第58回日本小児外科学会学術集会で本邦初・アジア初の先天性中枢性低換気症候群の患者様への横隔膜ペースメーカ「NeuRx」植込み経験についての発表
PR TIMES / 2021年5月20日 12時15分
順天堂大学医学部附属順天堂医院小児外科・小児泌尿生殖器外科 越智 崇徳先生が、2021年4月28日(水)~30日(金)に開催された「第58回日本小児外科学会学術集会」において、本邦初・アジア初の先天性中枢性低換気症候群(CCHS)の患者様への横隔神経電気刺激装置「NeuRx(ニューアールエックス)横隔膜ペーシングシステム」(以下、NeuRx)の植込みの経験についてご発表されました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/75650/9/resize/d75650-9-840807-0.jpg ]
■発表概要
演題名
「先天性中枢性低換気症候群に対し腹腔鏡下横隔膜ペーシング植込み手術を施行した1例」
発表者
越智 崇徳 先生
■内容概要
先天性中枢性低換気症候群(CCHS)は、延髄の呼吸中枢の機能障害により主に睡眠時に無呼吸や低換気となるため、気管切開下陽圧換気を要する。今回、睡眠時と覚醒時にも低換気を伴う重度CCHSに対して、覚醒時の呼吸管理を行う必要性から、腹腔鏡下にNeuRxの植込み手術を施行した。
手術は次の工程で施行された。左右横隔膜を電気刺激し電極を植込む位置の同定(横隔膜に電気刺激を与えるため、筋弛緩薬は未使用)、横隔膜表層への電極の植込み(左右2本ずつ)、電極の体外部への取出し、皮下トンネル作成及び電極の体表面への固定。
術中・術後合併症なく、術後6週の時点で覚醒時9時間のSpO2連続モニタリングで平均SpO2は98%と良好な結果を得た。
覚醒時低換気を伴う重度CCHSに対する横隔膜ペーシングは、覚醒時の低換気の改善、呼吸不全に伴う肺高血圧の進行の予防が期待できる。また、人工呼吸器からの一時的な離脱が達成されるため、人工呼吸器に付随する機器や回路から解放され、呼吸器関連肺炎リスクも低減されることから、高いQOLの獲得が期待される。
[画像2: https://prtimes.jp/i/75650/9/resize/d75650-9-712522-1.jpg ]
■横隔膜ペーシングシステム「NeuRx」
2020年12月、国内で初めて、先天性中枢性低換気症候群(CCHS)の患者様への横隔膜ペースメーカ「NeuRx」植込み手術が、順天堂大学医学部附属順天堂医院で実施されました。
現在国内で横隔膜ペーシング治療への使用において、承認を受けている製品は唯一NeuRxのみとなっております。本品は「横隔神経の電気刺激により横隔膜の収縮が可能な、人工呼吸器に依存する(1)脊髄損傷、(2)中枢性低換気症候群」の患者様が適用の対象となります。横隔膜に植込まれた電極に電気刺激が送られて、横隔膜が収縮することで呼吸補助を行います。電極の植込み手術は、腹腔鏡を用いて2時間程度の所要時間で、比較的低侵襲に行うことが可能です。電極は横隔膜に左右2本ずつ経皮的に植込まれ、体外式のペースメーカにより電気信号が送られます。術後に横隔膜のリハビリトレーニングを実施して、在宅での管理が可能となります。本品を使用している間は、人工呼吸器を一時的に離脱することが可能となり、患者様のQOLが大幅に改善されることが期待されます。
体外式のペースメーカは、小型で携帯性に優れており(重さ:約250g、サイズ:8cm×13.7cm×3.4cm)、外出も容易となります。駆動には市販の単2サイズのアルカリ乾電池やリチウム乾電池が用いられることから、生命維持装置として課題の一つである災害時の電源確保といった点においても容易に対応が可能です。NeuRxは、モータ等の駆動がないことから、これまで人工呼吸器の音が気になっていたような場面でも周囲を気にすることなく使用することができます。また、介護者様にとっても吸引回数が減るなど、人工呼吸器と比較してケアの負担軽減が期待される機器であります。
今回、NeuRxは国内で初めて横隔膜ペーシング治療用の医療機器として薬事承認を取得し、保険収載されたことで、これまで人工呼吸器という手段に頼らざるを得なかった脊髄損傷や中枢性低換気症候群の患者様の呼吸管理において、経済的負担も最小限に抑えながら、新たな治療の選択肢を提供することが可能となりました。
【日本小児外科学会学術集会 概要】
名称 : 一般社団法人 日本小児外科学会
所在地 : 東京都文京区大塚5-3-13 ユニゾ小石川アーバンビル4F
一般社団法人 学会支援機構内
TEL:03-5981-6019 FAX:03-5981-6012
理事長:田尻 達郎
設 立:1964年
URL:http://www.jsps.or.jp/
【会社概要】
会社名 : USCIジャパン株式会社
所在地 : 〒151-0053 東京都渋谷区代々木3-28-6
設立 : 1999年4月
事業内容: 医療機器の輸入・製造・販売
URL : http://www.usci.co.jp/
企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ
この記事に関連するニュース
-
【女医のお部屋】心不全、心筋梗塞とも関係が深い睡眠時無呼吸症候群 こんな枕を選ぶことが大切
東スポWEB / 2024年5月5日 10時13分
-
肥満症の特効薬は睡眠時無呼吸症候群も治す…発売元の製薬会社が発表(シェリーめぐみ)
日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年5月4日 9時26分
-
40,000人の妊婦さんから解析したディ・ジョージ症候群の陽性結果
PR TIMES / 2024年5月2日 18時45分
-
治療選択肢が増えた短腸症候群に関する臨床疑問を解決する、診療科を横断した「短腸症候群/腸管不全」専門医チームが発足
PR TIMES / 2024年4月26日 18時40分
-
2歳の息子は希少難病「クリーフストラ症候群」 情報少なく国内の患者数も不明…認知と理解求めて、当事者家族が“家族会”を立ち上げるまで
まいどなニュース / 2024年4月14日 17時10分
ランキング
-
1日本郵便と西濃が共同輸送 長距離対象、24年問題に対応
共同通信 / 2024年5月6日 17時34分
-
2GWが明けたら次の祝日は7月の海の日…産業医が教える「年間幸福度」を最大に引き上げる有給の賢い取り方
プレジデントオンライン / 2024年5月7日 7時15分
-
3思わずクリック「フィッシング詐欺」メールの巧妙 専門家も見極め困難、2要素認証と「意識」が大切
東洋経済オンライン / 2024年5月7日 9時0分
-
4ドンキの“固すぎる”Tシャツがじわじわ売れている 開発者が生地の厚みにこだわったワケ
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月6日 8時0分
-
5「ようやく再出発」ダイハツ本社工場で生産再開 国内の全工場が稼働に 停止から約4か月半…従業員「やっぱり長かった」
MBSニュース / 2024年5月7日 9時20分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください