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なぜ脳は「落ち着きがない」行動を命じてしまうのか。じっとしていられない、周りに馴染めない、すぐに癇癪を起こす……そんな子どもの「敏感すぎる反応」の仕組みと対応とは

PR TIMES / 2017年11月7日 10時1分

言葉は使わない。背中をさする、部屋を暗くするなど身体感覚に働きかけると、子どもの様子がみるみる変わる

株式会社東洋館出版社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:錦織圭之介)は、書籍『「落ち着きがない」の正体』を2017年11月10日に刊行します。脳科学に基づいて子どもたちの行動を紐解き、落ち着きをもたらす触れ合いを導くための解説書です。









[画像1: https://prtimes.jp/i/26724/10/resize/d26724-10-283545-2.jpg ]

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子どもの行動を脳科学に基づいて理解するには、脳の簡易モデルでイメージをつかむ
【旧哺乳類脳と爬虫類脳という存在】
イエール大学の神経科学者ポール・マクリーンが1960年代に示した脳の理論上のモデルがある。今日では単純化されすぎていると指摘されるが、自制心と自己調整の神経生理学的相違を理解する入り口には最適だ。


[画像2: https://prtimes.jp/i/26724/10/resize/d26724-10-832047-4.jpg ]

(本書より)彼の「三層構造」のモデルによると、脳ははっきり3つに分かれていて、それぞれが異なる時代に進化し、三層構造になっている。一番上、外側にあるのが大脳新皮質で、名前の通り「一番新しい」脳だ。言語や思考、人の気分を読み取ったり、自制したりといった上位の指令機能を司る。この下にあるのが、より古い旧哺乳類脳で、大脳辺縁系を宿し、強い情動の連想や衝動を司る。最下層にあるのが、一番古くてもっとも原始的な、いわゆる爬虫類脳である。



自制心を働かせ合理的な判断を導くのは、大脳新皮質(前頭前皮質を含む部位)の現象。旧哺乳類脳と爬虫類脳はストレスに対して「戦うか逃げるか」という反応をし、それが癇癪や無反応といった形で出ている。

【反抗ではなく、生理的な反応である】
「戦うか逃げるか」においては、脳の高次の機能(言語能力、思慮深さ、相手の気持ちを読み取ること等)は停止してしまう。


[画像3: https://prtimes.jp/i/26724/10/resize/d26724-10-571222-3.jpg ]

(本書より)おそらく一番困るのは、この「戦うか逃げるか」反応がいつ「点火される」か、あるいは敏感になるのかがわからない点である。そのため子どもは無防備のまま、繰り返し反応を引き起こすことになる。反応が起こると、子どもは私たちから身を振りほどこうとする。親はこの行為を自分に対する拒絶だと受け取ってしまいがちだが、実はこれは脳の異なった階層の働きによるもので、脅威に対する本能的で生物学的な反応なのだ。


ストレスの強弱による脳の反応は4段階に分けられる。ストレスが弱い状態から順に、次の段階を踏んでいく。1. 社会参加、2. 戦うか逃げるか、3. フリーズ、4. 分裂。この順序は、前頭前皮質がある「もっとも新しい」脳での社会参加から、脅威に反応するための古くからのメカニズムにいたる、マクリーンの言う脳の三層構造を反映している。




ストレスに対処するのは、自制心ではなく「自己調整」
 旧哺乳類脳・爬虫類脳の過剰な反応を、子どもが自分で直すことはできない。まずは、周りの大人が手助けをし、子どもの自己調整を育んでいくことが必要である。そうして反応の過剰さを和らげることができれば、自ずと自制心は発揮され、その子の持っている可能性を押し広げるのだ。

(本書より)誤解しないでほしい。自制心は重要だ。お手本のような自制心を持っていて、業界のトップに上りつめた人たちのことはよく知っている。だがもっと大事なのは、ストレスが私たちにのしかかっているとき、それにどううまく対処できるか、つまりどのようにうまく自己調整できるかなのである。実際、彼らの「成功談」をじっくり検証すればするほど、彼らがほかの人より抜きん出ているのは、驚くべき自己調整の能力のおかげだとわかってくる。いつストレス過剰になってしまうのかに自分で気づいていれば、そしてどのようにそのサイクルを断つかを心得ていれば、自己調整はうまくいく。つまり、人生に存在する無数のストレスに対処することができる。



自己調整は、「観察」「身体感覚」から入る


(本書より)私の当面の関心は目の前の子どもにある。この子を連れてきた先生が、その子の問題行動のヒントに気づき、それを理解するのをサポートすることだ。私はそっと教室のドアを閉め、頭上の照明(まぶしい光を放つだけでなく、たえずジーという音を出しつづけていた)を消し、自分の声量を落とした。その子が急にリラックスしたのを見て、先生は表情を和らげ、つぶやいた。「あら、なんてこと。気がつかなかったわ」



本書では、子どもに自己調整(セルフ・レギュレーション)のスキルを身につけさせるための一連の対応・方法を「セルフ・レグ」と呼び、実践事例とともに解説しています。
実践事例は、小学生を中心に、0歳児から大学生まで幅広く扱っています。


(著者プロフィール)
ヨーク大学(カナダ)名誉教授。専門は心理学と哲学。セルフ・レグの実践・普及をめざすMEHRITセンターの創設者。ユニセフ「乳幼児期の子どもの発達(ECD)協議会」前委員長。
トロント大学にて学士号と修士号を取得。オックスフォード大学で哲学博士号を取得。国際的な実績を積み、カナダ、アメリカ各地のさまざまな政府機関にて乳幼児の発達に関する顧問を務めてきた。

(書誌情報)
書 名:「落ち着きがない」の正体
著 者:スチュアート・シャンカー
判 型:四六判
頁 数:368
発売日:11月10日
価 格:本体2200円+税
ISBN:978-4491033761
発行元:東洋館出版社

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