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PSYGIG、福山市の実証実験まるごとサポート事業で「商業/公共施設における過密対策のためのヒートマップ作成」を実施。コロナ禍における、自治体とスタートアップの協働のあり方とは?

PR TIMES / 2020年12月1日 11時15分

福山市の実証実験まるごとサポート事業「withコロナをスマートに」に参画したPSYGIG。福山市へのインタビューを通じて考える、自治体とスタートアップが今できること

コロナ禍において新しい生活様式へのシフトが求められる中で、福山市が始動した実証実験プロジェクト。「withコロナをスマートに」をテーマに、新しい生活様式を支援するためのアイディアと技術を公募した結果、3社が採択されました。実証実験の第1弾として、2020年10月末~11月にかけて、PSYGIG株式会社が「商業/公共施設における過密対策のためのヒートマップ作成」を実施しました。本記事では、PSYGIG株式会社による福山市への独占インタビューをもとに、コロナ禍で実証実験を始めるに至った経緯や、実証実験を行ってみた感想、今後の目指す姿について紹介していきます。コロナ禍で何か行動を起こしたいと考えている自治体やスタートアップの方々にとって、自治体とスタートアップがいかに協働できるのか、新しい生活様式に向けていかに先端技術を活かせるのかについて、本記事が何かしらのヒントをもたらせれば幸いです。



[画像: https://prtimes.jp/i/54903/10/resize/d54903-10-176814-0.png ]


コロナ禍で実証実験を始めるに至った経緯とは?

齊藤
「withコロナをスマートに」というテーマの実証実験を始めたきっかけを教えてください。

藤井(寛)さん
今回の実証実験の企画は、緊急事態宣言の中で始まりました。本市では、コロナ流行前より実証実験サポート事業を行っていたものの、今こそコロナ対策に特化した実証実験を新たに始める必要があると考えました。コロナ禍で業務がひっ迫していたものの、「緊急事態だからこそ、どうしてもやらねば」という推進室メンバー共通の想いを核に、周りのステークホルダーを巻き込み、今回の実証実験を実現させることができました。コロナ対策は地元企業の関心も高い課題です。だからこそ、本市としては、非常事態の今こそ、積極的に新しいアイディアを持つ民間企業と地域課題をマッチングする攻めの支援を行なっていきたいと考えました。

齊藤
実証実験サポート事業の開始(2018年9月)以来、実証実験を実施されていらっしゃいますが、コロナ禍で実証実験を行うにあたって、意識した点はありますか?

藤井(寛)さん
コロナによって新しい生活様式へのシフトが提唱されているものの、生活をどのように変化させていくべきかは、まだまだ模索段階です。だからこそ、実証実験のアイディア募集にあたっては、分野を限定するのではなく、「withコロナをスマートに」という大枠のテーマのみを打ち出して募集しました。
また、コロナ禍で実証実験を行う中で、先端技術に対する地元企業の関心度が以前よりも高まっていると感じます。コロナ流行以前から、民間企業やスタートアップから実証実験のアイディアはいただいていましたが、行政が提案できる場所だけで実施していました。しかし、コロナ対策という新たな社会課題を乗り越えるためには今までのやり方を変える必要があるとの共通認識が地元企業の間で生まれてきています。また、コロナによって新しい生活様式にシフトしていく中で、コロナ流行前は注目されてこなかった技術の意義が見直されるようになってきました。コロナによって、先端技術と地元企業がマッチングされやすい環境が生まれたのではないかと感じています。

齊藤
数ある応募の中からPSYGIGを採択いただいた理由について、教えてください。

藤井(寛)さん
PSYGIGの混雑状況可視化ヒートマップは、想定外のアイディアでした。
過密状況を見える化して店舗の現状把握ができるヒートマップは、感染症対策のための店舗のあり方を見いだす手がかりになるのではないかと考えました。「withコロナをスマートに」というコンセプトに相応しいアイディアであると審査員から高評価を受けたこともあり、採択に至りました。
実証実験のアイディアを公募するにあたっては、細かい制約を設けず、解決したい社会課題をコンセプトとして打ち出した上で幅広くアイディアを募集することで、我々が想定していなかった課題解決アプローチに出会えると改めて実感しました。

実証実験を行ってみた感想は?

