米国臨床腫瘍学会(ASCO(R))において患者健康アウトカムの改善を示す複数の研究結果を発表
PR TIMES / 2024年6月3日 22時40分
-すべての人種および民族におけるオンコタイプDX乳がん再発スコア(R)検査の予後予測能に関する一連のエビデンスを拡大-
がんのスクリーニング検査および診断検査のリーディングプロバイダーであるエグザクトサイエンスコーポレーション(以下、エグザクトサイエンス)は、多様な人種および民族の患者におけるオンコタイプDX乳がん再発スコア検査(以下、オンコタイプDX(R)検査)の予後予測能を裏付ける新たなデータを2024年米国臨床腫瘍学会(以下、ASCO)において発表します。
エグザクトサイエンス、プレシジョンオンコロジー部門のチーフメディカルオフィサーであるリック・ベーナー医師は、以下の様に述べています。「エグザクトサイエンスのエビデンスの蓄積は、より個別化された治療介入が、がんと共に生きる人々のより大きな利益につながることを示しています。ASCOで発表されたこれらのデータは、がん医療全体にわたる厳正なイノベーションとリアルワールドデータの収集を通じて、新たな診断基準を設定するという我々の目標を支持するものです。人種、年齢、民族を問わず、すべての患者さんのニーズに応える高品質な検査を開発し続けることを約束します。」
オンコタイプDX検査
2つの研究から得られた新たなデータは、オンコタイプDX検査がさまざまな人種および民族の乳がん生存率を予測することを示しました。一つ目の研究では、傾向スコアで補正した解析により、リンパ節転移陰性の患者において人種および民族を超えて乳がん特異的死亡および化学療法の効果を予測することが確認されました。二つ目の研究のSEERデータベースから得られた、非転移性、ホルモン受容体陽性、HER2陰性の乳がん患者171,000人以上の再発スコア(R)結果を用いたリアルワールド研究でも、再発スコア結果がすべてのリンパ節転移陽性の患者において化学療法の効果を予測することが示されました。この研究では、非ヒスパニック系黒人患者は他の集団と比較して、再発スコア結果および化学療法の実施率が高いことが示されました。RxPONDER試験の探索的解析では、人種および民族を超えて予後を予測する一方で、非ヒスパニック系黒人患者は増殖軸スコアが高いことが示されました。これは、腫瘍生物学の違いが乳がんの予後の差を説明することに役立つ可能性を示唆しています。
ASCO 2024におけるオンコタイプDX検査のデータ発表:
Abstract 515:RxPONDER試験における人種および民族による再発スコア遺伝子軸スコア
発表者:Y. Abdou, MD
セッション:Rapid Oral Abstract Session
日時:5月31日(金)午後3時39分~午後3時45分(米国中部夏時間)
主な知見:本研究では、異なる人種および民族による腫瘍生物学の基礎的な違いを理解するために、再発スコアの遺伝子軸スコアと予後との関連性を解析しました。再発スコア遺伝子軸スコアは人種/民族によって異なり、非ヒスパニック系黒人患者は他の集団よりも増殖軸スコアが高いことが示されました。これは、RxPONDER試験において、この集団で観察された予後不良を部分的に説明できる可能性があります。これらの知見は、腫瘍生物学の重要性を強調するもので、この課題を効果的に対処するために予後の差に寄与する複雑な因子をさらに調査することを支持します。
Abstract 533/Poster Bd 125:人種および民族による乳がん特異的死亡および化学療法の効果を評価する21遺伝子アッセイのSEERデータベース研究のアップデート
発表者:E. Diego, MD
セッション:Poster Session
日時:6月2日(日)午前9時00分(米国中部夏時間)
会場:ホールA
主な知見:SEERレジストリの145,000人以上の乳がん患者を対象としたリアルワールドエビデンスにより、オンコタイプDX(R)検査は、すべての人種および民族において乳がん特異的生存を予測し、ほとんどの集団において化学療法の有益性を予測することが確認されています。本研究は、リンパ節転移陰性または陽性の乳がん患者にオンコタイプDX検査を用いることで、化学療法による効果を得られる患者と得られない患者を同定したTAILORxおよびRxPONDER第3相試験で示された人種および民族の差をさらに理解するために実施されました。SEERの最新の解析により、人種や民族を問わず、オンコタイプDX検査の予後予測能のさらなる信頼性が示されました。
Abstract 576/Poster Bd 168:高増殖能のHR陽性/HER2陰性の乳がん患者に対して術前治療としてレトロゾール/アベマシクリブまたは化学療法を施行したGEICAM CARABELA試験におけるKi67およびオンコタイプDX再発スコアの評価
発表者:A. Guerrero, MD
セッション:Poster Session
日時:6月2日(日)午前9時00分(米国中部夏時間)
会場:ホールA
主な知見:高増殖能(Ki≧40%)または再発スコア高値(>25) の乳がん患者に対する術前治療として、化学療法はレトロゾール/アベマシクリブに比べてResidual Cancer Burden(RCB; 残存腫瘍負荷)が低いことが示されました。これらのデータは、Ki67と再発スコア(R)リスク評価の予測能を確認するとともに、これらの腫瘍に対する全身療法としてレトロゾール/アベマシクリブに依存するのは不十分であることを示唆しています。CARABELA第2相試験の探索的解析では、高度/中等度リスク(II~III期、Ki67≧20%)のHR陽性/HER2陰性の乳がん患者を対象に、術前治療として化学療法とレトロゾール/アベマシクリブの有効性を比較しました。
