ispace、「HAKUTO-R」ミッション2 RESILIENCEランダーの熱真空試験を完了
PR TIMES / 2024年6月27日 14時15分
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株式会社ispace(東京都中央区、代表取締役:袴田武史、以下ispace)(証券コード9348)は、民間月面探査プログラム「HAKUTO-R」ミッション2で打ち上げを予定しているRESILIENCEランダー(月着陸船)のフライトモデルの熱真空試験が完了し、2024年冬頃の打ち上げに向けて開発が順調に進んでいることを発表しましたので、お知らせいたします。
当社は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の筑波宇宙センターにて2023年7月頃よりランダーのフライトモデル試験に向けた組立てを開始し、ミッション2で輸送予定のほぼすべてのペイロードのを搭載完了後、同センター内の環境試験設備*1 で試験を実施いたしました。10日間の試験で、全ての試験項目において成功基準を満たしたことが確認され、現在は試験の詳細データを評価しております。評価結果は、運用に向けたランダーの熱制御パラメーターの最適化および運用手順の改善に反映されます。
ランダーのフライトモデルで実施した熱真空試験は、宇宙空間の真空条件及び温度環境を模擬する大型のチャンバーの中で行われます。試験では、ランダーの電源系や、航法誘導制御系機器、通信系、熱制御が、実際の宇宙空間での航行を模した環境で正常に作動することを確認しました。また、ランダーに搭載された通信系を利用し、ランダーシステムへの接続評価や、コマンドの送信、計測機器からのデータ受信など、実際の航行を想定した操作確認も行いました。
ミッション2での本試験をより厳密にしつつ、さらに試験の効率を上げるため、ミッション1の試験・運用で得た「学び」が活かされています。
ispaceが今冬に予定しているミッション2では、RESILIENCEランダーがフロリダ州ケープカナベラルからSpaceX社の運営するFalcon 9で打ち上げられる予定です。本ランダーには、複数の顧客のペイロードに加え、ispace欧州法人が開発するマイクロローバー(小型月面探査車)が搭載され、マイクロローバーを使用した月のレゴリス採取を予定しています。ローバーの後方にはHAKUTO-Rのコーポレートパートナー企業であるEpiroc AB社が開発するスコップを搭載。スコップを使用して月のレゴリスを採取し、ローバーに搭載したカメラで採取物の撮影を行う計画です。採取したレゴリスは、2020年12月にアメリカ航空宇宙局(以下NASA)による世界初の月資源の商取引プログラムに採択されたispace EUROPEよりNASAに譲渡されます。
ispaceは、日・米・欧の3法人でそれぞれの地域の文化や多様性を活かしながら、1つの統合的なグローバル企業としてミッション2およびミッション3の同時開発を進めています。2024年冬に日本法人が主導するのは、ミッション2、続いて2026年には米国法人がミッション3を主導する計画です。また、2027年には、現在日本で開発中のシリーズ3ランダー(仮称)を用いたミッション6を予定しています。
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■ 株式会社ispace 代表取締役CEO & Founder 袴田 武史 コメント
ミッション2に挑むRESILIENCEランダーの重要な試験マイルストーンを新たに達成し、ispace従業員の尽力に心から感謝しています。短期間に繰り返しミッションを行えることで、確実に技術やチームの成熟度が上がっていることを実感しています。継続的に月輸送サービスを提供するために、このミッション2をしっかりと完了させるべく取り組んでまいります。
■ 株式会社ispace CTO 氏家亮 コメント
「ミッション2の熱真空試験を無事完了出来たことは大きな成果です。今回の試験では、ミッション1の経験に基づき改善と効率化がされた上で、想定通りの良い結果を得ることが出来ました。ミッション1の成果をミッション2に着実に反映したispace従業員の尽力に心から感謝しています。RESILIENCEランダーは引き続き、打ち上げに向けた最終準備を確実に進めてまいります。」
*¹: JAXAの「環境試験設備等の運営・利用拡大事業」の制度下で設備を利用
■ 株式会社ispace (https://ispace-inc.com/jpn/)について
「Expand our planet. Expand our future. ~人類の生活圏を宇宙に広げ、持続性のある世界へ~」をビジョンに掲げ、月面資源開発に取り組んでいる宇宙スタートアップ企業。日本、ルクセンブルク、アメリカの3拠点で活動し、現在約300名のスタッフが在籍。2010年に設立し、Google Lunar XPRIZEレースの最終選考に残った5チームのうちの1チームである「HAKUTO」を運営した。月への高頻度かつ低コストの輸送サービスを提供することを目的とした小型のランダー(月着陸船)と、月探査用のローバー(月面探査車)を開発。民間企業が月でビジネスを行うためのゲートウェイとなることを目指し、月市場への参入をサポートするための月データビジネスコンセプトの立ち上げも行う。2022年12月11日には SpaceXのFalcon 9を使用し、同社初となるミッション1のランダーの打ち上げを完了。続く2024年冬[i]にミッション2の打ち上げを、2026年[ii]にミッション3、2027年に[iii]ミッション6の打ち上げを行う予定。
ミッション1の目的は、ランダーの設計および技術の検証と、月面輸送サービスと月面データサービスの提供という事業モデルの検証および強化であり、ミッション1マイルストーンの10段階の内Success8まで成功を収めることができ、Success9中においても、着陸シーケンス中のデータも含め月面着陸ミッションを実現する上での貴重なデータやノウハウなどを獲得することに成功。ミッション1で得られたデータやノウハウは、後続するミッション2へフィードバックされる予定。更にミッション3では、より精度を高めた月面輸送サービスの提供によってNASAが行う「アルテミス計画」にも貢献する計画。
■ HAKUTO-R (https://ispace-inc.com/jpn/m1)について
HAKUTO-Rは、ispaceが行うミッション1およびミッション2を総称する、民間月面探査プログラム。独自のランダー(月着陸船)とローバー(月面探査車)を開発して、月面着陸と月面探査の2回のミッションを行う。SpaceXのFalcon 9を使用し、2022年にミッション1(月面着陸ミッション)のランダーの打ち上げを完了。2024年冬ixにミッション2(月面探査ミッション)の打ち上げを行う予定。
HAKUTO-Rのコーポレートパートナーには、日本航空株式会社、三井住友海上火災保険株式会社、日本特殊陶業株式会社、シチズン時計株式会社、スズキ株式会社、高砂熱学工業株式会社、株式会社三井住友銀行、SMBC日興証券株式会社、Sky株式会社、Epiroc ABが参加している。
[i] 2024年6月時点の想定
[ii] 2024年6月時点の想定
[iii] 2024年6月時点の想定
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