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日本の無形文化財を支えてきた方々を支援する『第40回伝統文化ポーラ賞』を決定!

PR TIMES / 2020年8月18日 19時15分

~日本人の「感性」と「わざ」が息づく伝統文化を未来へつなぐ~

公益財団法人ポーラ伝統文化振興財団(理事長小西尚子)は、事業の一環である『伝統文化ポーラ賞』の各受賞者を決定しました。「伝統文化ポーラ賞」は、伝統工芸技術、伝統芸能、民俗芸能・行事など、人間の「わざ」そのものである無形文化財を支えてきた方々を各分野で見出して顕彰しており、今年で40回目を迎えます。



公益財団法人ポーラ伝統文化振興財団(理事長小西尚子)は、事業の一環である『伝統文化ポーラ賞』の各受賞者を決定しました。今年は優秀賞2件、奨励賞1件、地域賞5件の合計8件を表彰します。

「伝統文化ポーラ賞」は、伝統工芸技術、伝統芸能、民俗芸能・行事など、人間の「わざ」そのものである無形文化財を支えてきた方々を各分野で見出して顕彰しており、今年で40回目を迎えます。

今年の優秀賞は、観阿弥・世阿弥の末裔である観世家の山階彌右衛門師、石川県輪島で漆芸の装飾技法である沈金の分野で、50年にわたり研鑽を積む西勝弘氏に授与されました。地域賞を受賞した漆濾し紙を製造する田中製紙工業は、現在では日本に2軒しかない手漉きの漆濾し紙の製造所のひとつです。地元の原料にこだわり、収穫まで10年かかる和紙の材料である楮を自ら栽培しています。このような古くから地域に息づく伝統工芸の技術や、雅楽の保存・伝承に寄与された天王寺楽所 雅亮会、神楽の保存・伝承に取り組む椎葉神楽保存連合会などの民族芸能など、さまざまな「わざ」を時代を超えて人から人へと伝えてきた個人及び団体を広く支援しています。

個性豊かな地域の伝統文化は、非常に厳しい状況に置かれていることも少なくありません。無形文化財を次世代に継承していくべき財産として、これからも永く支援を続けてまいります。
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◇受賞内容

[表: https://prtimes.jp/data/corp/63139/table/4_1.jpg ]



◇表彰内容

1)優秀賞賞牌・賞状・副賞(100万円)
永年努力精進され、優れた業績を残して今後とも一層の業績を挙げることが期待でき、更新の指導・育成においても継続的に努力し実績をあげている個人または団体。

2)奨励賞賞牌・賞状・副賞(50万円)
将来に向けて、大きな業績を挙げ、成長の可能性が期待できる比較的若い個人または団体。

3)地域賞賞牌・賞状・副賞(50万円)

地域において永年地道に努力され、優れた業績を残して今後も継続・発展が期待でき、後進の指導・育成にも努めている個人または団体。


優秀賞:山階彌右衛門 「能楽の伝承・振興」

■ 山階彌右衛門(やましなやえもん)プロフィール
昭和36年、東京都生まれ。
能楽師、観世流シテ方。二十五世観世左近の次男として生まれ、現在は重要無形文化財総合指定保持者の一人。観世流シテ方として様々な舞台に出演し、海外での公演も積極的に展開する一方、日本舞踊や華道といった、ジャンルを越えた交流を深めており、能の可能性を多方面で探求しています。また国立能楽堂の能楽研修副主任講師を長く務め、多くの能楽師を世に送り出すなど、能楽の普及や後進の育成にも尽力しています。
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■ 受賞理由
山階師は自身の技を極めるだけではなく、日本唯一の能楽師育成機関である、国立能楽堂の能楽研修副主任講師を長年つとめています。国立能楽堂は能楽師への道を志す多くの若者を研修生として迎え入れて能楽の門戸を広げていますが、山階氏はこの活動に高く意義を見出し、積極的に事業発展に貢献しています。個人の技と後進の育成という両面が評価され受賞にいたりました。

