タワーズワトソン昇給率調査: 2015年のアジア地域昇給率は中国、ベトナムが牽引

PR TIMES / 2014年9月4日 13時20分

インフレ調整後の昇給率はインフレ圧力を受けて2014年より低下する見込み

【東京】 2014年9月4日(木) - コンサルティングサービスを展開するタワーズワトソン(NYSE, NASDAQ:TW)が実施した調査によると、2015年アジア太平洋地域の昇給率平均は、中国およびベトナムが主に牽引し、2014年より若干高い7%になることが分かりました。しかし、地域全体でインフレ率が上昇することから、インフレ調整後の実質的な昇給率は2014年より低下する見込みです。

中国(5.2%)、ベトナム(4.1%)が東アジアの2015年インフレ調整後昇給率を牽引する一方で、日本(0.6%)の昇給率は最も低い見通しです。地域全体では、工場などの現場労働者から上級管理職にいたるすべての従業員レベルにおいて、2014年並かそれ以上の昇給率となっていますが、台湾のみ2.8%から1.7%と低下の予想を示しています。しかし、インフレ調整後の実質的な昇給率は、本調査の対象であるアジア太平洋地域20カ国・地域のうち、12カ国で低下が予想されます。

本調査は、企業の2015年度予算の策定時期に合わせて行われ、幅広い産業と、工場などの現場労働者から役員レベルまで様々な階層を対象にしています。本調査では、アジア太平洋地域の企業が、スキルを持つ社員の獲得、つなぎ留めに十分な給与の提供を続ける一方で、インフレ率上昇の影響と経営コストのバランスを取ろうと模索する中での課題を浮き彫りにしています。

タワーズワトソン・アジア太平洋地域・データサービス部門リーダーのSambhav Rakyanは「2015年のアジア太平洋地域は、失業率が低下する中で景気回復が見られるため、インフレ圧力が高まることが考えられます。企業にとっては、社員をつなぎ留め、離職率を減らす一方で、給与の上昇スパイラルに陥らないようにすることが課題になります。スキルの高い社員を採用し、つなぎ留めるためには、給与が一番の牽引役となることが我々の調査[1]で明らかになっており、社内および市場両面での適正なバランスが求められます」と述べています。

2015年のアジア太平洋地域の経済成長率は4.8%と、2014年の4.7%から上昇し[2]、失業率は4.7%から4.5%に低下することが予想されています[3]。また、地域全体のインフレ率は2014年の3.9%に対し、2015年は4.3%への上昇が見込まれています。

2015年のインフレ調整前の全体的な昇給率では、インドとミャンマーの昇給率も目立っています。ベトナムの昇給率が11%と最も高く、次にインドの10.8%、ミャンマーの10%が続きます。インフレ調整後のこれらの国々の昇給率はそれぞれ4.1%、3.5%、3.3%となります。中国のインフレ調整前の昇給率は8.3%ですが、これは比較的低いインフレ率予想(3.1%)に支えられています。

香港とシンガポールのインフレ調整前の昇給率は2015年にともに4.5%となり2014年から変わらないと見込まれます。しかし、インフレ調整後はシンガポールの昇給率の方が高くなり、香港が0.9%、シンガポールが2.2%と予想されます。

製薬、金融サービスおよびハイテク業界の昇給率が際立つ:
製薬業界の昇給率は引き続き地域で最も高く、平均で6.7%上昇する見込みです。製薬業界ではベトナム(12%)、インド(11.5%)および中国(8.9%)の昇給率が最も高いと見られます。

「アジアの製薬企業は、高齢化、特許切れ、需要増および遺伝分野への取り組みを背景に、特に薬事、臨床開発戦略、プロジェクト管理といった分野の人材や能力のある研究者を採用し、つなぎ留めるための圧力に引き続き直面しています。」(Sambhav Rakyan)

こうした状況を受け、地域の2大金融センターである香港とシンガポールでは、2014年よりも昇給率が高くなる見込みです。香港は2014年の4.5%に対し2015年は5%、シンガポールは同4.2%から同4.5%に上昇すると見られます。中国本土の金融セクターでは、7.9%から8.5%に上昇すると予想されます。

