1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. プレスリリース

既存円形鋼管に対して溶接を使わない接合工法「SpS工法」

PR TIMES / 2024年12月2日 13時15分

現場溶接が不要で安全性と効率性を両立!



[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/140724/6/140724-6-3226e9d1bab7150de209ec2be99ea72b-1887x1186.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


 株式会社コンステック(大阪府大阪市/社長 茶家義明)と国立大学法人豊橋技術科学大学(愛知県豊橋市/学長代行 若原昭浩)は、鉄骨造建物の耐震改修において、既存円形鋼管部材(以下、既存鋼管)と新設部材をエポキシ樹脂接着剤により接合する無溶接工法「SpS(Steel-pipe Sandwiched)工法」を開発しました。
 SpS工法を用いて新設部材を接合することで現場での溶接が不要となるため、工事中の火災リスクを大幅に抑えることができます。さらに、手間のかかる火気養生や残火確認も不要となるため、施工スケジュールの柔軟性が増し、条件によっては現場での作業時間を大幅に短縮できる場合もあります。特に、可燃性の材料や製品を扱う火気厳禁の施設や、夜間・休日工事といった短い時間での施工が求められる工場や倉庫などに最適です。SpS工法は、安全性と効率性を両立した施工を実現します。

【背景】
 鉄骨造建物の耐震改修において、鉄骨ブレースなどの耐震補強部材を新設する際、既存鉄骨と新設部材の接合には現場溶接や高力ボルトが多く用いられています。特に、工場や倉庫で多く見られる柱やトラス梁に円形鋼管部材が用いられている建物では、その接合方法のほとんどに現場溶接が用いられています。
 しかし、図1に示すように工場や倉庫では可燃性の材料や製品を扱うことが多いこともあり、火災のリスクが高くなります。そのため、これらの建物ではリスク回避の観点から火気の使用が制限され、現場溶接を用いることができず、耐震改修を実施できないケースも少なくありません。さらに、現場溶接を行う際には厳重な火気養生が必要となり、工場・倉庫の稼働スケジュールによっては工期が大幅に膨らみます。
 そこで、この課題解決に、現場溶接を使わない接着接合によるSpS工法を開発しました。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/140724/6/140724-6-cde5fb2459b5f9af95daf2db25de0f69-3147x1754.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図1 建物火災の火元建物用途別の状況(令和4年中)

出典:令和5年版 消防白書

【工法概要】
 SpS工法は、新設部材が取り付く「補強部材接合部(非接着)」と、その両端外側に接するように設置される「せん断抵抗部(接着)」により構成される接合工法です。補強部材接合部は、専用金物(青色)で既存鋼管を挟み込み、ボルトにより一体化した後、専用金物と既存鋼管の内部にグラウトを充填します。せん断抵抗部は、内側にエポキシ樹脂を塗布した専用金物(赤色)で既存鋼管を挟み込み、一体化します。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/140724/6/140724-6-e7d7584983b32f8f14233a24b2bd393d-2081x754.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図2 SpS工法の概要

 適用可能な既存鋼管は、直径48.6~318.5の鋼管単体または鋼管を用いた組立材です。取り付く新設部材に制限はなく、鉄骨枠などの新設を想定した「鉄骨枠タイプ」と水平ブレースなどの新設を想定した「ブレースタイプ」があります。(図3)
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/140724/6/140724-6-5f930a7634cb2878c92fed18933a4919-2417x2156.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図3 鉄骨枠タイプとブレースタイプの適用イメージ

【特徴】
- 現場溶接を用いないため、火気養生などが不要
- 既存鋼管にボルト孔を設けないため、断面欠損が生じない
- 既存鋼管の溶接跡など軽微な不陸を残したまま施工が可能
- 薄肉鋼管への適用でも、溶接による変形の心配がない
- 接着部と非接着部に分けることで、剥離による接着耐力の低下を防止(図4)
- さまざまな形状や寸法の鋼管に適用可能

