ロレアルリサーチ&イノベーション、新規技術によってべたつき感を抑え、肌の上で均一な紫外線防御膜を形成する日やけ止めを開発
PR TIMES / 2022年5月10日 15時45分
- 肌の自然なトーンアップも実現 -
世界最大の化粧品会社ロレアルグループの日本における研究開発部門である日本ロレアルリサーチ&イノベーションセンター(研究所:神奈川県川崎市、所長:アミット・ジャヤズワル)は、植物が産生する多糖類の一つであるイヌリンをベースにした誘導体(ラウリルカルバミン酸イヌリン)を用いて、べたつき感を抑え、肌の上で均一な紫外線防御膜を形成する、日やけ止めフォーミュラを開発しました。このフォーミュラには光を反射する無色の球状の粒子と板状の粒子が添加されており、肌の自然なトーンアップも実現しています。
■ 日やけ止めの使い心地について
日やけ止め製品は無機の紫外線反射剤や有機の紫外線吸収剤を含み、伸びの悪い重い感触や油っぽさ、肌のテカリなど使用感に難がありました。好ましい日やけ止め製品は、紫外線に対する防御力の高さ(SPF値、PA値)、吸収・散乱できる紫外線のタイプ(紫外線B、紫外線A、長波長UVA)、製品の安全性やフォーミュラの安定性だけでなく、化粧品としての効果や使い心地についても考慮する必要があります。
■ 技術の概要
イヌリンはフルクトース(果糖)が鎖状に繋がった多糖で、水を大量に吸着できるため保湿性に優れています。この親水性のイヌリン鎖に親油性のラウリル鎖を付加したイヌリン誘導体「ラウリルカルバミン酸イヌリン」(以下INUTEC(R)SL1*)を用いたエマルションは(図1)、製品の機能はそのままに、軽くてべたつかない化粧膜を肌の上に形成することができます。INUTEC(R)SL1の鎖状の分子は非常に柔軟で、油と水の混合液に加えると、油/水の界面でラウリル部分が油の表面に吸着し、鎖状のイヌリン部分が油を包み込んで油滴を形成します。また、このイヌリン部分は水を吸着することによって油滴と油滴の合一を防ぎ、肌に塗布する際の瑞々しい触感を実現します。このようにして、フォーミュラとして安定であり、軽く、べたつかない感触を与える水中油型のエマルションを得ることができした。この技術を応用した処方については、国際で8件、日本で2件の特許を取得、更に2件が日本で申請中です。
得られたフォーミュラのべたつきは、フォーミュラをバイオスキンに塗布し、その表面から探査子(プローブ)を引き離すのに必要な力として測定しました。INUTEC(R)SL1を使用したフォーミュラの場合、引き離すのに必要な力の平均値(g)はこれまでのフォーミュラに比べて小さく、べたつきが抑えられていることが分かりました(図2)。
アジア人女性60名を対象に実施した4週間の消費者使用感テストでは、INUTEC(R)SL1 を使用したフォーミュラの使用感について、83%が瑞々しくフレッシュな感触と評価し、80 %が塗布後に肌の脂っぽさを感じず、76%は肌が自然に見えると回答しました。
*:INUTEC(R)SL1はCreaChem BVBA社の製品です
■ 環境を考慮した持続可能な植物由来の成分
今回使用した「INUTEC(R)SL1」は、植物のチコリから抽出されたイヌリンとココナッツから得られたラウリル酸を原料としており、ロレアルが推進しているサスティナビリティプログラム、「ロレアル・フォー・ザ・フューチャー」の枠組みのひとつである、「2030年までに全製品フォーミュラに使用される原料の95%以上を生物由来、豊富な鉱物由来、あるいはリサイクルプロセスからの物にする」というコミットメントに合致した化粧品素材となっています。
なお、今回開発されたフォーミュラは、ロレアルグループブランドであるラ ロッシュ ポゼの「UVイディア XL プロテクショントーンアップ クリア」に応用されています。
***
ロレアルグループについて (https://www.loreal.com/)
ロレアルは、100 年以上にわたって美に専念してきました。35*の多様で補完的なブランドからなる独自の国際的なポートフォリオにより、グループは 2020 年に 279 億 9,000 万ユーロの売上高を達成し、世界中で 85,400 人の従業員を雇用しています。世界有数のビューティーカンパニー であるロレアルは、マス市場、百貨店、調剤薬局・ドラッグストア、ヘアサロン、トラベルリテール、ブランドリテール、E コマースなど、あらゆる流通ネットワークに展開しています。 研究とイノベーション、そして 4,000 人の研究専任チームは、ロレアルの戦略の中核であり、世界中の 美への熱望を叶えるために活動していま す。ロレアルは、2030 年に向けてグループ全体で意欲的な持続可能な開発目標を掲げ、より包括的でサステナブルな社会に向けてエコシステム を強化することを目指しています。*L’OREAL Annual Report 2021 に基づく
ロレアルリサーチ&イノベーションについて
(https://www.loreal.com/ja-jp/japan/articles/science-and-technology/beauty-research-and-innovation/)
日本における研究開発は1983年にスタートし、現在、日本ロレアル リサーチ&イノベーションセンター(所在地:川崎市、所長:アミット・ジャヤズワル)として、戦略的なイノベーション拠点としての役割を担っています。数ある外資系化粧品企業においても、もっとも歴史ある研究開発部門であり、いち早く日本の文化、歴史、社会を深く理解し、200名以上の研究員が、ラグジュアリーブランドをはじめ、グループの各ブランドおよび様々なカテゴリーの製品開発を行っています。代表的なブランドはランコム、イヴ・サンローラン・ボーテ、シュウ ウエムラ、キールズ、ヘレナ ルビンスタイン、ラ ロッシュ ポゼ、ケラスターゼ、ロレアル プロフェッショナル、メイベリン ニューヨークなど。
[画像1: https://prtimes.jp/i/72207/11/resize/d72207-11-ba24ee9eecc3e3055b88-0.png ]
[画像2: https://prtimes.jp/i/72207/11/resize/d72207-11-c1aed0cae07507f6acf9-1.png ]
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