■ 受賞内容について:能楽の伝承・振興
能は、シルクロードから中国を経て日本に伝わった「散楽」という芸能が、日本古来より根付く要素を加味した申(猿)楽へと変わってゆく途中に誕生した演劇の一種です。室町時代には猿楽四座が隆盛しました。観阿弥清次・世阿弥元清父子が将軍・足利義満に認められ、京都へ進出を果たし、貴族文化に影響を受けながら、(歌や舞を取り入れ洗練された芸能として)大成しました。その後も時の権力者たちに好まれ、徳川幕府からは「式楽」に指定されました。
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優秀賞:西勝廣 「沈金の伝承・制作」

■ 西勝廣(にしかつひろ)プロフィール
昭和30年、石川県輪島市生まれ。
石川県立輪島漆芸技術研修所・沈金科で、漆工芸の基礎を学んだ後、沈金によって独特の作風を生み出した三谷吾一に師事。50年にわたり沈金の表現を追究しています。平成6年からは、自らが学んだ石川県輪島漆芸技術研修所で後進の指導にもあたっています。「沈金箱『忍冬(じんどう)』」(平成25年第60回日本伝統工芸展・出品)によって、文部科学大臣賞を受賞したほか、石川県文化功労賞を授与されました。
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■ 受賞理由
50年以上の鍛錬による熟達した技術に裏打ちされた豊かな表現と、次世代へ輪島塗を継承すべく後進の指導・育成に尽力していること等が評価されました。

■ 受賞内容について:沈金の伝承・制作
沈金とは漆器の装飾技法のひとつです。上塗りが施された漆器の表面に、刃物によって点や線の模様を彫り、その凹部に漆を塗った後、金・銀の箔や粉や色の粉を埋め(沈め)、模様を描きます。江戸時代に輪島で高度に発達し、全国の漆器の各産地にその技術が広まりました。
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■ 作品紹介
沈金箱「雪代水(ゆきしろみず)」(朝日新聞社賞受賞、平成30年第35回日本伝統漆芸展出品)
漆黒のなかで繊細に輝く草花の姿が印象深い沈金作品。早春の雪解け水をテーマに、可憐に咲き誇るイカリソウが描かれています。細密な点彫りと金・白金で彩られた花には、雪解け水の清涼感とともにイカリソウの微かな甘い匂いすら感じさせる。四季の温かみや草花の香気が伝わってくるようです。
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奨励賞:杵屋利光 「長唄の伝承・振興」

■ 杵屋利光(きねやとしみつ)プロフィール
1967年、東京都で杵屋和四蔵の三男として生まれ、6歳で杵屋勝五郎に入門。10歳で杵屋勝国に三味線を、16歳で東音宮田哲男(現人間国宝)に師事、本格的に唄の指導を受けました。19歳で杵屋利光の名を許され、杵勝会の名取となり、正統派の唄方として高い評価を受けています。京都祇園の芸妓育成学校「八坂女紅場学園 祇園女子技芸学校」にて講師を務めるほか、国立劇場主催公演やNHK放送、歌舞伎公演、舞踊公演等、幅広い公演活動を展開しています。
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■ 公演歴
1991年には文化庁主催国際文化交流基金(イタリア・ルクセンブルグ、ベルギー、ハンガリー)公演に参加。2005年には、坂東玉三郎特別舞踊公演(南座)にて『南の五郎』の立唄として参加。2007年には長唄東音会・創立50周年記念男女合同特別公演(国立大劇場)にて、天皇・皇后両陛下の御前演奏に参加。2012年には、第3回「としみつの会」の成果により、第66回文化庁芸術祭において音楽部門の大賞を受賞。

■ 受賞理由
40年近く修行を積まれ、輝かしい功績をのこしてきただけでなく、後進の育成に尽力しているため、今回の受賞となりました。

■ 受賞内容について:長唄の伝承・振興
長唄(ながうた)は、江戸時代に成立した日本の声楽を代表するジャンルの一つです。「歌い物」、「語り物」の分類では前者に属し、数人の唄と、細棹の三味線によって演奏されます。歌舞伎の伴奏音楽でもあり、出囃子という舞台上の雛壇での演奏は、舞台で繰り広げられる役者たちの演技を華やかに彩ります。
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地域賞:会津漆器協同組合 「会津漆器の伝承・振興」

