クレーンレール検査システムおよび検査データ取得ロボットを共同開発
PR TIMES / 2019年7月16日 11時15分
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株式会社イクシス(代表取締役:山崎文敬、狩野高志/以下、イクシス)と、ベステラ株式会社(代表取締役社長:吉野佳秀/以下、ベステラ)は、主にプラント・工場設備に設置され重量物や部品の運搬等に用いられる天井クレーンの定期的な検査を効率的に行うため、クレーンレール上を自走し検査を行うロボット(以下、本ロボット)を共同開発しました。本ロボットは、自走することによって、クレーンレールの変異データを3次元的に取得することができます。今後、イクシスとベステラは、法律で定められた天井クレーンの月次/年次定期検査に本ロボットを利活用することで、プラント・工場設備の安全管理、設備管理に貢献するとともに、知見を予防保全や経年劣化の将来予測へと役立ててまいります。
1.共同開発の背景
イクシスは、「ロボット×テクノロジーで社会を守る」というミッションのもと、「使える」「使い続けられる」をコンセプトとし、社会・産業インフラ向け検査ロボットや特殊環境対応型ロボットの開発および取得データの解析サービスを行っております。今後、急速に進むインフラの老朽化や熟練技能者不足等の、日本が抱える社会的課題に対して、ロボットによる省力化や安全性の向上を図る等、高い付加価値の提供を続けております。
一方、ベステラは、電力、製鉄、石油精製、石油化学等の大規模なプラント設備の解体工事を主たる事業とし、解体更新時期をむかえる全てのプラント設備に対して、安全かつ適切で効率的な解体工事を提供し続けております。また、プラント・工場設備等の3次元点群データを取得しモデリングデータを提供する「3D計測サービス」を展開することで、総合的なプラント関連サービスの提供を目指しております。
イクシスの持つロボット開発技術・データ解析技術と、ベステラの持つプラント・工場設備および3次元計測に関する知見を組み合わせることで、新たなクレーンレール検査システムを考案するとともに、検査データ取得ロボットを開発するための研究開発を行っております。
2.現行のクレーンレール検査システム
プラント・工場設備に設置されているクレーンレールは、重量物を吊り上げた天井クレーンが頻繁に走行するため、長期の使用に伴い上下左右にうねり等の変異が生じ、放置すれば亀裂等が入り重大な事故につながる恐れがあります。そのため、労働安全衛生法のクレーン等安全規則は、クレーン設置企業に年1回の自主検査を義務付けています。さらに、1ヶ月に1回、特定の事項について自主検査を義務付けています。現行の検査は、教育を受けた作業員による計測と目視確認が中心であり、検査を行う数日間は工場の稼動を完全に停止する必要がありました。また、作業員が天井クレーン上に上がって作業を行うため、作業員の安全性確保が難しい検査方法であり、安全性、効率性において有効な手段が求められていました。
3.新たなクレーンレール検査システムの構想
今回、イクシスとベステラは、現行の検査方法の課題を解消し、プラント・工場設備に設置されている天井クレーンの検査を安全かつ効率的に行うために、新たなクレーンレール検査システムおよび検査データ取得ロボットを開発しました。
今回新たに開発した技術は、レーザー光を3次元計測器が受信してスパン測定・レール勾配・左右レールの水平差等の3次元座標の測定を可能とします。これにより、無人かつ高負荷環境下での3次元位置測定が可能となり、従来の検査システムでは確認が困難なレール継目の食い違い・レール継目の隙間・細かい亀裂等も正確に検査することができます。
また、座標値以外にも画像、点群を取得することでガーダー全体の形状・表面検査が可能となり、レール計測以外の付加価値を生み出すことができます。
4.今後の展開
今回共同開発した技術は、従来の検査システムの安全性、効率性を飛躍的に向上させるものです。今後、ベステラは、量産した本ロボットを自社又はプラント・工場設備保有会社に提供し、法律で定められた天井クレーンの月次/年次定期検査に利活用することで現場の安全管理、設備管理に貢献してまいります。また、イクシスは、AIを活用したデータ解析サービスにより、インフラの予防保全・経年劣化の将来予測につなげてまいります。
イクシスとベステラによる本検査システムは、i-Constructionの「測量」「設計」「施工」「検査」「点検・維持管理」「廃棄・更新」のフェーズうち、「点検・維持管理」と「廃棄・更新」の2つのフェーズをつなげる取り組みであり、アセットマネジメントの最適化に寄与するものであります。
5.その他
本技術は、2019年7月24日~26日に東京ビッグサイトで開催される「メンテナンス・レジリエンスTOKYO2019」のイクシス、ベステラブースにおいて展示予定です。https://www.jma.or.jp/mente/
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