女性特有がん患者1,085人が回答。12月実施の新型コロナ感染拡大緊急実態調査において「治療に直接的な影響あり」が13.9%。治療費負担が続く中で、約4割が「収入が減少」に直面。
PR TIMES / 2020年12月28日 13時45分
一般社団法人ピアリングによる「第2回新型コロナウィルス感染症(COVID-19)感染拡大によるがん患者さんへの影響緊急実態調査」結果をお知らせします。
一般社団法人ピアリング(横浜市、代表理事:上田暢子)は、12月12日より一週間「第2回新型コロナウィルス感染症(COVID-19)感染拡大によるがん患者さんへの影響緊急実態調査」を実施。女性がんサバイバー1,085人から回答を得ました。
●がん治療へ「影響を受けている」と答えた割合は13.9%(151人)
●「感染への不安から自ら通院を延期している」回答は55人
●現在治療中のがん以外の部位のがん検診を受けることを自己判断で延期している人の割合は、23.8%(258人)
●過去30日間の体調「気分が落ち込んで暗くなる」が強まった、との答えが30%(323人)
●コロナ前から就労状況に変化があった人の割合は31.3%(260人)
●コロナ前と比べて世帯収入が減った人の割合は39.6%(430人)
感染への不安から、自己判断で通院や検診を延期している人が依然多い状況です。また、仕事の減・収入減の回答も目立ち、治療費の負担が重いがん患者の経済的環境の悪化が懸念されます。
■「第2回新型コロナウィルス感染症(COVID-19)感染拡大によるがん患者さんへの影響緊急実態調査」
◇調査対象:女性特有がん経験者 1,085人
(1)対象者の罹患しているがん種
乳がん80.3% 子宮頚・体がん9.8% 卵巣がん8.3% その他婦人科系希少がん等1.7%
(2)年齢分布:40代44%/50代41%/30代9%/60代6%/20代0.5%/70代0.3%
(3)ホルモン療法中48%/ 経過観察中30%/ 化学療法中19%/乳房再建中4%/治療開始前2%/放射線治療中1%
◇実施期間:2020年12月12日より1週間 ◇実施手法:WEBアンケート
◇監修:外科・乳腺専門医 鈴木瞳医師(一宮西病院)◇分析:松村聡子(一般社団法人ピアリング)
◇調査結果の詳細は、こちらをご覧ください。
https://news.peer-ring.com/4984/
【アンケート結果要旨】
(1)新型コロナウィルス感染拡大により、13.9%が、がん治療に影響を受けている。(第3波と報道された11月以降の状況)
→4月調査(第1波)時の10ポイント減であり、感染拡大が長期化し医療がひっ迫する中でも、がん治療等コロナ以外の疾患への治療体制の維持が図られていることが推察される。
[画像1: https://prtimes.jp/i/47087/5/resize/d47087-5-488420-0.png ]
(2)「感染への不安から、自ら通院の予定を延期している」が55人
検査や手術の遅延といった病院都合による「治療」へのストレートな影響は前回4月調査より減少がみられたものの、感染への不安から、自ら通院等を延期した人は、回答者全体の約5%(55人)と、前回調査と同水準であった。
最も多かった「その他」(32%73人)の内容としては
・乳房部分切除術の予定だったが、毎日放射線治療に通わなければならない状況を避けるため全摘手術に変更した。
・通院時の感染リスク避けるため、タクシーを使うなど負担が増えた。
など、治療に関連する様々な間接的影響についての記載が目立った。
[画像2: https://prtimes.jp/i/47087/5/resize/d47087-5-923341-1.png ]
(3)過去30日間の体調「気分が落ち込んで暗くなる」が強まった、との答えが30%(323人)
また94%が自分や家族の感染の不安を感じており、心理面でのストレスが大きくなった時の相談体制の充実が求められる。
[画像3: https://prtimes.jp/i/47087/5/resize/d47087-5-548356-2.png ]
(4)現在治療中のがん以外の部位のがん検診(勤務先での健康診断含む)を受けることを自己判断で延期している人の割合は、23.8%(258人)
