分子の構造解析が可能となり、燃料電池や新薬などの開発が大きく進展するものと期待されています。
 また、「SACLA」は、日本独自の技術によって非常にコンパクトに設計され、なおかつ安定に運転できることを重視したデザインになっています。これにより、アメリカやヨーロッパの施設と比べて、
3分の1から4分の1の小型化を実現しています。

■ 「SACLA」のスペシャルサイトについて  
世界一小さいものが見えるX線レーザー「SACLA」を分かりやすく、さらに楽しんで頂くため、5つのコンテンツを ご用意しています。
URL: http://xfel.riken.jp/pr/sacla/index.html

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