超小型衛星用の推進機を開発するPale Blueが三井住友海上キャピタル等から7000万円の資金調達を実施

PR TIMES / 2020年10月21日 9時45分

併せて東京理科大学木村研究室との共同研究契約及びNanoAvionics社とのMOAを締結

 株式会社Pale Blue(本社:千葉県柏市柏の葉5-4-6 東葛テクノプラザ610号室、代表取締役:浅川純、以下「当社」)は、インキュベイトファンド、三井住友海上キャピタルの各社が運営するファンドを引受先とした第三者割当増資(シードラウンド)及び金融機関からの融資により、約7000万円の資金を調達しました。
 当社は令和2年4月に設立後、東大IPC 1st Roundや国及び地方自治体の助成などを含めると創業半年で累計約1億4000万円を得ることになり、これによって世界初、超小型衛星向けの水を推進剤とした統合推進システムの実用化に挑みます。



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<シードラウンド資金調達の概要>
1. 目的
当社は、水を推進剤として用いた超小型推進機の技術を軸に、持続可能な宇宙開発・利用を実現するため、2020年4月に設立された東京大学発ベンチャーです。
小型衛星の更なる市場拡大には、宇宙空間で能動的に小型衛星を動かすための推進機が必要不可欠になります。しかし、大型衛星用の推進機は高圧ガスや有毒物を推進剤として用いており、体積・重量・コストの観点から小型衛星に適用することは困難でした。Pale Blueは、東京大学 小泉研究室で進めてきた安全無毒で取扱い性・入手性の良い水を推進剤とした小型推進機の技術を社会に実装することで、小型衛星の市場を拡大させつつ、持続的な宇宙開発・利用の実現を目指します。本資金調達を受け、まずは水推進機の複数の宇宙実証プロジェクトを推進致します。

また、本ラウンドのリードインべスターであるインキュベイトファンドから、大学発ベンチャーの立ち上げを支援した経験を豊富に有する村田 祐介氏が当社の社外取締役に就任致しました。
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2. 第三者割当引受先(順不同)
・インキュベイトファンド
・三井住友海上キャピタル

3. 主要関係者のコメント
◎インキュベイトファンド 代表パートナー 村田 祐介氏
「近年国内外の宇宙開発分野はスタートアップが牽引役となって大変目覚ましい進歩を遂げています。特に超小型衛星の打ち上げ需要が大幅に増えてきている中、Pale Blueが開発する推進機は市場拡大に大きく寄与するものと考え、この度投資実行させて頂きました。今後Pale Blueの素晴らしい創業チームと共に伴走役として当社成長に寄与していきたいと考えています。」

◎三井住友海上キャピタル パートナー 平井 宏明氏
「近年、超小型衛星コンステレーションを構築して、グローバルな衛星サービスを提供するVBが国内外で増加していますが、殆どの超小型衛星には、軌道維持や姿勢制御のための推進エンジンが搭載できていません。Pale Blueは、超小型衛星コンステレーションの時代に、衛星コストの低価格化が求められるなかで、推進剤を「水」とする安全・安心で高効率な超小型衛星向け推進エンジンを開発しており、日本発、世界の宇宙産業を支えるキーテクノロジーVBとして事業成長することを期待しております。」


<東京理科大学 木村研究室と水プラズマプルームの宇宙空間におけるカメラ撮影に関する共同研究を締結>
Pale Blueは、東京理科大学 理工学部 電気電子情報工学科 木村研究室と、水プラズマプルーム(注1)の宇宙空間におけるカメラ撮影に関する共同研究契約を締結しました。

Pale Blueは、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が、民間企業・大学等に、機器や部品、超小型衛星やキューブサットに、軌道上実証の機会を提供する目的で実施する、革新的衛星技術実証3号機の実証テーマに選定され、水を推進剤とした超小型統合推進システムの開発を進めてきました。水を推進剤とした超小型統合推進システムとは、レジストジェットスラスタ(注2)及びイオンスラスタ(注3)の二種類の推進機を一つのコンポーネントに統合したものになります。

東京理科大学 木村研究室は、スペースデブリの除去を主な研究対象として、その実現に必要な技術にシステム技術・自律制御技術など総合的に取り組んでいる研究室になります。スペースデブリに自律的に接近するための画像誘導技術に関連して、宇宙用超小型カメラにも注力しており、小惑星探査機「はやぶさ2」をはじめ、これまでに30台以上の宇宙用カメラの開発経験を持ち、宇宙開発において日本を代表する研究室になります。

本共同研究では、革新的衛星技術実証3号機に搭載される水を推進剤とした超小型統合推進システムに関し、特に水イオンスラスタが宇宙空間で動作している様子を、宇宙仕様に工夫が施された超小型カメラによって撮影します。宇宙空間において動作中の水イオンスラスタから排出される水プラズマプルームの放出特性をカメラによって撮影し取得することを目指します。過去に宇宙空間における水イオンスラスタの作動およびそのプルームが撮影された例はなく、実現に成功すれば世界で初めての成果となります。加えて、通常は見ることのできない宇宙での推進機の作動の様子を可視化することは、科学技術のアウトリーチや製品の付加価値を高めるという観点でも非常に意義のあるものとなります。

◎東京理科大学 木村真一教授のコメント
「超小型統合推進システムの研究は、小型衛星の今後の発展に加えて、スペースデブリ対策にとって非常に重要な技術であり、革新的衛星技術実証3号機での重要な実験機会に、木村研究室の画像取得技術で協力させて頂くことは、非常に意義深いと考えます。また、PaleBlue社の若きエンジニアの皆様の意欲的なミッションに参加させて頂くことは、東京理科大学の学生たちにとっても貴重な経験と大きな誇りになると考えます」

