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2021年(第91回) 服部報公会「報公賞」が決定

PR TIMES / 2021年9月7日 14時45分

【受賞者】国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所所長 國中均 【研究業績】「電子サイクロトロン共鳴放電式プラズマ源の研究開発と小惑星探査機への宇宙実用並びに産業への応用展開」

1930年(昭和5年)に設立された公益財団法人服部報公会(理事長:田中英彦)は、活動の一環として、
工学に関する優秀な研究成果を挙げた研究者に対して、服部報公会「報公賞」を贈呈しております。
このたび、本年度の公募を行い慎重かつ厳正な審査を経て、令和3年度の報公賞に、 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構 宇宙科学研究所 所長 國中 均氏の研究「電子サイクロトロン共鳴放電式プラズマ源の研究開発と小惑星探査機への宇宙実用並びに産業への応用展開」を選定いたしました。



[業績の概要]
従来,米欧ロが開発し,静止衛星で実用化が進んだ直流放電式イオンエンジンは,プラズマ生成のために熱電子放出を必須とし,空気や水分に脆弱で管理の難しい特殊な材料を多用するので,取扱いや運用方法の難易度が高く,短寿命という課題があった。
これに対して,國中氏が中心となって研究開発してきた電子サイクロトロン共鳴放電式プラズマ源は,マイクロ波で電子のみを選択的に加熱してプラズマを生成するため,電極のイオンスパッタリング損傷を誘発せず,高い省電力性と堅牢性を持つという優れた特長がある。
この電子サイクロトロン共鳴放電式イオンエンジンは,「はやぶさ」及び「はやぶさ2」探査機の主推進に採用され,「はやぶさ」探査機は,2003年打ち上げ,2005年小惑星イトカワ到達,2010年地球帰還を果たし,1台当たり2年間に及ぶ耐久性を宇宙で実証した。これによって地球~小惑星間宇宙往復航海を世界に先駆けて実現し,それまでのリモートセンシングに代わりうる,小惑星サンプルリターン観測法を確立し,太陽系宇宙研究を根本から変革した。その成果は国内外で広く報道され,大きな社会的・学術的インパクトを与えた。米国NASAの小惑星サンプルリターンなどの宇宙計画にも大きな影響を及ぼし,小天体への関心を誘起する世界的な潮流を生んだ。電子サイクロトロン共鳴放電式イオンエンジンは,さらに改良されて「はやぶさ2」の主推進に採用され,小惑星リュウグウからのサンプル回収を成功させた(2020年)。「はやぶさ」及び「はやぶさ2」の成功において,電子サイクロトロン共鳴放電式イオンエンジンが果たした役割は極めて大きく,学術的,工学的にも高く評価されている。
國中氏はさらに,光ファイバーを用いた新しいプラズマ探針法の開発,プラズマ源内部現象の解明,電子サイクロトロン共鳴放電の物理の解明などを進め,イオンエンジンの性能向上を実現した。また,宇宙プラズマと衛星の干渉現象・帯電放電の研究を行い,JAXA宇宙設計標準として宇宙活動に広く貢献するとともに,この成果に基づき,半導体製造の歩留まりや生産性に影響を与える,高真空下での物品輸送の際の接触・摩擦帯電を中和する研究を進め,産業界向けに製品を上市した。
これまでの研究開発の成果は,文部科学大臣表彰科学技術特別賞(2011年4月),応用物理学会解説論文賞(2017年4月)などの受賞につながっている。
以上のような研究業績は,國中氏が宇宙推進工学の電気推進分野とそこでのプラズマ物理分野において極めて大きな貢献をし,それが世界的に高く評価されている証と考えられ,報公賞贈呈に相応しいと結論した。


なお、服部報公会「報公賞」の贈呈式は、来る10月8日(金)に、開催予定で、賞状並びに賞金1,000万円が贈呈されます。また、「報公賞」と同時に、本年度の「工学研究奨励援助金」として、15件の研究に対し総額1,500万円が贈られます。
報公賞は、1931年(昭和6年)の第1回目より2020年に至るまでに、116件(132名)を、そして工学研究奨励援助金は、2,974件を贈呈して参りました。

                                                以上

本件に関するお問い合わせ先
公益財団法人 服部報公会 事務局
〒104-0031 東京都中央区京橋1-4-10
TEL 03-3275-3166 / FAX 03-3275-3165
E-mail info@hattori-hokokai.or.jp
ホームペ-ジ www.hattori-hokokai.or.jp

■受賞者略歴
國中 均(くになか ひとし)


[画像: https://prtimes.jp/i/85893/3/resize/d85893-3-5a8f21a7b5a9d8be544e-0.jpg ]

【学  歴】 
1988年3月 東京大学大学院工学系研究科航空宇宙工学専攻博士課程 修了
工学博士(東京大学)
【主要経歴】
1988年4月 文部省宇宙科学研究所助手
2000年1月 文部省宇宙科学研究所助教授
2005年4月 独立行政法人宇宙航空研究開発機構、宇宙科学研究本部教授
2011年10月 独立行政法人宇宙航空研究開発機構、月惑星探査プログラムグループ、プログラムディレク併   任
2012年9月 はやぶさ2プロジェクトマネージャ併任
2015年4月 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
宇宙探査イノベーションハブ、組織長併任
2018年4月 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構理事、宇宙科学研究所所長 

