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Heartseed、未分化iPS細胞の除去に関する特許ライセンス契約を締結

PR TIMES / 2023年9月5日 18時15分

独自プラットフォーム技術である「メタボリックセレクション」のライセンスアウトで、iPS細胞を用いた再生医療の心臓以外の領域での産業化にも貢献

Heartseed株式会社(本社:東京都港区 代表取締役社長:福田恵一、以下Heartseed)はこの度、iPS細胞由来の間葉系幹細胞を開発するバイオテック企業(以下、ライセンシー)と当社独自の純化精製プラットフォームであるメタボリックセレクション技術に関する特許について、非独占的なライセンス契約(以下、本契約)を締結したことをお知らせいたします。



契約の背景及び契約の内容
 iPS細胞から目的の細胞を作製し、それを投与する再生医療の臨床応用が進む中で、腫瘍形成の原因となりえる未分化iPS細胞をできるだけ除去することが求められています。
今回契約に至った技術は、未分化iPS細胞に選択的に高発現する脂肪酸合成酵素を阻害することで未分化iPS細胞を除去するものです。

 対象特許:    特許第6811489号及び対応外国特許*1

 ライセンシーは、自社でiPS細胞から再生医療に有用と考えられる間葉系幹細胞などの細胞を作製する技術等を有し、本技術を利用することで効率的に未分化iPS細胞を除去し、再生医療の開発の推進を図ります。
本契約により、Heartseedはライセンシーに、当該特許の非独占的実施権を許諾し、その対価として、一時金、およびライセンシーの売上高に対するロイヤルティを受領いたします。なお、ライセンシーの企業名、経済条件等は、非開示とさせていただきます。

Heartseedのメタボリックセレクション
 Heartseedは、iPS細胞から高純度な心筋細胞を作製し、心筋球と呼ぶ微小組織を形成して、患者の心筋内に移植する心筋再生医療の早期事業化を目指しています。
Heartseedは、設立母体の慶應義塾大学医学部内科学教室(循環器)と共同で、心筋細胞の作製時に残存する未分化iPS細胞や非心筋細胞を効率的に除去するために、細胞のタイプごとのエネルギー代謝の違いに着目し、培養液の成分を工夫することで目的外の細胞が死滅し、目的の細胞のみを得られる「メタボリックセレクション」を開発してまいりました。メタボリックセレクションには、心筋細胞だけを効率的に選択できることで広く知られている乳酸法、グルタミン法に加え、脂肪酸合成阻害法があり、慶應義塾大学医学部内科学教室(循環器)専任講師の遠山周吾先生らにより、いずれも影響力の高い学術誌に発表されています。

 乳酸法:     Tohyama S, et al., Cell Stem Cell. 2013: 12:127-37
 グルタミン法:  Tohyama S, et al., Cell Metabolism. 2016: 23:663-674
 脂肪酸合成阻害法:Tanosaki S, Tohyama S, et al., iScience. 2020: 23:101535
          Tanosaki S, et al., STAR Protocols. 2022: 3:101360

本契約の対象となった脂肪酸合成酵素阻害技術
 本契約の対象となった脂肪酸合成阻害法は、極めて単純な工程によって、臨床応用を視野に入れた未分化iPS細胞の除去を可能にする技術です。
iPS細胞では、分化した心筋細胞と比べて脂肪酸合成酵素の発現が約10倍高いことが知られています。そのため、化合物等により脂肪酸合成酵素を阻害すると、iPS細胞では生存に必要な脂肪酸の合成が阻害され細胞が死滅します(下図をご参照)。

[画像: https://prtimes.jp/i/46965/10/resize/d46965-10-5d3e5b0730eb9c77669d-0.png ]


 一方で、分化した心筋細胞では脂肪酸合成酵素の阻害による影響は限定的であり細胞死は認められません。
更に、脂肪酸合成阻害法は、心筋細胞に限らず、神経や肝臓の細胞などでも未分化iPS細胞の除去に利用できる可能性が示されています。Heartseedは今回のライセンス実施許諾契約の締結を皮切りに、心筋再生医療以外の領域で当社のメタボリックセレクションに関する特許を使用する、もしくは使用を希望される企業に対して、ライセンスを進め、iPS細胞を用いた細胞治療の実用化に貢献してまいりたいと考えています。

Heartseed 代表取締役社長 福田恵一のコメント
 「この度、我々独自の純化精製技術に関するライセンス契約が締結できたことを大変喜ばしく思っております。iPS細胞を由来とする細胞治療の実用化のハードルの一つは未分化な細胞の残存による安全性への懸念です。当該技術は様々な分化誘導後の細胞にも応用可能なものであり、従来のメタボリックセレクションと同様に細胞製造の工業化も指向したものです。我々は、今後も当該技術を必要とする方々には広く本件特許のライセンスを行い、再生医療全体の産業応用へ貢献する所存です。」

*1 本特許は慶應義塾が権利者でありますが、Heartseedが慶應義塾より再実施許諾権付独占実施権の許諾を受けています


Heartseed 株式会社について

社名:Heartseed株式会社 (Heartseed Inc.)
設立:2015年11月30日
本社所在地:東京都港区芝浦1-2-3 シーバンスS館 5F
事業内容:iPS細胞を用いた心筋再生医療
株主: 創業メンバー/役職員/Angel Bridge/Astellas Venture Management/澁谷工業/
SBIインベストメント/JMDC/キッズウェル・バイオ/ニッセイ・キャピタル/
SMBCベンチャーキャピタル/伊藤忠ケミカルフロンティア/メディパルホールディングス/
東京大学協創プラットフォーム開発/メディカルインキュベータジャパン/
慶應イノベーション・イニシアティブ(KII) /三井住友トラスト・インベストメント/
Arcus South East Asia/坂野敦氏(資産運用会社Aspex Managementのパートナー)/コーエーテクモキャピタル/Nikon-SBI Innovation Fund 等
代表取締役社長:福田 恵一

 Heartseedは心筋再生医療の実現化を目指して、2015年に設立されたバイオベンチャーです。iPS細胞から高純度の心室型心筋細胞を作製する技術、移植技術やiPS細胞の作製方法など、心筋再生医療の普及に必要な多数の独自技術を有しています。2021年6月にデンマークに本社を有する大手製薬企業Novo Nordisk社とHS-001の開発・製造・販売に関するライセンス契約締結を発表しております。これまでに 「Japan Venture Awards 2021」 において「科学技術政策担当大臣賞」を、「大学発ベンチャー表彰2021」において「文部科学大臣賞」を、Asia-Pacific Cell & Gene Therapy Excellence Awards (ACGTEA) 2022においてMost Promising Pipelines Awardを、特許庁主催「第4回IP BASE AWARD」のスタートアップ部門においてグランプリを受賞しています。
より詳細な情報はウェブサイト ( https://heartseed.jp/ ) 、Linkedin ( https://www.linkedin.com/company/heartseed-inc/ ) 、YouTube ( https://www.youtube.com/channel/UCZ88HHvk5Ogk8_rKALxKf9g ) をご覧ください。

PDF版のプレスリリースは以下URLからダウンロードいただけます。
https://prtimes.jp/a/?f=d46965-10-d912c96cfbfbb0bcd9cc4c15f237e24b.pdf

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