能登半島地震被災者支援の一年。ワーカーズコープ・センター事業団は、社会的に弱い立場の人への支援活動を継続・検証し、今後に備えます。
PR TIMES / 2025年1月29日 11時45分
高齢者・障がい者、清掃・福祉、子ども食堂・フードバンク等、災害時に見えづらくなる弱者を取り残さないために。全国ネットワークを活かしつつ地域ニーズに密着した支援の継続と、支援活動から見えてきた平常時の備えやさらなる地域連携を進めています。
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放課後児童クラブで制作したダンボールの公衆電話・公衆電話の使い方訓練
災害時に一般的な支援から取り残されがちなのが、高齢者や障がい者、ひとり親家庭、子どもたちなど社会的に弱い立場にある人々です。ワーカーズコープ・センター事業団は、能登半島地震発生後すぐ、石川県・富山県をはじめ近隣地域を網羅する事業所が力を合わせて支援に立ち上がりました。今年は阪神淡路大震災から30年の節目の年でもあり、改めて災害への備えや災害時に人々の命や暮らしをどのように守っていくか、社会的に関心が高まっています。
今回はこの1年の支援活動の報告と、活動時の気づきを通じた平常時からの備え、地域連携・他団体との連携の重要性について提言いたします。
能登半島地震発生後の地域支援活動ご報告
ワーカーズコープ・センター事業団には、日本全国で介護・福祉、障がい者・障がい児支援、清掃、子ども食堂、ひとり親家庭支援などを実施する事業所が所属しています。能登半島には直接的な事業所こそありませんでしたが、能登半島周辺の事業所をはじめ全国の事業所が地震発生後すぐ、被災者の支援体制に入りました。
まずは、北陸地域を中心とした近隣地域の事例をいくつかご紹介いたします。
支援物資と子ども食堂:松任青少年宿泊研修センター(石川県白山市)
石川県南部に位置する白山市も震度5弱を観測したものの、宿泊研修センターでは直接的な被害はほぼありませんでした。そこで、1月5日に2次避難所として登録し、輪島市から避難してきた人たちの受け入れや、近くの体育館に身を寄せる被災者への入浴対応、支援物資の提供などを行いました。
タオル類などは急遽リネン業者にかけあい200枚を調達。13日には自衛隊のヘリコプターで46人が到着しました。
ひとり親家庭支援などを行っている地域の団体とともに2年前から子ども食堂「はくさんうぐいす食堂」を実施していたこともあり、地震発生直後から「子ども食堂ネットワーク」を通じた大量の支援物資が全国から送られてきました。その物資を被災者支援に充てるため、市の了解を得て、研修センターで物資の保管と提供を決定。仕分けや引き取りなどの作業にはSNSでボランティアを募りました。
生活協同組合からも震災のため宅配不能となった商品が寄贈され、炊き出しなどに活用しました。また、自主避難所には物資が届かない場所が多いと聞き、道路の復旧が進み始めた1月22日頃から、ボランティアたちと一緒に80キロ離れた七尾市を中心として自主避難所などにも支援物資を届けました。
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活動したスタッフ(松任宿泊センター)
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全国から集まった支援物資(松任宿泊センター)
コロナ禍からひとり親世帯や非課税世帯を中心として子どもたちの体験支援や食糧支援を行っている地域団体「るーぷ」とは、宿泊ができる宿泊研修センターの特徴をいかし、これまで定期的に「宿泊付き子ども食堂」を共催。「かえっこバザール(無料のおもちゃ交換会)」なども共催して、子どもたちとその保護者への支援の充実のために平常時から地域課題の共有や互いに顔の見える関係を築いてこれたことが、災害時のスムーズな連携につながっています。
全国組織であるワーカーズコープ・センター事業団、センター事業団が加盟するワーカーズコープ連合会の加盟組織が取り組んだこと
被災を免れた石川県・富山県内のワーカーズコープ・センター事業団各事業所では、地域の実情に合わせて炊き出し支援等を実施しました。
能登島の東部に位置するえのめ漁港、石崎地区では、愛知の子ども食堂団体、県内フリースクール団体等と連携して炊き出し支援を実施。入浴希望者らを受け入れていた金石温泉(日帰り入浴施設)では施設には厨房設備がないため、こちらでも炊き出しを行いました。
首都圏でフードバンク活動を行う労働者協同組合ワーカーズコープちば(千葉県、ワーカーズコープ連合会加盟組織)では、地震発生直後から、いつでも支援に動けるよう待機。いしかわフードバンク・ネットからの要請を受け、子ども用オムツ、大人用オムツ、生理用品などを準備しました。物流センターでは、配布しやすいよう生理用品などは中の見えない袋に少量ずつ包装するなどの配慮ある準備をして、石川県へ自力で物資を運搬。また、ワーカーズコープちばが運営する「ふなばし制服バンク」でも、制服バンク石川の要請に応えて学生服などを集め、被災地にお届けしました。
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炊き出し支援(金石温泉)
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支援物資の配送(フードバンクちば)
災害対応を通じて学んだこと。教訓を生かす防災の心がけと平常時からの備え