■ 会津漆器協同組合(あいづしっききょうどうくみあい)プロフィール
昭和26年に設立。現代生活に即した漆器への改良や後継者養成などに力を注いできました。東日本大震災以降の非常に厳しい状況のなか、平成30年には職人たちと共に「会津塗技術保存会」を設立。地域活性に寄与する多様な活動を行っています。地元の食文化と伝統工芸を紹介する催しの実施や、市内の歴史的建造物を会場にした展示など、会津漆器を軸とした地域づくりが活発に図られています。
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■ 受賞理由
平成31年には「会津塗」が会津若松市指定無形文化財(工芸技術)に指定されました。伝統を受け継ぎながら、地場産業としての更なる発展と地域活性化に繋がる活動が評価され、今回の受賞となりました。

■ 受賞内容について:会津漆器の伝承・振興
◎会津漆器とは
会津漆器とは、福島県会津地方でつくられる漆器のこと。「会津絵」「錦絵」などの縁起の良い意匠や、「鉄錆塗」「金虫喰塗」などの会津漆器に独特の華やかな塗り、蒔絵、沈金などを用いた多彩な加飾に特徴があります。漆の産地として長い歴史を持ち、1590年に豊臣秀吉の命を受けて会津領主となった蒲生氏郷(がもううじさと)が、漆工芸を奨励したことが始まり。江戸時代には会津漆器は一大産業となりました。
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地域賞:大子漆保存会 「大子漆の保存・伝承」

■ 大子漆保存会(だいごうるしほぞんかい)プロフィール
「大子漆保存会」は、漆を採取する「漆掻き」の技術の後継と大子漆を持続的に供給できる産地づくりを目指して平成22年に設立。植林によって漆樹を増やすとともに、後継者育成にも力を注いでいます。また、輪島塗の作家たちの作品展示や漆掻き体験を実施するなど、普及活動を含めた幅広い取り組みを行ってきています。
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■ 受賞理由
日本の漆文化を支える重要な伝統技術であることと、地域に根差した取り組みが評価され、今回の受賞となりました。

■ 受賞内容について:大子漆の保存・伝承
◎大子漆とは
茨城県大子町と栃木県那珂川町で採取された漆のこと。非常に高い透明度と艶やかな光沢を特徴とし、輪島塗など高級漆器のほか、京都・知恩院御影堂など国宝建築の修復にも使われています。
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地域賞:天王寺楽所 雅亮会 「雅楽の保存・伝承」

■ 天王寺楽所 雅亮会(てんのうじがくそ がりょうかい)プロフィール
聖徳太子縁の地である大阪四天王寺は、千年以上、雅楽を伝承してきた歴史を持ちます。その中で、天王寺楽所雅亮会は、国内のみならず、カーネギーホール(アメリカ)をはじめとして、海外公演も広く展開しており、令和元年からは、ドイツのフライブルク音楽大学との交流もはじまり、ドイツでの雅楽の普及事業を展開することが計画されています。
[画像14: https://prtimes.jp/i/63139/4/resize/d63139-4-753547-11.jpg ]



■ 公演歴
毎年、四天王寺での「聖徳太子御正當会奉納舞楽」、「聖霊会」、「篝(かがり)の舞楽」、「経供養」、住吉大社の「卯之葉神事奉納舞楽」、「観月祭奉納舞楽」、厳島神社の「二日祭」と「元始祭」の奉納舞楽などを担当しています。昭和51年、「聖霊会の舞楽」として国の重要無形民俗文化財に指定されました。また、国内のみならず、カーネギーホール(アメリカ)をはじめとして、フランス、ドイツ、韓国、中国、香港での公演など、海外公演も幅広く展開しています。

■ 受賞内容について:雅楽の保存・伝承
雅楽は、1200年以上の歴史を持つ日本の古典音楽です。飛鳥時代から平安時代初めにかけての400年間あまりの間に、中国大陸や朝鮮半島から伝えられた音楽や舞と日本で上代から伝わる儀式音楽や舞踊が融合し、平安時代に完成しました。
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地域賞田中製紙工業所 田中敏弘 「手漉き和紙の保存・伝承」

