SyntheticGestaltとEnamine、日本で過去最大規模 (380億件) の新薬候補探索を共同実施
PR TIMES / 2024年6月21日 14時15分
ライフサイエンス領域でのAI開発に特化した研究開発企業であるSyntheticGestaltは、世界最大の分子特化型のAIを使って、総合創薬サービスの世界的プロバイダーであるEnamineが提供する380億件の化合物から新薬候補を発見する共同研究を開始するのでお知らせいたします。
2024年6月21日、東京(日本)およびキーウ(ウクライナ)
ライフサイエンス分野に特化したAI企業であるSyntheticGestaltと、合成可能性の高い化合物空間の超大規模での創出におけるパイオニアであるEnamineは、本日、新たな研究プログラムを発表しました。このプログラムでは、AIを活用した新薬の発見と、その後のEnamine(B-REAL)での化合物の生物学的試験を実施します。
2024年初頭に、両社は合成可能で活性を有する化合物を生成し、物理化学的およびADME/Tox特性を最適化するための協力関係を開始しておりました。
本プログラムにおいてSyntheticGestaltは、Enamineの380億化合物のREAL空間を利用して開発した、世界最大の分子特定AIモデルを活用します。SyntheticGestaltは特定のターゲットに対する活性を予測しながら、ADME/Toxパラメータを同時に最適化し、REAL空間の中から有望なリード化合物を探索します。
[画像: https://prtimes.jp/i/123750/6/resize/d123750-6-e302402f1585f3694d22-2.jpg ]
長期的には、「トレーニングデータでは高性能だが、実証研究では低性能」というAIによる薬物発見の長年の課題を解決することを目指しています。
このようなSyntheticGestaltの取り組みは、今年のNVIDIA年次会議で発表されております(参照:https://www.nvidia.com/en-us/on-demand/session/gtc24-se62873/)。
開発されたAIモデルは薬物発見サイクルを大幅に短縮し、EnamineのREAL空間を利用することでさらなる利点を発揮します。
化合物の物流と通関手続きの複雑化が進む中、研究サンプルの発送は薬物発見の遅延と高コストに大きく寄与しています。通常の共同研究プロジェクトでは、複数のCROが関与し、すべてのCROに化合物を繰り返し提供する必要があります。このため、化合物が通関で滞留したり、物流や化合物管理チームの遅延により、発見の共同作業が停滞します。
B-REALプラットフォームを使用して合成された化合物は、即座にEnamineのBienta生物学研究所で広範な活性、ADME/Tox、および物理化学的試験が実施可能となります。化合物の発送に要する時間よりも短期間でデータを提供することで、全体の合成と試験のターンアラウンドタイムは4~6週間に短縮されます。
Enamine生物学部門ビエンタ責任者、Petro Borysko博士のコメント: 「日本で過去最大規模の化合物検索イニシアティブに、私たちの専門知識が貢献できることを嬉しく思います。当社の生物学研究所は、当社のデータベースに短時間で登録された化合物を、わずか1日以内に化学部門の同僚から受け取ることができます。私たちのパートナーは不必要な化合物のロジスティックスに対応する必要はなく、早期の生物学的データは、より迅速な研究の指針となります。」
Enamineビジネス開発ディレクター、Iaroslava Kos博士のコメント:「我々のパートナーが380億もの化合物の中から新薬候補を発見し、エナミン社のB-REALプラットフォームは、バーチャルヒットを具体的な成果に変換します。数週間以内に、新規で有望な化合物が合成され、試験管内で厳密にテストされます。これは、創薬化学における効率性と信頼性の最高峰であり、医薬品開発を前進させ、製薬研究の展望を再構築するという当社のコミットメントを表しています。」
SyntheticGestalt CTO、神谷幸太郎のコメント:「SyntheticGestalt の世界最大モデルと Enamine の世界最大データが織りなす他に類を見ない規模でのAI創薬は、私たちにとっても大きな挑戦となります。様々なご支援のもとにチャレンジできる舞台を頂けたことに感謝するとともに、本プロジェクトの成功を端緒として、AIか創薬研究に新たな扉を拓く可能性を示すことになると確信しております。」
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