病院からの要請約2%・自己判断約24% 合計で26%(284人)が、治療中のがん以外の、他の部位のがん検診を延期としていることが明らかになった。
乳がんのホルモン療法(タモキシフェンの長期服用)では、子宮体がんの発生が増す可能性があることが指摘されていることなどもあり、該当の治療をうけている人は、定期的な子宮体がん検診が推奨されている。また、胃がん・大腸がん検診などその他の定期健診も、がん早期発見に欠かせないが、定期健診受診者の減少により、がん発見の遅れなど長期的な影響が心配される。
[画像4: https://prtimes.jp/i/47087/5/resize/d47087-5-977167-3.png ]
(5)コロナ前と比べて、仕事の量が減るなど、就労状況に何等かの影響を受けている人が31%(260人)「コロナ前と比べて世帯年収が減った」が39%(430人)。うち5割以上収入減との答えも6%(67人)
[画像5: https://prtimes.jp/i/47087/5/resize/d47087-5-670241-4.png ]
[画像6: https://prtimes.jp/i/47087/5/resize/d47087-5-438162-5.png ]
(7)新型コロナウイルス感染拡大の中で、困っていることや悩んでいることについての自由記述欄
●がんサロンなどがん患者同士の支えあいの場が開催されず、会話の機会もなく、孤独感が増している。
●化学療法中など抵抗力が低下している中で、通院のための交通機関利用が怖い。
●緩和ケアに入り、旅行をしたり大切な人に会ったりしたいが、思うように行動できないことがつらい。
●パートの出勤回数が減らされてしまい、転職活動をしたいが、コロナ禍で、がんサバイバーというハンデを抱えての職探しが難しい。
などの声が多数寄せられています。
【本アンケート結果を踏まえて】
・感染拡大防止や、感染のリスクについて、信頼できる情報の共有をすすめます。
・自己判断による通院延期に対し、主治医と相談しながら、治療をすすめること、そして定期健診についても、出来る限り、予定通りの受診を行うことを呼び掛けていきます。
・オンラインセミナーの開催、オンライン交流会の開催支援など、同じ病気に向き合う人同士の支えあい学びあいの機会を増やすことで、コロナ禍の闘病での孤独感を和らげる取り組みをすすめます。
・コロナ禍でがん闘病中の会員の、現状・課題把握に引き続き努め、社会に発信していきます。
【がんにむきあう女性のための、コミュニティ型SMS『PeerRingピアリング』】
◆WEBサイト公式オープン:2017年7月1日 https://peer-ring.com
◆アプリ名:Peer Ring ピアリング
ピアリングでは乳がん、子宮頸がん・体がん、卵巣がんなどの女性特有がんを告知された方が、診察室ではなかなか話せない、様々な不安を共有し、励まし合いのコミュニケーションをとっています。
乳がんや婦人科がんの罹患率が高くなる30代~50代の女性たちは、仕事や育児・介護など多くのことを抱え多忙な日々を過ごしています。
そんな中で、がんの治療と副作用をどう乗り越えるか、再発の不安を抱えつつ、どう前向きに生きていくか、などの悩みを共有し、時間場所の制約を受けることなく共通の経験をした仲間どうし支え合えるつながりの場として『PeerRingピアリング』コミュニティは、多くのがんサバイバー女性の支持を受けています。
※ピアリング内では研修を受けたメンバーが、ピアリングサポートメンバーとしての活動や、サイト内を安心・安全な場に保つためのパトロール活動をしています。
【団体概要】
■名称: 一般社団法人ピアリング ■代表者: 代表理事 上田 暢子
■所在地: 〒224-0001横浜市都筑区中川1-4-1 ハウスクエア横浜316号
■設立 : 2017年6月 ■事業内容: 女性特有がん患者コミュニティの運営
■URL:*一般社団法人ピアリング: https://site.peer-ring.com *SNSコミュニティ「PeerRingピアリング」: https://peer-ring.com
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