Abstract 565:リンパ節転移陽性の乳がんにおけるsensitivity to endocrine therapy(SET2, 3 index)と再発スコアの併用:PACS-01試験における独立バリデーション解析
発表者:F.M. Penault-Llorca, MD, PhD
セッション:Poster Session
日時:6月2日(日)午前9時00分(米国中部夏時間)
会場:ホールA
主な知見:オンコタイプDX検査とホルモン療法の腫瘍反応性を評価するためにデザインされたバイオマーカーに基づく評価であるSensitivity to Endocrine Therapy (SET2, 3 index)を併用することにより、リンパ節転移陽性の乳がん患者の予後予測能を高めることに成功しました。これらのデータは、リンパ節転移陽性の乳がん患者に対する術後療法としてエピルビシンベースおよびドセタキセル逐次投与を評価したPACS-01試験の独立盲検下バリデーション解析により得られました。
Abstract 10584/Poster Bd 111:米国におけるHR陽性/HER2陰性の乳がん患者の治療指針となる遺伝子検査戦略の臨床的および経済的利益
発表者:B. Heald, MS
セッション: Poster Session
日時:6月3日(月)午後1時30分(米国中部夏時間)
会場:ホールA
主な知見:オンコタイプDX(R)検査と潜在的病原性がん変異体を同定する生殖細胞系列遺伝子検査(GGT)を併用した検査戦略は、HR陽性/HER2陰性の早期乳がんにおける治療決定の最適化に役立ち、費用を削減しながら患者の予後を改善することが医療経済モデル研究から示されました。
■オンコタイプDX乳がん再発スコア(R)プログラムについて
オンコタイプDX乳がん再発スコアプログラムは、2004年から米国で実施されていたオンコタイプDX乳がん再発スコア(R)検査(本検査)と日本向けに開発したソフトウエアを組み合わせたプログラム医療機器です。日本においても2023年9月1日、オンコタイプDX乳がん再発スコアプログラムとして保険収載されることになり、より多くの患者さんが適切な治療を受けるサポートができると期待されています。
本検査では、一定の条件を満たす乳がん患者さんを対象に、乳がん組織に含まれる21個の遺伝子を調べ、各遺伝子の発現状況から独自のアルゴリズムにより、0から100までの数字で表される再発スコア(R)結果を算出します。再発スコア結果は、手術後にどの程度再発しやすいかの予測とあわせて、術後薬物療法を検討する際に、「ホルモン療法」に「化学療法」を追加するかどうかの意思決定の助けになる情報を提供します。
現在世界中で 100 万人以上の患者さんがこの検査の恩恵を受けており[i]、日本乳癌学会[ii]、欧州腫瘍学会(ESMO)[iii]、ザンクトガレン国際乳癌会議[iv]、米国臨床腫瘍学会(ASCO(R))[v]、米国国立包括癌ネットワーク(NCCN(R))[vi]などの主要な乳癌治療ガイドラインに取り入れられています
■エグザクトサイエンスコーポレーションについて
エグザクトサイエンスコーポレーションは、アメリカ、ウィスコンシン州マディソン市に本社を置く、ゲノム(患者さんの遺伝子情報)に基づいた最先端の技術を通し、がん治療のさらなる可能性を拓くことを使命とした、がんスクリーニング検査とゲノムを用いた診断検査を提供するヘルスケア企業です。
人生を変える行動を早期に講じるための必要な情報を提供します。結腸癌スクリーニング検査およびOncotype DX検査の成功を基に、がん診断前、診断中、診断後に使用する革新的なソリューションを開発するパイプラインに投資しています。
エグザクトサイエンス株式会社はエグザクトサイエンスコーポレーションのグループ会社です。
詳細については, https://www.exactsciences.com/jpをご覧ください。
その他、乳がん患者さん向けWebサイト 「乳がん治療.jp」http://nyuganchiryo.jp もご参照ください。
「将来予想に関する記述」
本ニュースリリースには、将来に関するエグザクトサイエンスコーポレーションの期待、予想、意図、信念、戦略に関する記述が含まれています。 これらの将来の見通しに関する記述は、本ニュースリリースの日付現在においてエグザクトサイエンスコーポレーションが行った仮定に基づくものであり、実際の結果、状況、事象が予想と大きく異なる可能性のある既知および未知のリスクや不確実性を内包しています。したがって、将来予想に関する記述に過度の信頼を置かないようにしてください。エグザクトサイエンスコーポレーションの将来予想に関する記述に影響を与える可能性のあるリスクや不確実性については、エグザクトサイエンスコーポレーションの最新の年次報告書(フォーム 10-K)およびその後の四半期報告書(フォーム 10-Q)の「リスク要因」(Risk Factors) のセクション、ならびに米国証券取引委員会(Securities and Exchange Commission)に提出したその他の報告書に記載されています。エグザクトサイエンスコーポレーションは、新たな情報、将来の展開、その他の結果にかかわらず、書面または口頭であるかどうかにかかわらず、将来予想に関する記述を公に更新する義務を負いません。
[i] Exact Sciences, data on file
[ii] 日本乳癌学会 編.: 乳癌診療ガイドライン1 治療編 2022年版 第5版. 金原出版. 2022
[iii] Cardoso et al. Ann Oncol 2019
[iv] Burstein et al. Ann Oncol. 2021
[v] Andre et al. J Clin Oncol 2022
[vi] NCCN Guidelines: Breast Cancer, version 3. 2023
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