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イーソルが推進するSHIMが国際標準規格IEEE Std 2804として認定

PR TIMES / 2020年2月6日 10時35分

~ イーソルのCTO 権藤がIEEE SHIM WGのチェアとして貢献 ~

イーソル株式会社(本社:東京都中野区、代表取締役社長:長谷川 勝敏、以下イーソル)は、米国電気電子学会(Institute of Electrical and Electronics Engineers 以下IEEE)において2月に設置されたソフトウェア視点のハードウェア・アーキテクチャ記述に関する標準化を行うワーキンググループ(正式名称:IEEE Computer Society/Design Automation/Software-Hardware Interface for Multi-many-core Working Group 以下:IEEE C/DA/SHIM WG)の最初の成果として、SHIMがIEEE Std 2804-2019として発行されたことを発表しました。このワーキンググループのチェアであるイーソルの取締役CTO 兼 技術本部長の権藤 正樹は、この標準規格の策定にあたって中心的な役割を担い、継続的に貢献してきたことで、ワーキンググループ発足からわずか1年以内の規格発行というIEEEにおいては異例ともいえるスピードで国際標準規格が成立しました。



 IEEE C/DA/SHIM WG は、IEEEにある計39の分科会のうちのひとつComputer SocietyのDesign Automationにおいて、ソフトウェア視点のハードウェア・アーキテクチャ記述に関する標準化を行うワーキンググループとして2019年2月に発足しました。このワーキンググループは、マルチ・メニーコアのソフトウェア・ハードウェア インターフェース(Software-Hardware Interface for Multi-many-core 以下:SHIM)をソフトウェア設計の観点からアーキテクチャの記述標準を定義し、マルチ・メニーコア ツールを有効にするための重要なハードウェア プロパティを抽象化するXMLスキーマを提供します。このXMLインターフェースは、新しいマルチ・メニーコア ハードウェアをサポートするためのコストを削減することに役立ちます。これにより、新しい革新的なマルチ・メニーコア ツールの開発が促進され、マルチ・メニーコア技術のエコシステムの実現が期待されます。
[画像: https://prtimes.jp/i/42388/11/resize/d42388-11-421840-0.png ]

 現時点で既にIEEE Std 2804を使用するツールにはイーソルが名古屋大学との共同研究によって開発を進めるモデルベース並列化ツールeMBP、更にはイーソルトリニティが代理店を担っているドイツSilexica社のSLXなどがあります。IEEE Std 2804に対応することにより、各チップベンダの新たなマルチ・メニーコアチップへのこれらツールの対応が迅速に行えます。

 イーソルは、この他に2005年に設立されたマルチ・メニーコア技術推進の国際的な業界団体である米Multicore Association(MCA)のSHIM ワーキンググループのチェアを2013年より務めており、更に日本で2014年に設立された「組込みマルチコアコンソーシアム」の副会長も2014年より務めています。今回IEEE C/DA/SHIM WGにおいて、SHIMの国際標準規格 IEEE 2804が発行されたことにより、更なる技術開発と仕様策定活動が促進され、SHIM仕様のワールドワイドな普及の促進が期待できます。

 また、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)により2018年に採択された「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発/研究開発項目1.革新的AIエッジコンピューティング技術の開発」における「スケーラブルなエッジHPCを実現するOS統合型プラットフォームの研究開発」プロジェクトとも連携し、IEEE Std 2804の活用を進めていくことで様々な分野において高度にインテリジェント化する組込みシステムの技術的課題を解決し、次世代の組込みコンピューティングの可能性を大きく前進させるため、研究開発活動を積極的にリードしていきます。

 イーソルは、マルチ・メニーコア プロセッサ向け組込みリアルタイムOSの研究・開発を積極的に行う、リーディングカンパニーです。2012年に商用の組込み向けメニーコアプロセッサ対応リアルタイムOSとしては 世界で初めて「MCOS(Many-Core real-time OS)」の開発に成功し、2013年より製品名「eMCOS(R)(エムコス(R))」として市場に投入しています。eMCOSは、従来のシングル・マルチコア向けリアルタイムOSとはまったく異なる「分散型マイクロカーネルアーキテクチャ」を採用したリアルタイムOSで、独自のスケジューリングアルゴリズム「セミプライオリティベーススケジューリング」(特許 第5734941号、第5945617号)を搭載しています。またイーソルが2006年にリリースしたマルチコアプロセッサ向けリアルタイムOS「eT-Kernel™ MCE(Multi-Core Edition)」は、情報家電やカーナビゲーションシステムなど高機能な組込みシステムで、多数の採用実績があります。SMP型とAMP型両方の複数のサブシステムを同一システム内で混在できる、イーソル独自の「ブレンドスケジューリング™」技術を搭載しています。マルチコアシステム開発における、システム統合の効率化とリアルタイム性と信頼性の確保を容易にする、メモリとCPU時間を保護するシステム保護機能も用意しています。