【受章歴】
2004年4月 日本航空宇宙学会技術賞
2007年7月 米国航空宇宙学会最優秀論文賞
2007年9月 国際電気推進学会最優秀論文賞
2010年7月 米国航空宇宙学会技術達成賞(はやぶさイオンエンジンチーム)
2010年12月 菊池寛賞(はやぶさプロジェクトチーム)
2010年12月 朝日賞(はやぶさプロジェクトチーム)
2011年 文部科学大臣特別賞
2012年1月 米国航空宇宙学会フェロー
2013年10月 電気ロケット推進学会Stuhlinger Medal of Outstanding Achievement
2017年 応用物理学会解説論文賞
2018年 東レ科学技術賞
2018年10月 国際宇宙航行アカデミー正会員
2020年 衞藤細矢記念賞
2020年12月 内閣総理大臣顕彰(はやぶさ2プロジェクトチーム)

公益財団法人服部報公会 概要
服部報公会は、昭和5年(1930年)、株式会社服部時計店(現 セイコーホールディングス株式会社)の創業者初代社長服部金太郎が、その70回の誕辰にあたり、国家、社会の恩に報ずるの 念をもって、私財3百万円を投じて設立した公益事業団体であります。
会の目的とするところは、社会の福祉を増進し公益に資することであり、このために次の事業を 遂行することとしました。
1. 国家及び社会に対し有用なる発明発見または研究を成就したるものに対する感謝及び賞金の贈呈。
2. 一般学術の特殊なる研究又は調査の奨励、援助。
3. 教育その他の公益事業に対する援助。
4. その他の本財団の目的を達成するために必要なる事業または出版を為すこと。
設立当時の役員は、理事長桜井錠二博士、理事に湯浅倉平、大河内正敏、矢野恒太、篠原三千郎の4氏、監事に穂積重遠、清水賢一郎の両氏が当り、評議員には学界ならびに政、官、財界の諸名士が名を連ねました。その後、服部金太郎が昭和9年に歿すると、嗣子2代社長 服部玄三は、設立者の遺志を継いで、さらに私財3百万円を寄附し、ここに会の基金は6百万円に増強され、当時屈指の民間公益事業団体となりました。
会の発足以来今日に至る間に、我が国は、第2次世界大戦をなかにはさんでしばしば激動の 波に洗われましたが、この間においても、会の事業は一度の中断もなく遂行されてまいりました。 しかし戦後の激しいインフレの昂進によって、従来の基金をもってしては事業の遂行が困難になりましたので、創立者の遺業に関係の深い会社のご協力や個人のご寄附によって逐次基金の増加を図り現在に至っております。
なお、当会は平成24年1月に公益財団法人へ移行いたしました。

服部報公会では、1931年(昭和6年)に第1回報公賞を贈呈して以来、毎年授賞を行って現在に至っており、今年で第91回目の贈呈になります。現在は広く工学の進歩に貢献する研究を対象として公募をしており、特定の工学分野に限定していない点が大きな特徴として挙げられます。


報公賞の申請要領は、以下の通りです。
報公賞の贈呈は工学の進歩に著しく貢献する研究を対象に行うもので、独創性と発展性の見地から工学の進歩への貢献度が特に顕著であると認められる研究業績を対象にします。
報公賞は、原則として毎年1件とし、その研究者に報公賞金1,000万円を贈呈します。
受賞候補者は、工学研究者および工学の基礎となる分野の研究者であって、原則として他の著名な賞の受賞経験を持たない優秀な研究者に重点を置き、大学、研究所等の機関・部局長の推薦を受けた者とし、自薦は認めません。

令和3年度 役員(理事、監事)、評議員、審査委員
(令和3年9月7日現在)

理事長   田中 英彦東京大学名誉教授、情報セキュリティ大学院大学名誉教授
専務理事 山本 隆章事務局長 、元セイコーソリューションズ株式会社代表取締役会長
理事   神谷 武志東京大学名誉教授
理事   草間 三郎元セイコーエプソン株式会社代表取締役社長
理事   佐藤 知正東京大学名誉教授
理事   武田 保雄 三重大学名誉教授、三重大学リサーチフェロー
理事   畑中 研一    東京大学名誉教授
監事   坂田 東一一般財団法人日本宇宙フォーラム理事長
監事   山原 英治 弁護士

評議員  服部 真二 セイコーホールディングス株式会社代表取締役会長兼グループCEO 兼 グループCCO
評議員  高橋 修司 セイコーホールディングス株式会社代表取締役社長
評議員  榊󠄀 裕之 学校法人トヨタ学園フェロー、豊田工業大学名誉学長、東京大学名誉教授
評議員  矢部 彰 国立研究開発法人産業技術総合研究所特別顧問・名誉リサーチャー
評議員  竹内 芳美 中部大学学長、大阪大学名誉教授
評議員  徳田 英幸 国立研究開発法人情報通信研究機構理事長、 慶應義塾大学名誉教授
評議員  中沢 正隆 東北大学特任教授

審査委員長 田中 英彦 東京大学名誉教授、情報セキュリティ大学院大学名誉教授
審査委員 佐藤 知正 東京大学名誉教授
審査委員 一條 秀憲 東京大学大学院薬学系研究科教授
審査委員 畑中 研一  東京大学名誉教授
審査委員 武田 保雄  三重大学名誉教授三重大学リサーチフェロー
審査委員 西田 豊明 公立大学法人福知山公立大学情報学部教授
審査委員 高田十志和 広島大学大学院先進理工系科学研究科教授同副学長、東京工業大学名誉教授
審査委員  大崎 博之  東京大学大学院新領域創成科学研究科教授
審査委員  熊井 真次   東京工業大学物質理工学院教授
名誉顧問 菅野 卓雄  東京大学名誉教授、東洋大学名誉教授
名誉顧問 佐藤 壽芳 東京大学名誉教授

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