[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/140724/6/140724-6-e5bbb011e9af93b6b17bbddc62b4ae10-2318x948.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図4 接合部に生じる力の伝達

【実験検証】
 各種試験を実施し、その性能を確認しています。
[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/140724/6/140724-6-841ff5b45ee16885933fb737a0bd3004-2168x583.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
写真1 各種試験状況

【関連発表論文】
- 鈴木公平,津之下睦,中尾貞治,間野明人,濱崎瑞生,山本梨乃,松本幸大:鋼管構造部材に対する耐震補強材の接着接合法に関する基礎検討,日本建築学会大会学術講演梗概集,構造III,pp.885-886,2022.9
- 池永周造,山本梨乃,鈴木公平,津之下睦,中尾貞治,松本幸大:鋼管構造部材に対する接着接合を応用した耐震補強法に関する研究 その1 接着接合法と接合部力学試験,日本建築学会大会学術講演梗概集,構造III,pp.947-948,2023.9
- 津之下睦,鈴木公平,中尾貞治,池永周造,山本梨乃,松本幸大:鋼管構造部材に対する接着接合を応用した耐震補強法に関する研究 その2 剪断抵抗部の接合部耐力式の提案,日本建築学会大会学術講演梗概集,構造III,pp.949-950,2023.9
- 津之下睦,池永周造,鈴木公平,松本幸大:円形鋼管部材に対する接着接合を応用した耐震補強法,日本建築学会技術報告集,第30第75号,pp.774-779,2024.6
- 池永周造,津之下睦,樋口彰悟,鈴木公平,神谷章太,松本幸大:鋼管構造部材に対する接着接合を応用した耐震補強法に関する研究 その3 部材寸法を変数とした実験的パラメトリックスタディ,日本建築学会大会学術講演梗概集,構造III,pp.1365-1366,2024.8
- 津之下睦,池永周造,樋口彰悟,鈴木公平,神谷章太,松本幸大:鋼管構造部材に対する接着接合を応用した耐震補強法に関する研究 その4 接合プレートの影響を考慮した剪断抵抗部の接合部耐力式の提案,日本建築学会大会学術講演梗概集,構造III,pp.1367-1368,2024.8

■参考URL
SpS工法:株式会社コンステック

■株式会社コンステックについて
コンステックは1969年(昭和44年)の創業以来長年にわたり、鉄骨・コンクリート建造物の調査・診断から補修・補強工事までを一貫して手がけ、既存建築物の長寿命化分野におけるリーディングカンパニーとして成長を遂げてまいりました。全社員がプロフェッショナルの技術者としての誇りと責任を持ち、社会のニーズに対応した価値ある独自の技術開発を推し進め、安全・安心で持続可能な社会環境の提供に努力してまいります。

株式会社コンステック
本社 〒540-0031 大阪府大阪市中央区北浜東4-33
代表取締役社長 茶家義明

■事業内容
鉄筋コンクリート及び鉄骨建築物の調査・診断
鉄筋コンクリート及び鉄骨建築物の補修・改修補強工事
鉄筋コンクリート及び鉄骨建築物の耐震診断・耐震補強工事
土木構造物の調査・診断
土木構造物の補修・補強工事
アスベスト処理及びダイオキシン除去工事
歴史的構造物の補修・補強工事
その他関連するコンサルタント業務及び工事

【問い合わせ先】
[画像7: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/140724/6/140724-6-0ed62e034ed0f7d60b07e4664beeb72b-1069x146.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
https://www.constec.co.jp/
株式会社コンステック 技術本部構造ソリューション部
電話:03-6450-0634




[画像8: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/140724/6/140724-6-544cb99fd6b5ee43f6581a9db53911d7-1796x467.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
https://www.tut.ac.jp/university/faculty/eiiris/656.html
国立大学法人 豊橋技術科学大学  松本幸大研究室



企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください