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再生医療政策の抜本的見直しを求める陳情書を厚生労働省に提出

PR TIMES / 2024年10月27日 11時15分

急増する自由診療下での悪質な再生医療ビジネスに警鐘



[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/132628/5/132628-5-4dc3f6df07e09a54e1cf13af2780e055-3900x940.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
一般社団法人再生医療安全推進機構は、「再生医療相談室」を運営。医療従事者・患者様問わず、再生医療に関する様々なご相談を承っております。


一般社団法人再生医療安全推進機構(以下、当機構)は8月2日、法規外の再生医療を提供・宣伝する医療機関の増加を受け、再生医療に関する政策の早急な見直しを求める陳情書を厚生労働省に提出しました。この陳情書は、現行の再生医療政策と法制度における重大な問題点を指摘し、早急な改善を要請するものです。

1、再生医療について
再生医療は、細胞治療や組織工学、分子治療といった多岐にわたる技術を駆使し、病気や損傷を受けた組織や器官を修復・再生する革新的な医療分野です。その科学的な進展と臨床応用が急速に進む中で、重篤な疾患や難病に対する新たな治療選択肢としての期待が高まっています。

2、現行法制度と現状
再生医療における臨床研究から治療応用には安全性と品質の担保を目的とした「再生医療等安全性確保法(以下「安確法」)」が存在し、再生医療を行うには審査機関(特定認定再生医療等委員会)の審査が必要です。しかし、その審査機関に明確な審査ガイドラインが設けられていなかったため、本来であれば受理相当に当たらない治療提供計画書が受理されている現状があります。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/132628/5/132628-5-a9744dad502d95e3a253c6a38d99fb16-841x595.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
                             引用元:医政局 研究開発振興課 再生医療等研究推進室 資料

3、医療機関内で行われる培養施設への警鐘
再生医療の幹細胞治療において、専門の培養施設ではなく、医療機関内で行う「院内細胞培養加工施設(※以下、院内CPC)」の運用には重大なリスクが潜んでいます。細胞培養加工施設(CPC)とは、再生医療に必要な細胞の培養・加工を行う専用施設であり、高度な無菌環境で細胞の分離・増殖を行い、患者へ安全に移植できる品質を保つ役割を担います。CPC内では、厳密な品質管理と法的基準に従って作業が行われ、治療の安全性・効果を確保しています。
院内CPCは、文字通り医療機関における院内で細胞を培養・加工する施設であり、治療において重要な役割を果たしますが、専門の施設ではないため、培養士による適切な管理体制の不備や、感染症や品質の不均一といった深刻なリスクが発生する可能性があります。
また、専門の培養施設と比べ、技術や知識、そして設備が十分でない医療機関内でのCPC運用は、細胞の品質や安全性を担保できず、患者に予期しない健康被害を及ぼす恐れがあります。
幹細胞治療の効果を最大限に引き出すためには、クリーン度の高い培養環境の確保、CPCの適正な運用、経験値の高い培養士による厳格な品質管理等が不可欠であり、慎重な対応が求められます。
当機構では、このような院内CPC運用に関するレギュレーションがないことを危惧し、法改正の必要を訴え今回の陳情に至った次第です。

4、陳情書の主な内容
【臨床現場の患者ニーズを反映した政策立案】
再生医療における政策立案には、現場からの直接的フィードバックが必須です。現場の医療従事者、研究者、患者からの具体的な意見や体験は、医療の透明性を高め、患者中心のケアの促進、医療研究の質を向上させるのは勿論、実際の臨床現場で効果的に機能するかどうかを保証するための基盤になります。現場の意見を取り入れることは理論的な理想論を求めるだけの政策にならない為にも非常に重要です。

【明確な審査ガイドラインの策定】
特定認定再生医療委員会における審査プロセスの標準化は、治療の安全性と効果を保証する上で不可欠です。委員会間での連絡協議会を設置し、共通の審査ガイドラインを作成することで、一貫性のある評価基準を確立します。また優れた実践を行っている医療機関を選定し、治療実績と経験をもとに聞き取り調査を実施。得られたデータをもとに治療ガイドラインを策定することで医療の質を均一化し、全国的なレベル向上に寄与させることが期待されます。

【法規制の適切な更新】
再生医療技術の進展速度に法規制が追い付かず、治療法の承認プロセスの遅れが患者の治療機会を制限している現状があります。しかし規制の不在は市場参入のハードルを低くし、悪質な再生医療の提供を行う個人・団体が増えるという問題も起きています。この課題を解決するために再生医療の安全性や効果に関する包括的なデータベースを構築することを提案しています。医療提供者、患者、制作分析者からのデータを定期的に分析することで根拠に基づく意思決定が可能となり政策の有効性を高めます。

【効果的な監視体制の構築】
調べによると令和5年10月時点で約700の医療機関が再生医療技術を応用した法規制外の治療法(※細胞外小胞の点滴治療等)を行い未承認薬での治療効果を宣伝しています。特にSNSを利用した広告では医療広告違反のモラルがないどころか、詐欺的事案が散見されます。厚生省は医療広告パトロールを外部に委託しているが全く機能していないと言わざるを得ません。これらの問題を解決するためには、現状の学会主導のガイダンスから政府主導の明確な法的規制への移行を実現する必要があります。つまり、厚生労働省が独自にガイドラインを制定し、一学会のガイダンスに依存しない「明確な法的枠組み」を確立することが求められます。厚生労働省が主導的に制定したガイドラインを広く正確に啓蒙し、消費者や業界関係者がこれを正しく理解することこそ再生医療業界の健全な発展への第一歩となります。法的強制力を持つ規制の導入と併せて、適切な情報提供と教育プログラムを実施することは細胞外小胞の臨床応用における安全性と有効性を確保し、再生医療の健全な発展を促進することができるでしょう。

5、さいごに
厚労省は、2024年10月25日付で「再生医療等の安全性の確保等に関する法律に基づく緊急命令について」と題し報道機関にプレスリリースを発行。医療機関名を公表し重大辞退報告を行なっている。本件は、当機構として看過できない重大事案であるが、本陳情書の提出を機に、再生医療政策の抜本的な見直しが進むことを期待します。今後も安全かつ革新的な再生医療の開発と提供が促進される世界を目指し今後も活動してまいります。


【一般社団法人再生医療安全推進機構とは】
2023年4月、再生医療が安全に提供される社会の実現を目的として設立。患者や医療従事者、再生医療ビジネスにかかわる企業等、再生医療の専門家でなくとも信頼に足る情報にアクセスできるようにするため、「再生医療相談室」を運営。

一般社団法人再生医療安全推進機構
所在地: 〒813-0017 福岡県福岡市東区香椎照葉5-1-12
設立: 2023年4月
事業内容: 再生医療関連事業
URL: https://saiseiiryo-portal.com/(再生医療相談室)

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