不適切な住環境の改善により、一部の国で国内総生産が最大10.5%増加(ハビタット及び国際環境開発研究所の報告)
PR TIMES / 2023年5月19日 9時45分
スラムなどの不適切な居住地で大規模な住環境の改善を行うことは、経済的・人的発展に大きく寄与することができるとする初の報告書を発表
国際NGOハビタット・フォー・ヒューマニティとその研究パートナーである国際環境開発研究所(IIED:the International Institute for Environment and Development)は、スラムなどの不適切な居住地で大規模な住環境の改善を行うことにより、経済的・人的発展に大きく寄与することができるとする初の報告書を発表しました。同報告書によると、一部の国では国内総生産と一人当たりの所得が10.5%も増加する可能性があることが明らかになりました。
国際NGOハビタット・フォー・ヒューマニティとその研究パートナーである国際環境開発研究所(IIED: International Institute for Environment and Development) は、スラムなどの不適切な居住地で大規模な住環境の改善を行うことにより、経済的・人的発展に大きく寄与することができるとする初の報告書を発表しました。この報告書は、ハビタット・フォー・ヒューマニティが5年にわたり実施するキャンペーン「Home Equals (すべてに公平な住まいを)」を裏付けるもので、地域、国、および世界規模で、不適切な居住地における適切な住宅への公平なアクセスを増やすための政策変更を求めるものです。
[画像: https://prtimes.jp/i/76168/3/resize/d76168-3-bf7973f36ac204da2615-0.jpg ]
「アジア太平洋地域は、都市部の貧困に苦しむ人々が最も多く暮らす地域であり、都市生活者の3分の1が不適切な居住地やスラムのような環境で暮らしています。農村から都市部への移住、特に雇用機会を求める貧困層の人々によって都市化が進むにつれ、こうした人口は増加し、適切な住宅の確保がより急務となります」とハビタット・フォー・ヒューマニティ・インターナショナルのアジア太平洋地域統括責任者であるルイス・ノダは述べています。
同報告書によると、一部の国では国内総生産と一人当たりの所得が10.5%も増加する可能性があることが明らかになりました。世界的に、不適切な居住地に暮らす住民の生活水準が向上すれば、多くの国で不適切な居住地を改善する費用を上回る水準となる可能性があるのです。その他特筆すべき調査結果は以下の通り:
・ 一部の国では、平均寿命が最大4%延び、平均で2.4年の寿命が延伸する。
・ 年間73万人以上もの人が、予防可能な死を回避することができる。(全世界でマラリアを撲滅することで救える人数よりも多く数)
・ 一部の国では、就学年数が28%も増加する。
同報告は、低・中所得の102カ国における72の指標と130以上の論文・報告書の検証を組み合わせた独自のモデリング手法が採用されました。この手法は、特定の国の予測を単独で導き出すことができないため、研究機関は国を入手可能なデータの加重平均を用いた理論上の国として4つの類型にグループ分けし、結果を導き出しました。この手法による、アジア太平洋地域諸国のいくつかの不適切な居住地における住宅改善についての結果は下記の通り:
・ バングラデシュで2.2~7.25%、フィジーで1~3.3%、ミャンマーで3.1~10.5%のGDPが増加する。
・ カンボジアとネパールで0.5~1.7%、タイで0.4~1.2%の平均寿命が延伸する。
・ インドとインドネシアで平均就学年数が1年、フィリピンでは1.35年延びる。
ハビタット・フォー・ヒューマニティは、今週末に広島で開催されるG7サミットの参加国に対し、住宅の改善が世界規模での発展における重要な役割を果たすとし、経済成長をはじめ、健康、教育など、国際的な発展の優先事項を促進する手段として、不適切な居住地における住宅問題に取り組むよう対応を求めています。
ノダは、「この報告書は、適切な住宅は人々の幸福と持続可能な世界に欠かせないということを実証しています。つまり、不適切な居住地の住民が、適切な住宅を確保できるよう、世界が取り組む必要があるということです。ハビタット・フォー・ヒューマニティは『Home Equals』キャンペーンを開始するにあたり、不適切な居住地の住民、市民社会組織、地方自治体や国などの関係者と手を携えて、政策の変更を通じて不適切な居住地で暮らす1,500万人の生活を改善することを目指しています」と述べました。
[動画: https://www.youtube.com/watch?v=xOgGe2NEufE ]
『Home Equals』キャンペーンにあわせ、アジア太平洋地域各国のハビタットでも積極的な取り組みを実施します。オーストラリアでは、アジア太平洋地域における不適切な居住地での適切な住宅不足に政府が対応するよう、提言していく予定です。ネパールでは、政策とガイドラインを取りまとめ、情報の伝達や、地元政府と住民の対話、また、土地問題を解消に取り組むサポートセンター設立などを通じて、不適切な居住地の住民が、土地の権利を公平に持てるよう取り組みます。インドネシアでは、居住可能な住宅の改修をはじめ、新しい家の建築など、地元政府とNGO間で協力できるよう、資金調達手段の確保に取り組んでまいります。ベトナムでは、現地パートナー団体と協力し、カンボジアからベトナムに帰還する人が安心して住み続けられるよう、持続可能な政策的な解決を模目指します。
お問い合わせ
詳しくは、Michele Soh, MSoh@habitat.org, +65 9233 1544までご連絡ください。写真及びキャプション、クレジットはこちらをご覧ください。「Home Equals (すべてに公平な住まいを)」キャンペーン動画の動画素材をまとめた映像資料についてはご要望に応じて提供しております。
ハビタット・フォー・ヒューマニティ
「誰もがきちんとした場所で暮らせる世界」の実現を目指して 1976年に草の根の市民団体としてアメリカ合衆国ジョージア州で設立された住まいを専門とする国際NGOです。アメリカ国内をはじめ、 世界70ヵ国を超える国々に活動を広げています。アジア太平洋地域では1983年から活動を開始し、これまでに何百万人もの住まいの支援を必要と する人々と手を取りあい、「家」と呼ぶことができる住まいの建築 や修繕に取り組んでいます。皆さまからの寄付をはじめ、ボラン ティアとしての参加や、きちんとした住まいの必要性を伝え広め ることで、家族がより良い未来を築く上で欠かせない活力や安定、 自立を支えることができます。詳しくはこちらをご覧ください: habitat.org/asiapacific.
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