「近年の世界金融危機の結果、金融機関の報酬は政府や国民の重要な関心事となっています。銀行の報酬規制が議論となっており、特に銀行の財政状態に大きな影響を与える可能性のある、日々の業務がリスクテーキング関連の社員に対する規制が議論の対象になっています。」(Sambhav Rakyan)

アジア太平洋地域のハイテク業界の平均昇給率は6.6%と、2014年の6.3%から上昇すると予想され、昇給はすべての階層にわたって見込まれます。

「次世代技術を持つ企業が高い給与と柔軟で“クール”な職場環境で優秀な人材を獲得しようとしていることを見ると、ハイテク業界が過去のコスト圧力から抜け出しつつあることを示しています。市場で競争優位を維持するためには革新的な技術がカギとなるという意味で、適切な人材を社内に引き留めることは一層重要になっています。」(Sambhav Rakyan)

「ここで注目すべきなのは、中国の昇給率が2014年の8.3%に対し2015年に8%となり、中国だけが今年を下回る点で、これはこの業界で人材が供給過多になっているか、または近年の大幅な上昇が落ち着いてきていることを示しています。製造や研究開発拠点を、東部湾岸地域より給与水準の低い成都や鄭州などの中国内陸部の都市に移転させるという企業の取り組みを反映しています。」(Sambhav Rakyan)

Sambhav Rakyanは調査全体について、「昇給の予算が落ち着くに伴い、企業は限られた資源をどこに使うのか慎重に検討する必要があります。予算を有効に使うためには、極めて重要なスキルを持った人材、ポテンシャルの高い人材、平均的な人材をそれぞれ見極めることが、これまでになく重要になっています。我々は、コスト圧力や人材不足がより深刻になるに伴い、明確に定義されたEVP(Employee Value Proposition)がより重要になっていると考えています。EVPにより、企業がどのような独自性や優れた職場環境を持ち、なぜ優秀な人材を採用し、引き留めることができているかが明確になるでしょう。」と述べています。

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[1] タワーズワトソン『2014グローバル・ワークフォース・スタディー』

[2] エコノミスト・インテリジェンス・ユニット:オーストラリア、ブルネイ、バングラデシュ、カンボジア、中国、香港、インド、インドネシア、日本、マレーシア、ミャンマー、ニュージーランド、パキスタン、フィリピン、シンガポール、韓国、スリランカ、台湾、タイおよびベトナムの成長率平均。

[3] 同上だが、ブルネイとカンボジアを除く。

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本調査について:
マクロ経済データの出所:エコノミスト・インテリジェンス・ユニット(EIU) - 数値は2014年7月現在のもの。
アジア太平洋地域版昇給率調査は、タワーズワトソンのデータ・サービス・プラクティスが実施している調査です。今回の調査は、2014年7月に実施され、約2,900の回答がアジア太平洋地域20カ国・地域の企業から寄せられました。同調査は、昇給動向に関するタワーズワトソンの毎年の調査結果をまとめたもので、企業の2015年の昇給予算計画の一助となるよう実施しています。

レポートは、『アジア太平洋地域版』、『欧州・中近東版』、『グローバル版』の3 種類があり、最新の
Salary Budget Planning Report は、オンライン上で購入可能です。

● アジア太平洋地域版:
https://hrresource.towerswatson.com/report_details.asp?rptid=382

● 欧州・中近東版:
https://hrresource.towerswatson.com/report_details.asp?rptid=383

● グローバル版:
https://hrresource.towerswatson.com/report_details.asp?rptid=384&image=00header_globalreports.gif


タワーズワトソンについて:
タワーズワトソン(NYSE, NASDAQ: TW)は、人事・財務およびリスクマネジメントの領域において企業の業績向上を支援する、世界有数のプロフェッショナルファームです。全世界に約14,000人の社員を擁し、報酬制度、退職給付制度、福利厚生制度、タレントマネジメント、リスク及び資本管理、資産運用の分野におけるソリューションを提供しています。ウェブサイトは以下の通りです: http://www.towerswatson.com/ja-JP

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