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老舗短歌雑誌で創刊90年初の「女性歌人編集長」誕生。歌人による歌人のための短歌雑誌、発売!

PR TIMES / 2021年7月19日 18時15分

水原紫苑・責任編集「女性が作る短歌研究」。テーマは「女性とジェンダー」。短歌研究8月号(7月20日発売)。

現代短歌を代表する歌人たちが集結して、老舗短歌雑誌「短歌研究8月号」のほぼ全ページを、「女性が作る短歌研究」とし、創作・評論・対談で構成しました。「責任編集」は水原紫苑氏(歌人)。「短歌研究」が、外部の歌人に編集長を委ねるのは創刊90年目で初です。テーマは「女性とジェンダー」。執筆者は、女性に限らず、性別で括らず依頼しています。



「女性が作る短歌研究」の見どころ


言葉を何よりも大切にする歌人たちが、自ら雑誌を作りました。
女性とジェンダーというテーマを前に、「いま」なにを語り、なにを創作するのか。
コンセプトは、「女性が作る短歌研究」ですが、執筆者は、女性という性別でくくらずに依頼しており、従来の「女性特集」とは、まったく異なります。
現代短歌シーンを代表する歌人・識者50人が集結して、「女性」そして「ジェンダー」を中心テーマに、新作短歌、評論、対談を発表。
現代短歌の若手の代表格である大森静佳、小島なおの2氏が新作100首を寄稿しているほか、34人の歌人が新作を寄せました。
田中優子・前法政大学総長と、歌人・川野里子氏の対談「女性たちが持つ言葉」では、田中氏の専門である江戸の文学と女性について、短歌という器がいかに女性たちの救いとなっていたかと語り合うなど、示唆に富んだ内容になっています。
また、馬場あき子氏と水原紫苑氏は、対談「歌と芸」で、演劇評論家・村上湛氏の司会のもと、短歌の芸の深い関係を語り合います。
大滝和子氏、紀野恵氏という、水原紫苑編集長がその才能をリスペクトする歌人が、近年の代表作となる作品を寄稿しました。


[画像: https://prtimes.jp/i/78692/7/resize/d78692-7-ef1fafa1bb6a6f33a9e7-0.jpg ]


●目次より
水原紫苑・責任編集「女性が作る短歌研究」
(新作100首)
大森静佳「ムッシュ・ド・パリ」
小島なお「両手をあげて、夏へ」
(対談)
田中優子(前法政大学総長)と川野里子(司会=水原紫苑)「女性たちが持つ言葉」
馬場あき子と水原紫苑(司会=村上湛)「歌と芸」
(寄稿)
阿木津英「『ジェンダー』という語の出現と女性の歌」
黒瀬珂瀾「短歌と僕の生/性について」
石川美南「侵される身体と抗うわたしについて」
川野芽生「夢という刃 ―『幻想と人間』考」
今野寿美「森鷗外とジェンダー母という円環の外に出なかった人」
瀬戸夏子「名誉男性だから」
平岡直子「『恋の歌』という装置」
堀田季何「世界文学としての短歌の可能性」
松平盟子「『パリイ』との遭遇、与謝野晶子の場合」
米川千嘉子「岡本かの子の〈女性〉の逆転と拡張」
(作品)
50首=紀野恵「長恨歌」
50首=水原紫苑「片足立ちのたましひ」
30首=大滝和子「母と素粒子」
10首=飯田有子「月と女」/井辻朱美「リフレン、リフレン」/井上法子「花・野原・魚の腹」/梅内美華子「むらさきの海」/江戸雪「アップデート」/大口玲子「二人称」/尾崎まゆみ「花の企み」/帷子つらね「シャドーロール」/北山あさひ「変身」/小池純代「十韻」/榊原紘「Geschichte」/笹原玉子「いつまであをい」/佐藤弓生「はなばなに」/高木佳子「雨と白雷」/田口綾子「馬前に死す」/田宮智美「花降る」/道券はな「退路」/戸田響子「存在しない音が聞こえる」/富田睦子「ゆうがたの風」/永田紅「うすめる」/野口あや子「二盃口」/花山周子「そらみみ」/早坂類「その後の僕ら」/林あまり「夏の嘘」/松村由利子「夜が明ける前に」/睦月都「真夜中の偏食家たち」/盛田志保子「狼煙」/山木礼子「甘夏」/山崎聡子「メルヘンと慰霊塔」