災害支援活動は、ともすれば時間の経過とともに社会的な関心が薄れていくこともあります。支援は長期的に継続することが重要で、また支援のニーズはどんどん変化していきます。
この1年を通じて、もともと地域の困りごとや課題を解決するための事業を展開しているワーカーズコープだからこそ気づくことのできた支援や、地域が必要とするニーズに対する学びがありました。
子どもたちの心や体のケア、高齢者やひとり親家庭のサポート、病院清掃など非常時には手が回りにくくなるエッセンシャルワークの現場のサポート、今回の被災を教訓とした未来への備えなど、ワーカーズコープ・センター事業団の新たな取り組みの一部をご紹介します。
公衆電話を知らない子どもたちのために。公衆電話作りと避難訓練(神奈川県相模原市・横浜市緑区)
今の子どもはスマホには慣れていますが、公衆電話を使ったことがなく、見たことがないという子も多くいます。しかし、通信が混雑する非常時に役立つのは公衆電話です。
そこで、民間児童クラブ「ウキウキファイブ」(神奈川県相模原市、ワーカーズコープ・センター事業団 相模大野地域福祉事業所運営)では、2024年8月、子どもたちに公衆電話を知ってもらおうと、段ボールで公衆電話を作る会を開催。事前に職員が実物の写真を撮ったり、制作に必要な型紙を用意したり、資料や材料を準備。子どもたちは興味津々でした。10月には(公財)日本公衆電話会の講師を招き、本物の公衆電話での通話や災害用伝言サービスの体験教室を開催。非常時の通信手段について学びました。
この手作りの公衆電話は、9月に同じ神奈川県内のワーカーズコープ・センター事業団 横浜みどり事業所「森の台キッズルーム(放課後学童クラブ)」に貸し出され、避難訓練に活用されました。キッズルームの小学生たちは、当初借り受けたウキウキファイブの公衆電話に驚きましたが、クリエィティブな刺激を受け「自分たちもリアルな公衆電話を作ろう!」と発起。子どもたちが主体となって電話機制作が始まりました。針金で受話器コードをつくり、紙製のバネを仕込み押したら戻るダイヤルボタンをつくったり工夫して、写真のような「超リアルな公衆電話」が完成しました。事業所へお迎えにきた保護者や訪問された行政の方々にもご覧いただき、「すごい!かっこいい!」と大好評。今では森の台キッズルームのマスコット的な存在となっています。今年の1月8日には、能登半島地震・阪神淡路大震災のことにも触れながら、この公衆電話を使って改めて災害用伝言サービスの体験教室を行いました。
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公衆電話をつくるこどもたち(相模原)
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完成した公衆電話(相模原)
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完成した「超リアルな公衆電話」(横浜みどり)
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災害用伝言サービスの体験教室(横浜みどり)
いかなる時も社会的弱者を守る。防災と平常時の準備
能登半島地震は、災害がいつどんなときに起こるかわからないということを私たちに突き付けました。その教訓とこの1年間の被災者支援活動を通じて、ワーカーズコープ・センター事業団は災害発生後の支援だけでなく、万一の場合を想定した平常時の備えがいかに重要であるかを再認識しました。
いざという時、弱い立場の人たちが取り残されないよう、ワーカーズコープ・センター事業団では平常時から非常時に備えた準備を万全にし、全国規模のネットワークを活かした連携とコミュニティづくりを進めています。
参考資料
松任青少年宿泊研修センター(石川県白山市)
指定管理者としてワーカーズコープ・センター事業団が管理運営
事業所ホームページ https://mattou-c.jimdofree.com/
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労働者協同組合ワーカーズコープ・センター事業団 概要
[表: https://prtimes.jp/data/corp/146896/table/4_1_328aa18ffc607bb70f7cdc1bd91dd9d8.jpg ]
労働者協同組合法について(2020年12月成立、2022年10月施行)
労働者協同組合(ワーカーズコープ)にはこれまで農協・生協・漁協のような法人格がなく、「協同労働」の法制化をめざす動きが1998年から始まりました。協同労働の実践を全国で広げ、団体署名や意見書の採択に取り組む中で、与野党全会派一致で法制化が実現しました。
協同労働とは「協同の関係」で働くこと。働く人が自ら出資して組合員となり、話し合って事業を行う働き方です。企業組合やNPO法人と違い認可認証が不要で、NPO法人のように活動分野の規定もなく3人以上で設立ができます(NPO法人は10人以上、出資不可)。
法律では、出資額に関係なく「一人一票」の権利が認められています。「一人ひとりが出資して組合員となり、意見反映を通じて運営に参加し、自ら事業に従事する」、これが労働者協同組合の基本原理です。この法律を活用し、協同労働が社会を変えていく推進力となることを目指します。
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