医療機関の休廃業が過去最多 医師不足で「無医地区」増加も地域医療守るカギは…市民の約44%が受診するクリニック医師が提言
PR TIMES / 2024年12月4日 11時0分
『「総合診療かかりつけ医」がこれからの日本の医療に必要だと私は考えます。』12月4日発売
総合診療クリニックを運営する医療法人ONE きくち総合診療クリニック(本社:神奈川県綾瀬市、理事長:菊池 大和)は、2024年12月4日(水)に、書籍『「総合診療かかりつけ医」がこれからの日本の医療に必要だと私は考えます。』を現代書林より発売いたします。
本書は、同クリニック理事長の菊池氏が執筆したもので、地域住民の約44%が受診するまでに成長させた実績をもとに、日本の地域医療の課題を掘り下げ、未来を共に築くための内容を提言しています。地域医療の現状を理解し、改善に向けた取り組みを考えるきっかけとなる一冊です。
本書を通じ、20年後、30年後には「総合診療かかりつけ医」が全国に広がることを願い、未来を共に築いていくために、若い医師たちにその思いを繋げたいと考えています。ここでは、本書のポイントとなる内容を3つご紹介いたします。
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<ポイント1>2040年3人に1人が高齢者時代へ「無医地区」を支えるのは「総合診療かかりつけ医」
休廃業が過去最多!医師の高齢化、後継者がいないことが背景に
2025年、団塊の世代の多くが75歳を迎え、後期高齢者人口が急増します。さらに、2040年では3人に1人が65歳以上となり、100歳以上の方は今の9万5,000人から30万人になると推計されています。日本はそのような中、2024年4月より開始された、医師の働き方改革の新制度や医療従事者の高齢化による継承問題も相まって、地域医療の担い手が不足し、全国的に開業医が閉院を余儀なくされるケースが増加しています。2023年度の「医療機関の『休廃業・解散』動向調査」によれば、医療機関の閉院数は709件と過去最多を記録し、前年比37.1%増と深刻な状況です。
(引用:https://www.tdb.co.jp/report/industry/84vqpbtxk1d/)
「きくち総合診療クリニック」が所在する綾瀬市も、その典型的な例です。人口約8万4千人のこの地域には現在約20のクリニックがありますが、その多くを担う医師は65歳以上です。このままでは、10年後、20年後には医師不足が深刻化し、地域医療が崩壊する危機に直面する可能性があるのです。
加えて、医療機関へのアクセスが困難な「無医地区」および「準無医地区」の増加も問題となっています。無医地区とは、おおむね半径約4キロ圏内に50人以上が住む地区で、自動車などを利用しても1時間以内に病院で受診できない地域のことを指します。
一方、準無医地区とは、無医地区の指定要件を満たさないものの、人口減少などの影響で医療アクセスが実質的に困難となっている地域を指します。この無医地区と準無医地区を合わせた「実質的な無医地区」は、1994年には1307地区ありましたが、一時的に減少した後、2019年以降再び増加に転じ、2022年には1106地区に達しています。このように、無医地区は実質的には拡大しており、医療崩壊が現実の問題として迫っています。
(参考:https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&toukei=00450122&tstat=000001166266)
今後の地域医療はどうあるべきか。その一つの答えとして、総合的に診てくれる「総合診療かかりつけ医」の存在を増やすことが不可欠だと考えています。
「総合診療かかりつけ医」は「総合診療科医」でも「総合診療専門医」でもありません。総合診療・救急診療を通じて、地域医療に最大限に貢献することを目的としているクリニックをおこなう医師の事です。現状は、異なる医師が診ることによって断片化し、病気を見逃してしまったり、無駄な薬が処方されたり、様々な問題が生じることもあります。こうした状況を改善するためには、「まず診てくれる医師=総合診療かかりつけ医」が必要です。
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<ポイント2>国が描く「かかりつけ医」と患者が求める「かかりつけ医」のギャップ
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/151816/4/151816-4-3e265ccff18736e81f5141a13a243be5-866x729.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
医療提供体制の現実と患者の期待の違い
国が推進する「かかりつけ医」は、地域医療を支える要として、幅広い診療能力を持ち、患者の健康管理や予防医療を包括的に担う存在とされています。具体的には、患者の生活背景や家族構成まで考慮し、専門医と連携しながら総合的なケアを提供する役割が期待されています。また、救急医療の適切な利用促進や医療費削減といった、社会的課題への対応も重要な使命とされています。
しかし、こうした理想像を実現するには、医師一人ひとりに大きな負担がのしかかっているのが現状です。
一方で、患者が求める「かかりつけ医」は、信頼できる診療の質だけでなく、親身になって話を聞いてくれる対応や、いつでも迅速に対応してくれる安心感を重視する傾向があります。特に、急な体調不良や病気への対応力と、患者が抱える不安に寄り添う姿勢が求められます。そのため、患者が求める「いつでもすぐ対応してくれる」かかりつけ医を実現するには、診療時間やリソースに制約が生じる場合があります。
内閣府世論調査の「かかりつけ医を選ぶ際に重視していること」のアンケートによると、病状・治療内容など、分かりやすく説明をしてくれる医師が60.3%、かかりつけ医が治療できない場合は、専門機関を紹介してくれる医師が54.0%と、身近で相談しやすく、自分や家族の健康を気軽に託せる医師の存在を望んでいます。
(内閣府世論調査:https://survey.gov-online.go.jp/r01/r01-iryo/)