「女性が作る「短歌研究」責任編集にあたって」
編集人・水原紫苑「巻頭提言」より


これは女性とジェンダーを中心とする短歌の特集号です。
ジェンダーという概念自体いまだに流動的ですし、女性と男性という二元論では切れないグラデーションの世界だと私は考えています。そこでさまざまなジェンダーの作家に執筆や座談会の参加をお願いしました。
ジェンダーについて私が最も痛切に思うのはたとえばギリシャの詩人サッフォーのことです。プラトンが十番目のムーサ、すなわち芸術の女神と呼んだサッフォーですが、不幸にもその作品の全貌を今日知ることはできません。そしてダンテが『神曲』の地獄篇で、ホメロスから先導者ウェルギリウスを含む五人の古代の詩人を挙げて、続く六番目が自分だと名乗った時、その五人はすべて男性で、そこにサッフォーの名はなかったのです。
単に女性による女性号という狭い意識ではなく、このように抑圧されて来た豊かなエクリチュールを取り戻すことがこれからのジェンダーと言葉の課題ではないでしょうか。
すでに多くの作家たちがそこに目覚めて言葉を発しています。この特集号がその歩みを進めるものであるように願っています。
また短歌定型という、古代の宝玉にも喩えられて来た小さな器を、どのように人類のものとして開いて行くのかということも未来の課題だと思います。
すでに俳句は世界文学として開かれています。私は短歌にもその可能性があると信じるものです。それにはまず短歌の長い歴史を振り返り、その富を現代に生かすことも必要でしょう。古典は常に新しく無限の井戸ともなり得ます。現に最前線の作家たちの仕事の中に、私はそうした古典とスパークする輝きを見出しています。
未来に向かって共に言葉を発しましょう。           編集人・水原紫苑(歌人)



月刊誌「短歌研究」とは


「短歌研究」とは、昭和7年創刊で、来年90周年を迎える老舗雑誌。戦前・戦中は、斎藤茂吉、北原白秋、与謝野晶子、釈迢空という、伝説の巨人たちが集い、作品を載せ、文学論を戦わせた。
戦後は、塚本邦雄、岡井隆、葛原妙子らの前衛短歌歌人の主舞台となり、中城ふみ子・寺山修司が新人としてデビューした。いまも昭和・平成・令和を代表する第一線の歌人たちが、創作と評論を競っている。
2021年5月号は、新型コロナ禍を連想する「ディスタンス」をテーマに300歌人の新作短歌を掲載し、異例の売れ行きで創刊初の重版(3刷)となり、新聞・メディアで取り上げらた。同号は、かつての女性特集をやめると宣言し、「性別や年齢で括りません」と、「歌壇」と短歌雑誌の長い慣例をうち破るコンセプトを打ち出したことも話題となった。



発行元・短歌研究社について


1988年より講談社の100パーセント子会社。基幹雑誌の「短歌研究」刊行を中心に据え、同時に短歌を切り口とした新しい書籍の出版、イベント企画に進出。十代の読者のための「短歌研究ジュニア」シリーズ『 初めて出会う短歌100』は2020年、厚生労働省社会保障審議会推薦児童福祉文化財に認定。また、歌舞伎町ホストの短歌集として話題となった、『ホスト万葉集』『ホスト万葉集・巻の二』がヒット。また、7月には、現役アイドルの短歌イベント「アイドル歌会」の開催をスタート。総合短歌出版社を志向し、短歌に新しい要素を付け加える試みを続けている。


短歌研究8月号「女性が作る短歌研究」(水原紫苑責任編集)
定価:1500円(税込)
発行=短歌研究社
〒112-8652
東京都文京区音羽1−17−14 音羽YKビル
電話 03-3944-4822
ファクス 03-3944-4844

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