AI潅水施肥システムのゼロアグリが養液栽培にも対応 ~排液量を最小化し、環境負荷の低い栽培を実現~
PR TIMES / 2021年8月31日 11時0分
AIによる潅水施肥のスマート化を目指す株式会社ルートレック・ネットワークス(本社:神奈川県川崎市 代表取締役社長:佐々木伸一、以下当社)は、いちごやトマト等の隔離培地栽培や高設栽培において、肥料コスト削減と環境負荷の低減が期待できる、排液流量自動制御技術を搭載した「ゼロアグリ for 養液栽培」をリリースいたしました。
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背景、目的
いちごの高設栽培などを代表する隔離培地栽培(※1)は、土に直接植える土耕栽培に比べ、「病気が発生しにくい」「作業がしやすい」「新規就農者でも栽培ノウハウを習得しやすく成果を出しやすい」といったメリットがあるため、新規就農者を中心に導入が増加傾向にあります。
隔離培地栽培の潅水・施肥は、水に液体肥料を混ぜた培養液を点滴チューブやドリッパーを通して供給する養液栽培が主流ですが、養液栽培は最適な培養液の供給量を判断しにくく(※2)、作物の吸収量より過剰給液をしてしまう事が少なくありません。その為、化成肥料も含んだ過剰分の培養液が「排液」として排出され、環境負荷を高めるリスクがありました。
現在出荷中の養液土耕向け「ゼロアグリ」は、土壌センサの情報と日射情報を元に、AIが作物が必要とする潅水と施肥量を判断し自動供給することができる仕組みです。今回リリースしました「ゼロアグリ for 養液栽培」は、排液モニタリングの情報と日射情報を元に、排液量が最適となるよう給液量をコントロールすることが可能となりました。
農水省が策定した「みどりの食料システム戦略」においては、2050年までに温室効果ガスや土壌汚染の原因となる化学肥料の使用量を30%低減するという目標があります。「ゼロアグリ for 養液栽培」は、作物の成長に適した給液量をコントロールして排液を最小にすることにより、肥料コストの削減と環境負荷削減を同時に実現し持続可能な農業に貢献いたします。
詳細な仕組み
・栽培作物の培地における、排液量をモニタリング(オプションで、土壌水分量やEC値もモニタリング可能)。
・ゼロアグリのAIに排液量をフィードバックし、予め設定された目標の排液量になるよう自動的に給液量を調整。
・モニタリングされた排液量はいつでもスマホから確認し、調整可能。
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当社代表取締役社長 佐々木伸一のコメント
この度リリースしました「ゼロアグリ for 養液栽培」は、養液栽培における過剰な「排液」を最小化し、過剰施肥による環境負荷の低減することを目指して製品化しました。2019年より、主にイチゴの高設栽培の隔離培地にて実証を行ってきました。
ゼロアグリ・シリーズは、引き続き農業の生産性向上と環境負荷の低減を同時に実現するシステムとして成長させ、「デジタルファーミングで持続型未来に貢献」を目指します。
ルートレック・ネットワークスについて
当社は、2005年の創業以来培ってきたM2M/IoT技術を基に、2010年 総務省 広域連携事業の「ICTを利活用した食の安心安全構築事業」を契機に、明治大学黒川農場との共同研究により、スマート農業事業に参入しました。2013年からAI潅水施肥システム「ゼロアグリ」の提供を開始し、現在、全国の農家・農業試験場にて累計300台以上導入いただいております。2018年には、第4回日本ベンチャー大賞(農業ベンチャー賞 農林水産大臣賞)を受賞、同年 経済産業省よりJ-Startup企業、内閣府官邸 先進的技術プロジェクト「Innovation Japan」にも選出されました。
※1 ここでいう「隔離培地栽培」は、トマトのポット栽培やイチゴの高設栽培などのことを包括する言葉として使用しています
※2 給液量の判断する手法として、日射量を元に給液量を判断する手法や、排液量を一定に保つように制御する手法などがありますが、作物の生育状態に合わせ最適な量を判断しなければならず、その判断量が難しいという課題があります
ゼロアグリについて
・センサー情報や気象情報を元に、作物にとって最適な潅水量と施肥量をゼロアグリのAIが判断し自動で供給することができます
・生産者の方は、スマホやPCから栽培情報をモニタリングしながら、潅水施肥量を調整することが可能です
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《導入効果例》
・トマト生産者の例 収量10%向上、A品率27%向上、販売額35%増
・キュウリ生産者の例 A品率25%向上、肥料コスト50%削減、労力40%削減
■本リリースにおけるお問合せ先
株式会社ルートレック・ネットワークス 広報担当 中島
TEL:044-819-4711 E-Mail:mktg@routrek.co.jp
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