CBREが三大都市圏の賃貸大型物流施設の市場動向(2017年第3四半期)を発表 首都圏空室率は5.8%に上昇、エリア間の格差広がる。
PR TIMES / 2017年10月24日 15時1分
近畿圏では今期の新規需要が2006年Q4の調査開始以来、過去最大となる。
CBRE(日本本社:東京都千代田区丸の内)は本日、三大都市圏(首都圏・近畿圏・中部圏)の2017年第3四半期(Q3)の大型マルチテナント型物流施設(LMT- Large Multi-Tenant Logistics Properties)の市場動向を発表しました。
【注目動向】
●今期の首都圏LMTの空室率は5.8%に上昇、ただし竣工1年以上の空室率は2.2%に低下。
●新規需要は2013年以降の四半期平均を大きく上回る77,000坪。東京ベイエリアでは「物流ビルB棟」が8割以上の高い稼動率となり、需要の伸びに貢献した。
●エリア別の空室率は、東京ベイエリアでは8.1%に上昇した一方で、外環道エリアは、前期5.0%から今期1.9%へ大きく低下。国道16号エリアは今期わずかに上昇したものの2.1%と依然として低水準。圏央道エリアでは、空室率は再び上昇して19.4%となった。
●近畿圏LMTでは、新規需要は過去最高の111,000坪。初めて10万坪を超えて、空室率は15.7%に低下。
2017年Q3の首都圏LMT市場の空室率は5.8%で、前期から0.7ポイント上昇しました。新築物件が空室を残して竣工したことが主因です。ただし、これまでに竣工した物件の空室消化が進んだため、竣工1年以上の空室率は前期2.7%から今期は2.2%に低下しました。新規需要は、2013年以降の四半期平均を大きく上回る77,000坪となりました。東京ベイエリアで竣工した「物流ビルB棟」が8割以上の高稼動となり、需要をけん引しました。外環道エリアでは、空室率が前期5.0%から今期1.9%へ大きく低下。国道16号エリアも、空室率はやや上昇したものの2.1%と依然として低い水準です。一方、圏央道エリアでは、空室率は19.4%に上昇しましたが、今期は大型のテナントの引き合いが出てきています。
CBREインダストリアル営業本部首都圏営業部長の佐藤亘は、「東京ベイエリアに竣工した『物流ビルB棟』は、小区画の賃貸が可能なことや、多目的な用途への対応が可能なことがテナントに好感されて高稼動でのスタートとなった。外環道、国道16号エリアはニーズが強い地域であることに加えて、既存物件での空室は限定的。2018~2019年に竣工する物件にも、幅広い業種からすでに多くの引き合いがある」とコメントしています。
近畿圏のLMT市場では、空室率は前期から2.7ポイント低下し15.7%となりました。今期竣工の2棟は、いずれも大阪府の内陸に立地する巨大な施設で、大きな需要を吸引しました。それに加えて、湾岸部でも複数のテナント決定がみられた結果、今期の新規需要は2006年Q4の調査開始以来初めて10万坪を超えて111,000坪となりました。
CBREインダストリアル営業本部関西支社シニアディレクターの北村健次は、「これまで大型施設の少なかった地域での開発が、テナントニーズを大いに喚起している。大阪府の湾岸部では空室が長期化している物件もみられるものの、近畿圏の賃貸マーケット全体は拡大基調だ」とコメントしています。
中部圏のLMT市場では、空室率は前期18.0%から14.2%に低下しました。2017年に中部圏で予定されていた89,000坪のLMTの新規供給は、Q2までにすべて竣工しています。そのため今期は供給が全くなく、これまでに竣工した新築物件でリーシングが順調に進展しました。
CBREインダストリアル営業本部名古屋支店シニアディレクターの石川治夫は、「ドラッグストア各社が引き続き業容拡大を図っているほか、eコマース、日用品、食品・飲料といった消費財を扱う業種でも拠点の新設や拡張移転の動きが活発だ。そのため、来期はさらに空室率が低下するだろう」とコメントしています。
詳しいマーケットの動向・見通しや各都市のマーケットデータは10月31日発刊予定の「ジャパン ロジスティクス マーケットビュー Q3 2017」をご覧ください。
弊社ホームページ(http://www.cbre.co.jp/JP/research/Pages/MarketViews.aspx?redirect=true )からもご覧いただけます。
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