大脳皮質の皮質間構造を模したスパイキングニューラルネットワークを開発

PR TIMES / 2020年8月24日 16時45分

ロングテールな神経活動の生成メカニズムの解明と人工知能への応用を期待

学校法人 千葉工業大学 情報科学部 情報工学科 信川創 准教授、同学科 安藤 聖 (2018年3月卒)と公立大学法人 兵庫県立大学 大学院 応用情報科学 研究科 西村治彦 教授、学校法人 東邦大学 理学部 情報科学科 我妻伸彦 講師、学校法人金井学園 福井工業大学 AI & IoTセンター/環境情報学部 経営情報学科 山西輝也 教授は、大脳皮質の皮質間構造を模したスパイキングニューラルネットワークを開発しました。このスパイキングニューラルネットワークは、脳機能の創発に寄与するロングテールな神経活動の生成メカニズムの解明と人工知能への応用が期待されます。この成果は米国に本部を置く電気・通信・情報工学の学術研究団体であるIEEEの学術雑誌、IEEE Transactions on Neural Networks and Learning Systems (インパクトファクタ 12.179 (2018/2019年)) にて発表されました。

【 概 要 】脳の様々な階層レベルにおいて、ロングテール(※1)な特徴を持った神経活動が観察されます。この神経活動の存在は、知覚・学習・認知などの脳機能を支える重要な神経基盤の1つであり、このロングテールな神経活動の生成メカニズムを解明する研究が進められています。また、近年、次世代の人工知能として脳の神経活動を模した技術が注目されていて、神経活動を発火レベルで再現するスパイキングニューラルネットワーク(※2)の学習性能向上に、このような神経活動の時空間特性 (発火のタイミングや位置) が利用できるという研究成果が報告されています。このように、ロングテール性の生成メカニズムとその機能性の解明は、神経科学・人工知能研究の両領域において、重要な研究テーマの1つです。今回、信川と安藤らは、大脳皮質に見られる皮質間結合とシナプス 結合強度のロングテール性の構造をスパイキングニューラルネットワークに組み込むことで、ロングテールな特徴を持った神経活動の生成に成功しました。

※1) ロングテール性: 確率分布の裾が、指数関数的な減衰をせずに、数オーダーに亘って穏やかに減衰する確率分布の性質。対数正規分布やガンマ分布などの確率分布がこの性質を持つ。
※2) スパイキングニューラルネットワーク: 脳・神経系の神経細胞(ニューロン)は、急峻な膜電位の上昇である発火によって情報処理の伝達を行っている。スパイキングニューラルネットワークはこの発火のダイナミクスをモデル化した生理学的なニューロンに近い挙動を示すニューロンモデル。尚、現在、広く普及しているdeep learningの技術のほとんどは、この発火そのものではなく、平均発火率に対応した量をモデル化した形式ニューロンに準ずる単純化されたニューロンのモデルが使われている。

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