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東工大発スタートアップelleThermoが鉱山地熱による発電で小型LiBへの充電に成功

PR TIMES / 2024年7月12日 13時40分

熱エネルギーによるリチウムイオン電池への充電を確認



未利用熱のエネルギー変換を目指す株式会社elleThermo(読み:エレサーモ、本社所在地:東京都港区、代表取締役:生方祥子、以下elleThermo)は、この度、メキシコでの実証試験を通じて鉱山の地熱を電力に変え、小型リチウムイオンバッテリー(以下小型LiB)へ充電し、日本へ運搬することに成功しました。鉱山内の実証試験場所は温度42℃、湿度100%の過酷な環境でしたが、elleThermoが作製したエネルギー変換デバイス/半導体増感型熱利用発電素子(Semiconductor-sensitized thermal cell, 通称STC)は実証試験場所でも、帰国後も、繰り返し安定して発電しました。これはelleThermoの持つ技術、STCの事業化に向けた大きな一歩であるとともに、再生可能エネルギー利用の大きな前進となります。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/120229/4/120229-4-cac82f7506469c6843cb3372f97b697a-2167x709.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


メキシコ鉱山での実証試験
STCは、半導体の熱励起電荷による酸化還元反応を利用して発電する技術です。発電能力が弱まっても、スイッチを切って熱の中に放置しておくと発電能力が回復し、再度発電することができます(詳細後述)。elleThermoは、この東京工業大学発の発明であるSTCの社会実装、延いてはグローバルにおけるエネルギー問題解決を目的に設立されました。この度、Peñoles及び住友商事グループの支援のもと、メキシコ国内のNaica鉱山を含む2鉱山にてSTCの実証試験を実施する機会を得ることが出来ました。
 この結果から、弊社STCが常在する熱を利用して、様々な再生可能エネルギー電力の需要に対し、給電が可能であることが示されました。

本リリースでは実証試験の内容およびその主な成果についてご紹介いたします。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/120229/4/120229-4-e6512556d305c066bad2dea14dfda097-607x809.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
鉱山の中

湿度100%!
実証試験の実施環境については、次の通りでした。
・鉱山A:温度33℃、湿度58.5%
・Naica鉱山:温度42℃、湿度100%
特にNaica鉱山は、設置したSTCがあっという間に結露してしまうサウナのような環境です。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/120229/4/120229-4-465b3142b93411f9e7a3cb854aa24869-656x745.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
Naica鉱山内で20個直列にされた原理確認用STC。結露のためカメラのレンズが曇る

このような過酷な環境下で、原理確認用STCを20個直列し実験を開始しました。
リチウムイオン電池への充電確認
直列電圧値が3.4 Vを越えていることを確認し、続いて小型LiB(SLB03070LR35、nichicon)を接続し、16時間放置しました。放置後、小型LiBから0.01 mA放電時の放電曲線を測定したところ、初期電圧2.259 Vを示し、充電に成功いたしました。

[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/120229/4/120229-4-e034d22a68a0f50f25812c3557c393be-606x414.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
Naica鉱山で測定された放電曲線

なお放電後の20個直列したSTCの電圧は2.148 Vと、充電後の小型LiBよりもやや小さい値を示していました。このことが、今回、充電が2.259Vにとどまった理由と考えられます。充電するためには、発電部の電圧の方が蓄電部より大きい必要があるからです。
 STCはその特性として、スイッチを切って熱エネルギーを与えると、放電能力が回復することが知られています。次回の実証試験では、スイッチをオンオフする自動回路を組み込み、より大電力な充電を目指します。
 今回の実証試験に使用したSTCは、国内に持ち帰った後も良好に発電しています。湿度100%の環境下で16時間放置に耐えるSTCができあがったことも、弊社は大きな進捗であると受け止めています。

使用装置など
・実証試験期間 2024.4.8-9 鉱山A、10-11 Naica鉱山(メキシコ)
・使用STC 原理確認用STC
1個あたり1.5 cm × 2.5 cm × 約0.5 mm厚
充電前・充電後の開放電圧は全電池200 mV以上
n-Siウェハ/Ge/電解質/FTO
・使用LiB ニチコン SLB03070LR35
・確認充電容量 2%(Naica鉱山16時間放置、原理確認用STC20個直列)
・測定機器 T4Labワイヤレス電気化学計測システム
・接続方法 ワニ口ケーブル(アルミ箔付き)
半導体増感型熱利用電池STCとは
STCは色素増感型太陽電池における「色素の光励起」を「半導体の熱励起」に変えて発電する熱エネルギー変換技術です。室温程度の低温度帯に存在する熱により直接発電ができるため、熱の中で発電できることが特徴であり、幅広いユースケースが期待されています。設置温度での平衡状態に到達すると発電が終了しますが、スイッチを切ると、スイッチを切った時の平衡状態へ移行するため、再度放電することができます。
 技術原理については下記ご参照ください。
・公開総説
松下祥子「新たな発電技術で未来を創る」アド・スタディーズ2024年1月26日 11:00 Vol.86
https://www.yhmf.jp/as/postnumber/vol_86_05.html
・解説動画
YouTube「elleThermoチャンネル」
https://www.youtube.com/@elleThermo

株式会社elleThermo(エレサーモ)について
株式会社elleThermoは安全・安心で、資源に頼らないエネルギー問題・資源問題の解決を目指しています。
そのために東京工業大学発のコア技術であるSTCを活用することで、室温以上の未利用排熱で電力を生み出し、限られたスペースを有効に活用できる安定した発電システムを世界に届けてまいります。
本件お問合せ先
株式会社elleThermo
https://ellethermo.studio.site/contact

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