このギャップを埋めるためには、医師側が地域に合った柔軟な診療スタイルを模索する必要があります。同時に、患者側も「かかりつけ医」の役割や限界について正しく理解を深めることが求められます。
<ポイント3>若い医師が未来を変える 開業を後押しする教育・政策
地域医療を担う未来の医師へ 総合診療かかりつけ医を目指してください
かかりつけ医の重要性が高まる中、地域医療を支える若い医師の開業を積極的に後押しするため、教育と政策の整備が急務です。特に、医学教育において「総合診療教育」をさらに充実させることが必要だと考えています。
2004年に導入されたスーパーローテーション方式の臨床研修制度により、医師は幅広い診療科を経験する機会を得ましたが、現状では「総合診療教育」を導入している大学は非常に限られています。この状況を改善するには、医学部や初期研修で地方クリニックでの実習を増やし、医師が地域医療の現場を身近に感じられるようにする取り組みが重要です。また、歯科医院のように「開業」を具体的なキャリア選択肢として考えられる環境づくりも求められます。
医師が安心して独立し、地域の健康を守る「総合診療かかりつけ医」として活躍できるよう、菊池自身がロールモデルとなり、クリニックの運営や若い医師への指導に努めています。また、学校や教育機関との連携、講演活動を通じて、次世代の医師たちへの支援を広げることも目指しています。
本書では、私が提案する「総合診療かかりつけ医育成プログラム」を紹介しています。このプログラムを通じて、教育機関と連携し、未来の地域医療体制の強化、若い医師たちにとって新たなキャリアの選択肢のひとつになることを願っています。
日曜診療にも対応するクリニックを開業、地域密着型「総合診療かかりつけ医」の第一号として
菊池は、研修医時代に将来の日本の医療の現状と、専門医が特定の臓器以外を診ないという実情に危機感を抱きました。
その経験から「総合診療かかりつけ医」になることを決意し、2017年に神奈川県綾瀬市で「きくち総合診療クリニック」を開業。「いつでも、なんでも、だれでも、まず診る」をスローガンに、0歳の赤ちゃんから高齢の方まで、あらゆる症状に対応し、夜8時まで、土・日・祝日診療をおこなっています。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/151816/4/151816-4-0634242dbabd8d8371a664e120ccfbb3-657x414.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
また、高齢者の方のサポートができるよう、ご自宅(または駅&市役所)までの送迎バスを用意するなど、地域特性に合わせたクリニックの運営をおこなっています。日曜・祝日の受診に関しては、1日に約300~400人の患者様を診るほどの需要が伴い、現在、地域住民の44%が受診するクリニックへと成長しています。
救急医や外科医としても幅広い経験を持つ菊池は、専門性にこだわらないクリニックのあり方が、患者様にとってどれほど安心感をもたらすかを日々実感しています。菊池自身の経験を通じて地域医療の現状と未来の理想を拡く伝え、多くの医師や医療関係者、さらには一般の方々に理解してもらいたいという思いです。
書籍概要
本書『「総合診療かかりつけ医」がこれからの日本の医療に必要だと私は考えます。』では、地域医療の現状と課題に真正面から向き合い、持続可能な地域医療の未来を考察しています。診療科にかかわらず、「いつでも、なんでも、だれでも、まず診る」ことを基本とする「総合診療かかりつけ医」を増やし、患者の生活全般に寄り添う医師が地域に必要であると説いています。総合診療かかりつけ医の重要性とその実践方法、さらには若い医師へ開業するまでのノウハウについても惜しみなく伝えています。
書 名:『「総合診療かかりつけ医」がこれからの日本の医療に必要だと私は考えます。』
著 者:菊池 大和(きくち やまと)
出版社:現代書林
仕 様:四六判並製、192ページ
定 価:1,540円(本体1,400円+税)
配本日:2024年12月2日(月)
ISBN :9784774520261
販売ページ:http://www.gendaishorin.co.jp/book/b653834.html
【目次】
序章 日本の地域医療が危ない!
第1章 かかりつけ医が日本で広がらない現状
第2章 医療崩壊を救う「総合診療かかりつけ医」
第3章 私が「総合診療かかりつけ医」になるまで
第4章 総合診療かかりつけ医を目指してください
第5章 若い医師の開業を後押しする教育、政策
【著者プロフィール】
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/151816/4/151816-4-e366500391ba682cce43cdf1a3b5b609-454x606.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
名前:菊池 大和
肩書:医療法人ONEきくち総合診療クリニック 理事長
1978年神奈川県生まれ。2004年、福島県立医科大学を卒業後、総合病院で外科や救急診療に約15年従事。座間総合病院総合診療科勤務を経て、2017年に神奈川県綾瀬市で「きくち総合診療クリニック」を開業。2019年には医療法人ONEを設立し、理事長に就任。著書には『「総合診療かかりつけ医」が患者を救う』(幻冬舎メディアコンサルティング)がある。
<著者 メッセージ>
本書は、医療関係者や地域住民の皆様が「地域医療の未来」を考えるきっかけとなる一冊です。高齢化社会が進む中で、地域医療の担い手として、「総合診療かかりつけ医」はますます重要な役割を担います。専門医依存型の医療体制が当たり前とされる日本を変えたい想いです。「いつでも、なんでも、だれでもまず診る」地域医療を考えるクリニックに共感していただき、地域医療の未来を共に築いていきましょう。
【法人概要】
会社名 :医療法人ONE きくち総合診療クリニック
所在地 :神奈川県綾瀬市深谷中7-18-2 ライズモール綾瀬1階
代表者 :菊池 大和
設立 :2017年4月11日
事業内容 :総合診療クリニック
企業 HP :https://kikuchi-geclinic.jp/
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