 イーソルでは、これらのマルチ・メニーコア対応のスケーラブルなリアルタイムOSの開発ならびに様々な高度でリアルタイム性の高い組込みソフトウェアの開発で培った技術力と知見を活かし、自動運転などをはじめインテリジェント化する組込み機器で用いられるより高度なプロセッサへの対応を視野に、マルチ・メニーコア技術の国際標準化に貢献していきます。

■イーソル株式会社 取締役CTO 兼 技術本部長 権藤 正樹 のコメント
「ますますインテリジェント化する組込みシステムにおいて、高度なマルチ・メニーコアを活用したソフトウェア開発に開発支援ツールは必要不可欠です。SHIM標準規格は、並列化ツールのパフォーマンス推定やハードウェアモデリング、システム構成など多様なツールに有益です。IEEE-SAの広いネットワークによって、SHIM標準規格の開発と採用がさらに加速されると考えています。また、イーソルは、これまで培ってきたOSとツールの専門技術とノウハウをベースに、マルチ・メニーコア技術の標準化に向けて引き続きリーダーシップを発揮し、マルチ・メニーコア技術の発展と利用促進に更に貢献していきます。」


【補足資料】
■権藤正樹の略歴
1996年イーソル(株)入社。以来組込み OS 及びツール関連の開発に従事。PrKERNEL、eBinder、eT-Kernel、eT-Kernel Multi-Code Editionなどに取組む。近年はシングルコアからメニーコアまで対応したOSであるeMCOS、ドメイン知見と機械学習を組合せたドライバモデル eBRAD、開発支援ツールeWeaverのR&D、AUTOSAR Adaptive Platform仕様策定アーキテクト、マルチコア向けアーキテクチャ記述仕様SHIMのIEEE C/DA/SHIM WG Chair、社内の技術インフラ、プロダクトマネージメントなどに関わっている。IEEE及び米国Multicore Association SHIM Working Group Chair、組込みマルチコアコンソーシアム副会長、IEC TC91/WG13メンバ、NEDO技術委員、早稲田大学アドバンスドマルチコアプロセッサ研究所招聘研究員、COOLChips TPC等。

■eMCOSについて
eMCOS(エムコス)は、シングルコアからマルチ・メニーコアプロセッサまでをサポートした商用では世界初の組込みシステム向けスケーラブルリアルタイムOSです。従来のリアルタイムOSとはまったく異なる「分散型マイクロカーネルアーキテクチャ」を採用することで、コア数の違いに加え、マイコンやGPU、FPGAなどアーキテクチャが異なるヘテロジニアスなハードウェア構成をサポートするスケーラビリティを実現しています。さらに、イーソルの独自技術「セミプライオリティベーススケジューリング」(特許 第5734941号、第5945617号)を搭載することで、メニーコアで期待される高いパフォーマンスとスケーラビリティに加えて、組込みシステムに不可欠なリアルタイム性を両立しています。また、シングルコアプロセッサやマルチコアプロセッサと同じプログラミングモデルとインターフェースを利用した、従来の方法でアプリケーションを開発できます。
・eMCOS詳細:https://www.esol.co.jp/embedded/emcos.html

■eT-Kernel MCEについて
eT-Kernel MCEは、マルチコアプロセッサを使う組込みシステムのためのリアルタイムOSです。独自の「ブレンドスケジューリング」機能により、ひとつのシステム内で、SMP型およびAMP型が混在した複数個のプログラムを共存させられます。「Single Processor Mode(SPM)」と「True SMP Mode(TSM)」をベースとする4つのスケジューリングモードを用意しています。プログラムによって適切なモードを選択することで、高スループットの実現などのSMP型プログラムのメリットと、リアルタイム性の確保やソフトウェア資産の再利用の容易さといったAMP型プログラムが持つメリットの、両方をひとつのシステム内で実現できます。
・ eT-Kernel MCE詳細:https://www.esol.co.jp/embedded/et-kernel_multicore-edition.html

■イーソル株式会社について
イーソルは、革新的なコンピュータテクノロジーで豊かなIoT社会を創造する、1975年創業の、組込み・IoT分野のリーディング企業です。リアルタイムOS技術を核とするソフトウェアプラットフォーム製品とプロフェッショナルサービスは、厳しい品質基準が求められる車載システムを筆頭に、FA、人工衛星、デジタル家電を含むあらゆる分野で、世界中で採用されています。最先端の自社製品の研究・開発や、主要メーカーや大学機関との共同研究に加え、AUTOSAR、マルチ・メニーコア技術の標準化活動を積極的に進めています。
・イーソル 会社情報:https://www.esol.co.jp/company/greeting.html


* イーソル、イーソル株式会社、eSOL、eMCOS、EMCOS、エムコス、eT-Kernel、ブレンドスケジューリングおよびBLENDED SCHEDULINGは、イーソル株式会社の日本及びその他の国における登録商標または商標です。
* その他、記載された会社名および製品名は、各社の登録商標または商標です。

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