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第28回慶應義塾図書館貴重書展示会  鏡花の書斎 ―「幻想」の生まれる場所―

PR TIMES / 2016年9月7日 17時29分

会期:2016年10月5日(水)~10月11日(火)9:00~21:00(最終日は16時閉場) (於:丸善・丸の内本店4階ギャラリー

「慶應義塾図書館貴重書展示会」では、慶應義塾図書館が所蔵する数ある貴重書を各回テーマに沿って展示し、通常は閲覧が制限される貴重書を一般の方々に無料公開する機会として、毎回多くの来場者を迎えます。



[画像1: http://prtimes.jp/i/15407/3/resize/d15407-3-991084-5.jpg ]


◎展示会の趣旨、見どころ

第28回となる今回は、『鏡花の書斎-「幻想」の生まれる場所-』と題し、「草迷宮」「天守物語」など数々の名作で知られる泉鏡花が、類まれな想像力に言葉を与え、幻想文学を次々に生み出した書斎に焦点を当てています。

本展示会では、「夜叉ヶ池」「義血侠血」をはじめとした泉鏡花の自筆原稿や遺愛品約100点を一堂に展示します。なかでも、多数の遺品を畳敷きに配置して書斎を再現する試みは、過去に例がありません。さらに、一昨年、裏地に横山大観の筆による絵画のあることが確認された羽織も今回初めて展示します。“「幻想」の生まれる場所”から、鏡花作品の世界に思いを馳せていただく絶好の機会となる展示会です。


◎展示構成

1.物語の源/2.紡がれるコトバ-自筆原稿/3.「譚」の系譜/4.人との由縁I 父母への想い/5.「信」の領域/6.人との由縁II 作家としての交流/7.鏡花本-物語る形-


◎ギャラリートーク

展示会監修者が展示品の内容、稀少性などを解説しながら会場を巡ります。

10月9日(日)・10日(月・祝)  各日14:00~
慶應義塾大学名誉教授 松村友視
慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程 鈴木 彩、富永真樹


【主な出展作品のご紹介】

書斎の遺品(一部) (貼り交ぜ屏風、紫檀の文机、水晶の兎、自筆原稿「化鳥」)

[画像2: http://prtimes.jp/i/15407/3/resize/d15407-3-907176-0.jpg ]
慶應義塾図書館が所蔵する泉鏡花の遺品に より鏡花の書斎を再現展示する。

図版は、遺品の一部である。「貼り交ぜ屏風」は鏡花が愛読した合巻『偐紫田舎源氏』に描かれた歌川国貞の口絵を貼り交ぜたものである。鏡花の執筆机であった「紫檀の文机」は晩年に誂えたものと思われ、両脚の部分に螺鈿で源氏香の図が象眼されている。「水晶の兎(一対)」は鏡花が母から送られたもので、書斎の文机や脇机の上など、執筆時の鏡花の身近に置かれていた。自筆原稿「化鳥」は明治30年4月『新著月刊』第1号に掲載され、のちの幻想小説群の起点に位置する。




自筆原稿「註文帳」と単行本『愛染集』見返し

[画像3: http://prtimes.jp/i/15407/3/resize/d15407-3-634845-2.jpg ]



慶應義塾図書館が所蔵する泉鏡花の自筆原稿約180点は、昭和17年に泉家から一括寄贈された。寄贈に際して、泉家側では一篇ずつ表紙を付けて和綴じ製本され、これを受けて慶應義塾では鏡花に縁のあった日本画家鏑木清方(1878~1972)に題簽の揮毫を依頼し、現在見るような典雅な体裁を得るに至った。



[画像4: http://prtimes.jp/i/15407/3/resize/d15407-3-827765-3.jpg ]
図版は、自筆原稿「註文帳」とその場面に対応する単行本『愛染集』の見返しである。明治34年4月『新小説』に掲載された「註文帳」は、無理心中に失敗した吉原の遊女の一念が霊として現れる物語である。図版下は「註文帳」を収める単行本『愛染集』(大正5年10月、千章館)の表見返しで、小村雪岱(1887~1940)の筆によるものである。「註文帳」の一場面、吉原のおはぐろ溝のほとりに立つ遊女の姿が描かれている。


遺品 銅製の小観音像

[画像5: http://prtimes.jp/i/15407/3/resize/d15407-3-626540-1.jpg ]
関東大震災の際、鏡花はかつて父が幼い鏡花のために彫った迷子札をはめ込んだ硯とともに、 机の傍に置かれた観音像を持ち避難した。
鏡花は「別世界」の「二つの大なる超自然力」を信じた。それは「観音力」「鬼神力」と名付けられ、前者は「観世音」の「無量無辺の福徳」とされたが、関東大震災の体験を綴った「露宿」(大正12年)は鏡花の熱心な観音信仰のありようを伝えている。机の傍らに安置された小観音像を伴って避難した鏡花は、身を寄せた浅草の観世音に「八方の火の中に、幾十萬の生命を助け」る神々しさを見出し、「春昼」(明治39年)などにも引かれる「法華経普門品」の一節を引いて作品を結んでいる。


羽織 横山大観画(裏地)

[画像6: http://prtimes.jp/i/15407/3/resize/d15407-3-704294-4.jpg ]

裏地に雀の絵が描かれ、「大観」の署名と横山大観(1868~1958)がよく用いた「鉦鼓洞」の印が付された羽織。鏡花は昭和12年、優れた芸術家が任ぜられる帝国芸術院会員の一人となった(文芸部門)。それに先立つ昭和10年、大観も鏡花本の装幀・口絵を手掛けた鏑木清方と共に同会員に任命されている(当時の名称は帝国美術院)。そうした関係から鏡花と大観の交流があったと推察される。今回の展示で初公開となる資料である。


★慶應義塾図書館貴重書展示会 http://www.mita.lib.keio.ac.jp/exhibition/annual_exhibition/
★丸善・丸の内本店イベント情報   http://honto.jp/store/news/detail_041000019909.html?shgcd=HB300

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