巻組が「死因贈与(寄付)」を活用し、相続による空き家発生を未然に防ぐ仕組みを導入
PR TIMES / 2023年3月1日 17時45分
~日本郵政株式会社との協力で相続“負”動産の問題解決を目指す~
空き家を活用したシェアハウスシリーズRooptを運営している株式会社巻組(宮城県石巻市、代表:渡邊享子)はこのたび、「始期付負担付死因贈与契約」等の契約手法を基にした仕組みを空き家活用に取り入れます。
全国の空き家発生原因の過半を占めるのは相続です。(※1)この仕組みは、特に地方部に多い資産価値・収益性の極端に低い物件が相続後に放置されることを防ぐため、相続発生前に所有者やその関係者に対して「死因贈与=寄付による活用」という新たな選択肢を提供するものです。3月1日より、従来の売却・賃貸といった不動産ソリューションに「死因贈与」を加えたポータルサイトの運営も開始し、巻組は今後、日本全国に広がる空き家の受け皿となることを目指します。
( https://roopt.jp/akiya/ )
なお、本事業は、巻組が日本郵政株式会社(東京都千代田区、代表:増田寬也)の推進する「ローカル共創イニシアティブ」(※2)のパートナーとして、2022年4月1日より同社から受け入れている出向者とともに開発しました。また、国土交通省の『令和4年度住宅市場を活用した空き家対策モデル事業』にも採択されています。
[画像1: https://prtimes.jp/i/80525/9/resize/d80525-9-1831f860c932841b2c19-0.png ]
取組の背景
自分で住む予定のない不動産を相続したものの、元の居住者の生活形跡がそのまま残る不動産を目の当たりにし、何から手を付けてよいかわからず、相続手続に追われる間に放置してしまう。そして、処分を思い立ったときには内部の状態も更に悪化しており、手の施しようのない状態になってしまう。私たちは空き家をシェアハウスにするという空き家再活用事業を行う中でこのような事例に数多く遭遇してきました。なぜこのようなことが起こるのか。私たちはこの問題を解決するには、相続発生前から相続後の不動産の処分方針を明確にしておくことで、空き家を発生させない仕組みが必要だと考えました。
「始期付負担付死因贈与契約」の特徴
契約締結時に定めた「負担」の履行を条件として、所有者死亡時に贈与の効力を生ずる契約です。今回提案する仕組みでは「不動産の維持管理や改修」を「負担」に設定し、巻組がそれを履行。所有者存命中は賃貸借契約でサブリースし、所有者死亡時に、巻組に所有権が移転します。
[画像2: https://prtimes.jp/i/80525/9/resize/d80525-9-6c0f887263ca2581637e-1.png ]
・修繕や維持管理の負担を物件取得の対価として再定義しました
▷修繕や維持管理の負担履行を条件として不動産所有権を移転する仕組みを取り入れ、巻組の初期コストを抑え
つつ所有者が抱える維持管理等の負担を軽減します。
・被相続人の「手放したくない」、相続人の「手放したい」を叶えます
▷不動産所有者(被相続人)は思い入れのある家を手放すことに抵抗がある一方、相続人は相続後の負担に不安を覚えるという、相反する二つのニーズに応えます。
・不動産活用の流れを途切れさせません
▷相続発生前に不動産の行く末を確定でき、思い入れのある家を朽ち果てさせることなく次の世代に継承することが可能です
「始期付負担付死因贈与契約」の活用例
【ケース1】
所有者が居住している物件でしたが、ご家族が遠方に住んでいるため、元気なうちに物件の引き取り先を明確にしたいという要望をお持ちでした。「始期付負担付死因贈与契約」と「停止条件付賃貸借契約」を締結。老人ホーム入居等により所有者の長期不在が確定した段階で賃貸借契約に移行し、巻組が建物の維持管理・運用を行います。所有権の移転は、所有者の死亡をもって死因贈与契約が執行された以降となりますが、この二つの契約を組み合わせることで所有者の長期不在が確定した段階から物件を空き家にすることなく、シームレスな運用が可能となります。
[画像3: https://prtimes.jp/i/80525/9/resize/d80525-9-6c6ce7855289fcb817b5-2.png ]
【ケース2】
所有者の方は複数の物件を所有されていましたが、どれも長期間空き家として放置されていたため、改修をしなければ住めない状態に。ご家族は、状態の悪い物件を相続しないために相続放棄を検討されていました。死因贈与契約により、状態の悪い物件を巻組が引き取ることで、ご家族も相続放棄することなく、他の遺産を相続することが可能になります。