齊藤
実際にPSYGIGの混雑可視化システム(AIサーモカメラとクラウドから構成されるシステム)を導入してみた率直な感想を教えてください。

藤井(寛)さん
コロナ禍における過密対策として、可能性を感じています。
今回の実証実験では、混雑可視化システムを導入することで、感染拡大防止のための安心できる空間づくりにつながるかに焦点を当てていましたが、工夫次第では、感染拡大防止と経済活性化の両立を支援するシステムとしても活用できるのではないかと個人的には考えています。
たとえば、今回の実証実験では、商業施設のホームページに混雑状況可視化ページを設けることで、市民が混雑ピーク時の来店を控えたり、逆に、空いている時間帯の来店を促したりできるかを試みました。館内におけるリアルタイムの混雑状況を市民に共有できることで、過密対策は強化できるかもしれませんが、商業施設にとっては、いかに過密を防ぎつつ売上を維持できるかが課題として残ります。そこで、ホームページに混雑状況を掲載するだけでなく、過密時のお買い物を避けたい人向けに、ネットショップのリンクを貼る等の工夫を施すことで、過密対策とオンライン集客の両方に寄与できるシステムへと発展していけたら、より意義が高まるのではないかと考えています。

齊藤
PSYGIGの技術を、他にどの場面でどのように活用してみたいと思いますか?

藤井(寛)さん
コロナが収束するにつれて、混雑を問題と捉える潮流は減っていくかもしれません。しかし、ヒートマップに限らず、データをわかりやすく可視化することのメリットは、コロナ収束後も変わらず存在し続けると考えています。ヒートマップは、AIサーモカメラで集めた密集度データをわかりやすく見える化してくれる役割を果たしています。エリア内の人数や滞留状況をそのまま伝えただけでは、(過密状況の)緊急性が伝わりにくいかもしれませんが、密集度データをもとにヒートマップを作成することで、過密状況かどうかを人が直観的に把握できるようになるメリットがあります。
PSYGIGの得意分野である「センサーデータの見える化」を通じて、ヒートマップをはじめとするさまざまな様式でデータを可視化していくことで、空間における課題の発見につなげていけるのではないでしょうか。

今後の目指す姿とは?

齊藤
今回の実証実験では「withコロナをスマートに」をテーマとして打ち出されていますが、先端技術推進室のみなさまは、どのようにwithコロナをスマートにしていきたいとお考えですか?

藤井(寛)さん
コロナ禍で「できなくなったこと」も多いですが、「コロナ禍の今だからこそできることは何か」という視点で考えるようにすることで、新たな生活様式に向けた技術活用のためのヒントが生まれると考えています。
「withコロナをスマートに」がテーマの今回の実証実験では、PSYGIGの他に2社採択しています。採択したアイディアに共通しているのは、コロナ禍の今だからこそ試しやすい、あるいは試す価値があるものであるということ。
たとえば、コロナによって過密状況をなんとか回避しなければならない状況が生まれたからこそ、PSYGIGのヒートマップのアイディアに対して関心が集まりました。
withコロナの生活に合わせたアイディアや技術が、今後ますます注目されていくのではないかと考えています。

森本さん
我々として最終的に目指す姿は、コロナ対策という社会課題が少しでも解決された状態です。
しかし、どのようなアプローチでコロナという複合的な社会課題を解決するかについては、試行錯誤してみるしかない。やらないことには発見することもできないからこそ、コロナをテーマとした今回の実証実験を始めました。コロナに限らず、いろいろな社会課題の解決において、先端技術の導入を試みていきたいと考えています。

齊藤
今後、福山市のどのような課題に対してどのような技術を導入していきたいですか?

森本さん
多分野において課題は存在するため、特定の課題に対して技術を求めているというより、数ある課題と数ある技術をマッチングしていきたいと考えています。

藤井(寛)さん
民間企業やスタートアップのみなさまには、福山市が抱えている課題に対して、どのようなソリューションがあるのかを提示していただきたいです。
課題には地域性があり、他の都市で効果があったソリューションが福山市でも効果があるとは限りません。課題解決にあたっては、他の自治体の事例をただ真似するだけでなく、福山市をフィールドとして実証実験を重ねていくことが重要です。
どのようなソリューションがあるのかについて、アイディアや技術をもったスタートアップのみなさまに提示していただくことで、課題と技術のマッチングをしていきたいと考えています。

齊藤
多分野にわたって課題は存在するため、特定の課題に限定せず、まずは気軽に声をかけてほしいとのことですが、あえて挙げるとしたら、今特に気にされている課題はありますか?