<小型衛星製造企業であるNanoAvionics社とMOAを締結>
Pale Blueは、小型衛星製造企業であるNanoAvionics社とMemorandum of Agreement (MOA)を締結しました。NanoAvionics社は、アメリカ・イギリス・リトアニアに拠点を持ち、これまでに27か国の企業・研究機関から75機以上の小型衛星の製造及びインテグレーションを行ってきた実績を持ちます。今回のMOAを契機とし、Pale Blueは、水を推進剤とした超小型推進機の事業拡大を加速させていきます。
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<株式会社Pale Blueについて>
■ 会社概要
会社名:株式会社Pale Blue
所在地:千葉県柏市柏の葉5-4-6東葛テクノプラザ610号室
代表者:浅川 純
設立:2020年4月3日
資本金:6300万円(資本準備金含む)
URL: https://www.pale-blue.co.jp

■ 事業内容
東京大学は長年にわたって宇宙推進機の研究を行ってきており、推進機内における複雑なプラズマ物理の解明や電気推進の性能評価に関して、世界をリードする研究機関の一つになります。当社のメンバーは、東京大学在籍時から推進機の基礎研究に加えて、高周波電源や高電圧電源の小型化・高効率化に取り組み、成果を上げ、更には実際の小型衛星に搭載する推進システムの開発を多数経験してきました。当社は水統合推進システムの実現において、東京大学のエンジン基礎研究の成果を社会実装・実用化する役割を担い、その収益をアカデミアに還元することを目指します。
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■ 東京大学 小泉研究室
宇宙推進工学およびプラズマ工学を軸として各種の研究およびプロジェクトを実施しています。現在は小型衛星用の超小型推進機に関する研究と実応用(プロジェクト)および新しい大型電気推進機に注力しています。
主な実績は、
- ほどよし4号における世界で初めての小型イオン推進システムの宇宙実証(2011-)
- 超小型深宇宙探査機PROCYONのメインエンジンとなる統合型小型推進システムの開発と深宇宙作動(2013-)
- 超小型深宇宙探査機EQUULEUSのメインエンジンとなる超小型水レジストジェット推進システムの開発(2016-)
- ソニー・JAXAと共に宇宙感動体験事業の創出に向けてソニーのカメラ機器を搭載した人工衛星の共同開発を実施(2020-)
等があります。

■ 取り組みの例
当社代表の浅川純らは、東京大学在籍時に国立研究開発法人 科学技術振興機構(JST)の研究成果展開事業 大学発新産業創出プログラム(START)の枠組みの中で、将来的な宇宙空間での輸送インフラに貢献する、水を推進剤とした超小型衛星用推進システム(写真1)及びその実証衛星(写真2)を開発し、世界で初めて国際宇宙ステーション(ISS)から宇宙への放出に成功しています。


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■ 採用について
当社は優秀な人材を必要としています。多くの職種で募集していますので、以下ページをご覧になり、取り組みに共感いただけたらぜひご応募ください。
問い合わせ先:contact@pale-blue.co.jp
会社紹介ピッチ:下記
[画像1: https://www.slideshare.net/JunAsakawa1/pale-blue-238922787 ]




◎株式会社Pale Blue 代表取締役 浅川 純のコメント
[画像8: https://prtimes.jp/i/55668/10/resize/d55668-10-992777-1.png ]

「私を含む創業メンバーらは長年東京大学で超小型衛星に搭載する推進機の基礎研究、および推進機の実利用となる数々の小型衛星プロジェクトを実施してきました。今後、推進機技術の発展・成熟により、これまでの超小型衛星利用の延長線だけでなく、新たな利用法も生むことができ、マーケットそのものをさらに拡大できます。粘り強い基礎研究の中で芽生えたものを社会に実装していき、その収益の一部を再び基礎研究に還元し新たな人材育成にも貢献する、というような科学技術に主眼を置いたサイクルを実現したいと考えています。今回、これまでの多数のベンチャーの立ち上げ・支援経験を持つインキュベイトファンド様、三井住友海上キャピタル様に出資をしていただき、ゼロからの立ち上げフェーズから共に伴走していただけること、大変心強く思っています。より一層スピード・責任・覚悟を持って研究・事業開発を進めていきます。また、私が学生時代の頃から小型衛星プロジェクトでお世話になっていた東京理科大学の木村先生および木村研究室の学生の皆様と、再び宇宙開発プロジェクトをご一緒でき大変うれしく思っております。加えて、小型衛星製造・インテグレーション分野において多大な実績を持つNanoAvionics社と協力関係を構築できたことは、事業拡大に向けて大きな弾みとなります。木村研究室が持つ圧倒的な技術力やNanoAvionics社の実績とPale Blueの推進機技術を組み合わせ、人類の新たな世界を開拓に向けて、全力を尽くしていきます。」


【用語解説】
(注1)
水プラズマプルーム:水を推進剤とした超小型統合推進システムから宇宙空間に排出されるプラズマ状態の水のこと。
(注2)
レジストジェットスラスタ:推進剤を電気エネルギーにより加熱した後に宇宙空間に排出し、その反力で推力を生成する推進系。
(注3)
イオンスラスタ:イオンを引き出すイオン源と、電子を引き出す中和器が対となって構成され、中和器から電子を放出することで宇宙機の電位を保ちつつ、イオン源からのイオン引出しにより推力を生成する推進系。

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