ポータルサイトの位置づけ
巻組が物件の相談をいただいた際は、まず自社での再活用を行う前提で検討します。しかし、事業計画の中で直ちに着手することが難しい物件もあり、これまではそのような物件についてはお断りするほかありませんでした。この度、物件情報を掲載するポータルサイトを構築することで、寄付をはじめ、寄付以外の不動産ソリューション(売る・貸す)等幅広い相談者のニーズに応えるとともに、巻組が直ちに着手することが難しい物件についても、空き家活用を考える第三者に繋げる可能性を広げます。
*1)国土交通省「令和元年空き家所有者実態調査」
*2)ローカル共創イニシアティブ:日本郵政が中期経営計画「JPビジョン2025」に掲げる、お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」を実現するための新たな取り組みとして2022年4月1日から始動したプロジェクト。巻組のほか、全国5地域に8名の社員を2年間派遣しています。
開発を担当した三好達也(日本郵政から出向)コメント
[画像4: https://prtimes.jp/i/80525/9/resize/d80525-9-cc64408d049e071acc94-5.jpg ]
特に人口減少が進む地方部において、立地や状態等の条件が良くない不動産は利用者とのマッチングが困難であり、放置され、さらに条件が悪化するという悪循環に陥る傾向にあります。この悪循環を断ち切るためには、「相続発生前に」不動産の担い手を確定させておくことが重要なのではないか。そのような問題意識からこの仕組みを着想し、専門家の知見を取り入れながら契約書等の作成やお客さま対応を進めてきました。始期付負担付死因贈与契約という契約自体は既にありましたが、親族間で用いられることの多かったこの契約手法を法人=個人の間に応用したものです。対象となる物件の発掘・活用に向けて、将来的には全国24000局の郵便局ネットワークとの連携も視野に入れつつ、空き家問題解消に向けて取り組んでいきたいと考えています。
株式会社巻組 代表取締役 渡邊享子コメント
[画像5: https://prtimes.jp/i/80525/9/resize/d80525-9-645622da153dcea1f634-4.png ]
空き家活用には空き家情報を仕入れる「入口」と利用者や入居者に繋げる「出口」があると考えています。私たちはこれまでも自社で空き家を買い上げ・借り上げてリノベーションし、シェアハウスとして運営することで、空き家活用の「出口」にコミットしてきました。今回のこの仕組みは相続でお困りの大家さんを一人でも減らし、空き家を空き家として放置することなく流通させることを目指す「入口」を補強するものにほかありませんが、「出口」にこだわる私たちがこの取組を行うことの意義は大きいと考えています。単に空き家の情報を集めるだけではなく、実際の活用に結び付けていく。私たちは今回の仕組みの導入をひとつの契機とし、空き家活用の入口を広げるとともに、出口(活用)まで対応できるような仕組みを今後も生み出し、空き家問題にアプローチしていきます。
巻組とは
2014年4月創業。2015年3月合同会社巻組設立。2016年石巻市から地方創生加速化交付金事業を受託し、ローカルベンチャー推進業議会に加入。2018年 一級建築士事務所登録。2020年内閣府関係人口創出・拡大のための中間支援組織の提案型モデル事業採択。2021年5月株式会社化。株式会社ガイアックスと資本業務提携。一般市場では流通しないような資産価値がゼロに近い築古物件をシェアハウスとして改修し、空き家に新たな価値を与えるだけでなく、入居者間のコミュニティづくりまでサポートしています。
■株式会社巻組 概要
設立:2015年3月
代表取締役:渡邊 享子
所在地:宮城県石巻市中央2丁目3-14 観慶丸ビル2階
事業内容:賃貸住宅(シェアハウス、ゲストハウス)の管理運営、リノベーションのコーディネート、クリエイティブ人材の育成支援、地方創生に関するコンサルティング、実践型インターンシップのコーディネート
URL: https://makigumi.org/
■お問合せ先
電話: 0225-24-6919(代表電話へつながります)
メール: info@makigumi.com
ポータルサイト: https://roopt.jp/akiya/
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