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インボイス導入で2、30代経理担当者の約4割が「異動」「退職/転職」を希望。9割弱の経理担当者が「将来的にも導入するべきでない」「導入時期は延期すべき」と回答

PR TIMES / 2023年9月23日 11時40分

~中小企業の現場の約3割で経理担当者がいなくなる可能性も明らかに。インボイス制度による業務負担増で企業経理に崩壊のおそれ~

「インボイス制度を考えるフリーランスの会」は、企業の経理業務担当者に向けて、2023年10月より開始されるインボイス制度についての意識調査を実施し、709名からの回答を得た。企業経営にとって重要な部署である経理部門にインボイス制度はどんな影響を及ぼすのか。結果を報告する。




働き盛りの2、30代経理担当者の約4割が、インボイス制度の施行で業務が増えることによって「異動」もしくは「退職/転職」したいと考えている。

インボイス制度について、9割弱の経理担当者が「将来的にも導入するべきでない」「導入時期は延期すべき」と回答。

2割強が、取引先のフリーランス/小規模事業者に対して取引内容の変更や値下げ要求、取り引きの打ち切りを検討。





制度が経理担当者のモチベーションを壊す



制度が施行され、煩雑な業務が増えることによって「異動」もしくは「退職/転職」したいと考える経理担当者は33%にのぼった。業務を離れたくなるほどの過重な事務負担を強いるインボイス制度は、税の三原則のひとつ、『簡素』に反していると言わざるを得ない。

[画像1: https://prtimes.jp/i/110508/6/resize/d110508-6-4b006a4ae8e41ec6abfc-0.png ]


より深く分析していくと、経理担当者の人数が多い方が「異動」もしくは「退職/転職」を希望する割合が強く出ており、特に「経理担当者の人数が10~19人」の中では44.2%と高くなった。これは、大企業の経理は分業化、専門化が進んでおり、担当する部門によっては、インボイス制度により煩雑な業務が増えるあおりをダイレクトに被ってしまうことが考えられる。
逆に、経理担当者が「1人」と回答したケースでは、「異動」もしくは「退職/転職」を希望する割合は28.9%。中小企業の現場の約3割で、経理担当者がいなくなる可能性も明らかになった。

[画像2: https://prtimes.jp/i/110508/6/resize/d110508-6-0d9029bc3211e1903c00-1.png ]


〈年代別に見た場合〉
「20代」の38.0%、「30代」の40.5%が「異動」もしくは「退職/転職」を希望している。働き盛りの世代であり、転職もしやすい年代であることから、今後永続的にインボイスに関わらなければいけない経理から「離れる」という選択肢を、十分に持ち得ている層と言える。

[画像3: https://prtimes.jp/i/110508/6/resize/d110508-6-b514b1fe18c16327a3fe-2.png ]


〈従業員規模別に見た場合〉
「従業員1000人以上の規模」で47.4%が「異動」もしくは「退職/転職」を希望すると回答。大企業であればあるほど、取引先の数や商取引の回数も当然多くなり、インボイスによる業務負担の激増が予想される。

[画像4: https://prtimes.jp/i/110508/6/resize/d110508-6-6b19d7b71d66ecc6622a-3.png ]


インボイス制度の導入に経理担当者は否定的



インボイス制度について「将来的にも導入するべきでない」「導入時期は延期すべき」と回答した者をあわせると9割弱の88.2%となった。経理を生業としている大多数が、インボイス制度に反対している結果となった。
「導入するべきではない」「延期すべき」と答えた理由の1位は「事務負担が大きいから」82.9%となっており、煩雑で非生産的な業務(ブルシットジョブ)を、今後ずっと押し付けられてしまうことへの危惧が現れていると読み取れる。

[画像5: https://prtimes.jp/i/110508/6/resize/d110508-6-1fc6bb70d490838ac8a7-4.png ]

[画像6: https://prtimes.jp/i/110508/6/resize/d110508-6-228d6dab083f23a143d3-5.png ]




■取引先のフリーランス/小規模事業者へのインボイス対応の連絡状況や今後の取引への影響



取引先のフリーランス/小規模事業者へは、「特に何も通知・相談していない」が38.1%に及び、同業他社などの態度を含めて、制度への対応をどうすべきか決めかねている状況が見て取れる。
また、「経過措置がある間はこのまま取引を続ける予定」10.4%、「経過措置の状況に合わせて、段階的に取引条件を変更していく予定」8.5%、「免税事業者のままでいる場合は、値下げをお願いする予定」7.6%、「これを機にフリーランス・小規模事業者との取引をやめる/徐々にやめていく予定」5.2%と、経過措置が完全に終了する6年後を考えた場合、相当な取引環境の変化をもたらすことが懸念される。
自由回答欄では、取引先への確認・説明・相談といった窓口業務が経理担当者に押し付けられている現状が明らかになった。「複雑・難解(膨大な量のQ&A)でインボイス対応が困難」な上、「制度に対する周囲の無理解・無関心」により、経理担当者は実務的・精神的な負担を強いられている。激変緩和措置などが重ねられた結果、制度開始前から経理実務の範疇を超えた過度な負担が発生しているといえる。

[画像7: https://prtimes.jp/i/110508/6/resize/d110508-6-449ac2f9bfd6fe941996-6.png ]


従業員(会社)の規模が小さいほど取引先に占めるフリーランス/小規模事業者の割合が高くなる



小規模な事業者ほど、取引先にフリーランスや小規模事業者が占める割合が多い傾向にあり、小規模事業者同士で、インボイスによる税負担を押し付け合わなければいけない構図が明らかに。体力のない事業者同士で、どこで折り合いをつけるにせよ、最悪の場合「共倒れ」というケースも懸念される。

[画像8: https://prtimes.jp/i/110508/6/resize/d110508-6-b5aeeb0a512acbe1b059-7.png ]



制度導入前の時点で困っていること[自由回答]


[画像9: https://prtimes.jp/i/110508/6/resize/d110508-6-5584b2de3f6600edb199-8.png ]


総評



企業がインボイス対応を迫られる中、本調査によって、働き盛りの2、30代経理担当者の約4割が「異動」や「退職/転職」を考えざるを得ない状況が浮かび上がった。
「あまりに経費と工数がかかりすぎる」といった声が寄せられたアンケートの自由回答からは、“生産性のない業務(ブルシットジョブ)”により、制度開始前から現場が疲弊していることがわかる。慎重を要する税務処理に加え、社内外に制度を説明したり、取引先に課税事業者への転換をお願いするなど、骨の折れる繊細な折衝を押し付けられた結果、「金と労力だけかかって何も得ることがない」状況に将来性を見いだせない経理担当者の声が目立つ。
煩雑な税務処理に制度の説明、そして「消費税を誰が負担するのか?」というデリケートな問題がすべて現場に丸投げされている現状、制度スタート後、さらなる混乱が予想される。


前回発表した内容及び、その他の設問の結果については参考資料にまとめています。
こちらもご参照ください。
https://drive.google.com/drive/folders/19b-wY9LXL7xoYHu6FThuZ2Rno-wkm20S


調査概要等


・調査期間:2022年12月26日~2023年8月2日
・調査主体:インボイス制度を考えるフリーランスの会
・調査対象:経理専任・経理兼任・経営者兼経理などを含めて、経理実務に携わっている方
・有効回答数:709件
・調査方法:Webアンケートツールを用いたオンライン調査
・本調査のグラフは小数点以下第2位を四捨五入しているため、必ずしも合計が100とはなりません。

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