■ 田中製紙工業所 田中敏弘(たなかせいしこうぎょうしょ たなかとしひろ)プロフィール
京都府大江町は、古くは手漉き紙の町として栄えていましたが、機械化の波に押されてしまい、いまでは同工業所がこの地域において、伝統的な和紙の製作技術を残す最後の1軒となってしまいました。田中さんは、和紙の原料となる楮(こうぞ)の栽培にはじまり、伐採、蒸し、剥皮(だっぴ)、煮熟(しゃじゅく)、紙漉き、圧搾、乾燥といった和紙づくりの工程を一貫して行い、紙漉きと乾燥が同時に進行する場合もあるため、家族での共同作業が不可欠です。和紙づくりにおいて紙漉きの作業工程が注目されますが、原料となる楮の栽培には10年もの歳月がかかり、処理の工程にも多くの手間と時間がかかります。海外の楮を使った和紙づくりも増えるなか、地元の原材料と手漉きにこだわっています。丹後和紙は、平成17年に「丹後二俣紙」として京都府指定無形文化財に認定され、田中製紙工業所に隣接する「大江町和紙伝承館」では、丹後和紙の歴史や魅力を伝える事業が行われ、「丹後二俣紙保存会」では和紙漉技術の保護と伝承が支援されています。大江町が一体となり精力的に普及活動が続けられています。
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■ 受賞理由
田中製紙工業所では漆濾し紙のほか、書道用紙、千切り絵用紙など、さまざまな用途に応じて和紙を製作しています。また京都御所障壁画や金閣寺金箔下地などの歴史的建造物の修復にも利用され、文化財保護へ大きく貢献されました。代々伝えられてきた技術を基に、さらなる研鑽を重ねる真摯な和紙づくりが評価され、今回の受賞にいたりました。

■ 受賞内容について:手漉和紙の保存・伝承
今回の受賞の対象となった和紙は、「漆濾紙(うるしこしがみ)」と呼ばれる、透けるような極薄の和紙の制作技術。漆を濾して不純物を取り除くために使われます。柔軟でありながら引っ張りにも強く、江戸時代から漆や油を精製する工程で使われてきました。現在、手漉きの漆濾し紙をつくっているのは全国で2軒、そのうちの1軒が、丹後和紙づくりを営んできた田中製紙工業所です。
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地域賞:椎葉神楽連合保存会 会長 尾前秀久

■ 椎葉神楽保存連合会(しいばかぐらほぞんれんごうかい)プロフィール
平成3年3月に「椎葉神楽」が国の重要無形民俗文化財に指定された際、「椎葉神楽保存連合会」が組織されました。後継者の育成を課題とする中で、平成24年から「椎葉神楽まつり」を実施し公演を行うようになりました。この公演は、椎葉神楽の周知と振興に効果をあげています。子どもたちだけでの舞、親子の舞といった、後継者育成の企画が積極的に組まれています。
[画像18: https://prtimes.jp/i/63139/4/resize/d63139-4-333417-14.jpg ]

■ 受賞理由
現在、26地区のうち、「夜神楽」を行なっているのは13地区ですが、この公演は、神楽の伝承と地域活性化に多大な貢献をしております。子どもたちだけでの舞、親子の舞といった、後継者育成の企画が積極的に組まれており、また伝承者自身も、他地区の神楽を知り、現状を話し合う機会ともなっています。椎葉神楽保存連合会は、これまでの実績をもとに、今後も村当局と連携をとりつつ、この「椎葉神楽まつり」を続けていく重要な役割を担っており、今回の受賞となりました。

■ 受賞内容について:神楽の保存・伝承
◎椎葉神楽とは
宮崎県椎葉村(しいばそん)に伝承される26地区で執り行われる神楽の総称です。彩り豊かな種々の採物(とりもの)を手に、勇壮な舞の数々が奉納されます。もともとは旧暦の霜月に行われていたもので、現在では11月から12月にかけての時期に、一晩かけて神楽を奉納していきます。
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■ ポーラ伝統文化振興財団について
「本当の美しさは、内面の美や心の豊かさを伴ってこそ初めて実現する」という想いの下、豊かな社会と文化の向上に寄与すべく、1979年に設立。日本の優れた伝統工芸技術、伝統芸能、民俗芸能などの無形の文化財を対象に、保存・伝承・振興の活動を行っている。
HP:http://www.polaculture.or.jp/
Youtube:https://www.youtube.com/channel/UCqoBFBt6U8EV1Egj-PH-LbQ/
Facebook:https://www.facebook.com/polaculture/

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