藤井(寛)さん
自治体の施策は幅広く、子どもから高齢者まで全ての層がターゲットになります。
ですので、教育を充実化することで子育て世代に魅力的な環境づくりや、医療やモビリティ技術を導入することで高齢者にとって住みやすい街づくりなどが必要になります。
もちろん、技術を活用した課題解決という観点では、若者世代が抱える課題をターゲットにした方が、新しい技術は浸透しやすいかもしれません。
しかし、我々としては、高齢者にとっても活用しやすい技術のあり方も模索していきたいと考えています。
生活のあらゆる場面でスマホが活用される今、高齢者もスマホがないと生活が不便になる時代になりつつあります。こうした時代だからこそ、高齢者が難しい操作をせずとも勝手に技術の恩恵を受けられるような仕組みを考えていきたいです。
スタートアップのみなさまにも、技術の進歩についていけない方々に寄り添ったアイディアや技術を提案していただけたら、嬉しい限りです。

齊藤
福山市(先端技術推進室のみなさま)が考えるスマートシティのあり方とは?

藤井(寛)さん
Society 5.0は、一人ひとりに最適なサービスが提供される社会であると認識しています。
言い換えると、社会課題が、個人のライフスタイルに合わせた形で解決されることが、真のスマートシティのあり方ではないかと考えています。

齊藤
通常業務をこなしながら、コロナをテーマとした実証実験を率先して行うのは、やりがいはもちろん、相当大変だったことと存じます。PSYGIGとしても、福山市のみなさまと一緒に、新たな取り組みにチャレンジしていく風土を創っていきたいと考えています。今後チャレンジを考えている自治体やスタートアップに向けて、最後に、みなさまの想いを聞かせてください。

森本さん
実証実験を推進していくにあたっては、社会課題の解決に向けた新たなアイディアや技術の有用性を試すことはもちろん、すべてのセクターにとって満足のいく結果を生み出すことが重要であると考えています。今後も、技術を提供する企業、実証実験のテストフィールドを提供する地元企業、そして市民のみなさま全員が実証実験から恩恵を受けられることを意識して取り組んでいきたいです。

藤井(寛)さん
先端技術を導入していくことで、地域課題の解決はもちろん、先端技術を提供してくれる企業側の発展にもつながります。今後も、課題と技術のマッチングを率先して進めることで、社会課題解決と経済活性化の両立を実現していきたいです。

齊藤
行政との連携を考えているスタートアップへのメッセージとして、行政視点でスタートアップに求めることがあれば教えてください。

藤井(寛)さん
スタートアップに何かを求めるというよりは、とにかくアイディアがあるならまずは我々に話してみてほしいという想いを伝えたいです。
一見使いどころのないようなマニアックなアイディアも歓迎します。
たとえば、福山市はバラのまちです。匂いを数値化するセンサーをもっているスタートアップにとっては、匂いセンサーを使ってばらの香りを数値化するというようなアイディアも面白いかもしれません。
応募いただく際は、半年以内に実現できるアイディアだと、実証実験につながりやすいかもしれませんが、もしタイミングが合わずに実証実験に至らなかった場合でも、声をかけていただいた企業様には、需要が生まれた際にまたお声がけさせていただくようにしています。
我々のスタンスとしては、スタートアップのみなさまに自治体と連携するにあたってのポイント云々を知ってほしいというよりは、「まずは気軽に福山市に声をかけてほしい」という想いでいます。
コロナ禍でオンライン会議も主流になってきているので、まずは気軽にアイディアを共有していただけたら嬉しいです。

本記事に関するお問合せ先:
info@psygig.com

福山市 先端技術推進室について
福山市に2020年度に新設された部署。
スマートシティの実現に向けた各種事業を担当。
先端技術の社会実装に向けた検討の一環として、民間企業等が行う実証実験を支援する「実証実験まるごとサポート事業」を行っている。

PSYGIG株式会社について
事業内容:モビリティー・アイ・オー・ティー・プラットフォームおよびそれに関連するコンピュータシステムおよびソフトウェアのデザイン、設計、開発、調査、配信、販売、運営、保守およびコンサルティング
住所:〒108-6022 東京都港区港南2-15-1 品川インターシティA棟 22階 SPROUND
代表:ロ・キング・マン・ゲイリー
主要株主:DG Ventures, DNX Ventures, Genesia Ventures, STRIVE

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