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スペクトラム社が、GPUを介した連続デジタル・ダウンコンバート機能をデジタイザに追加

PR TIMES / 2023年4月19日 12時15分

RF信号をベースバンドに変換するDDC処理機能の提供を開始

デジタイザなどの計測機器メーカであるスペクトラム・インスツルメンテ-ション社(本社ドイツ・グロースハンスドルフ /以下、スペクトラム社)は、外部GPUカードを使用して連続的なオンザフライ(リアルタイム)処理を可能にする低価格オプションを導入することで、同社製PCIeデジタイザカード全モデルでデジタル・ダウンコンバージョン(DDC)を実行できるようになったことを発表しました。DDCは、デジタルラジオ、レーダー、携帯電話、宇宙(衛星)通信など、さまざまな通信システムで広く使われている非常に有力な技術です。RF或いはマイクロ波信号にDDC処理を施し目的の信号周波数を含むベースバンド(基底帯域)にダウンコンバート(変換)することにより、計測結果のデータセットが大幅に削減されるだけでなく、信号品質と計測精度も向上します。スペクトラム社は、この新機能を実行可能なPCIeベースのデジタイザカード(サンプリングレートは5MS/秒から最大10GS/秒)を48種類提供しており、ユーザーは目的のアプリケーションに最適なモデルを選択できます。




オンボードFPGAと外部GPUカード

デジタイザカードへのDDCの実装には、多くの場合オンボードFPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)の技術が使われています。これは、入力されたアナログ信号をデジタルデータに変換したのち、FPGAを介してダウンコンバートするというものです。この方式は、迅速かつ効率的である一方で、大規模で高額なFPGAテクノロジーや専用のファームウェアが必要であるなど、いくつかの制約を伴います。また、ファームウェアのカスタマイズも、ファームウェア開発の専門知識と高額なソフトウェアツールが必要になるため、容易ではありません。

[画像: https://prtimes.jp/i/95734/11/resize/d95734-11-87e23eaeb443971d7004-0.jpg ]


図1:スペクトラム社のM5iデジタイザカードと、DDC処理前・処理後の702MHz信号の周波数領域を示すスクリーンショット。データは、GPUに毎秒12.8GBで連続的にストリーミングされ、オンザフライ処理されたのち、スペクトラム社の計測ソフトウェア「SBench 6」に表示される。

スペクトラム社のアプローチは、こうしたハードルを取り除くものです。同社のSCAPP(スペクトラム社製並列処理用CUDAアクセス)ソフトウェア開発キットを使用することで、デジタイザで収集したデータをPCIeバス上でCUDAベースのGPUに直接ストリーミングできます。GPUは数千個のコアを並列処理できるため、C/C++言語を使用した処理ソフトウェア作成を可能にします。その結果、一般的なプログラミングスキルのみでソフトウェアのカスタマイズができ、DDCの実装がはるかに楽に行えるようになるのです。検証済みのDDCのプログラミング例から始めれば、速やかに結果を得ることができ、プラットフォームからソフトウェアをさらに最適化することも可能です。


DDCを12.8GB/秒でストリーミングした際の実装例

スペクトラム社のデジタイザ製品には3種類のプラットフォーム(M2p、M4i、M5i)を有するPCIeカードがあり、サンプリングレートは低いもので5MS/秒から超高速10GS/秒まで、解像度は8ビットから16ビットまで、帯域幅は2.5MHzから3GHz以上のものがあります。図1のM5iシリーズは、その中でもすべてのスペックが最大のモデルです。サンプリングレートと帯域幅ともに最も高く、どれも12ビットの高分解能を有しています。M5iシリーズについてもう1つ特筆すべきは、PCIeバス上で12.8GB/秒という、市場をリードする超高速データストリーミングが可能であるという点です。

図1の、ダウンコンバート前と後の信号の周波数領域を示したスクリーンショットをご覧ください。M5i.3337-x16デジタイザカードを使用し、702MHzの信号を6.4GS/秒でサンプリングしたものです。収集したデータは、6144個のコアを搭載したNvidia RTX A4000 GPUに、最大転送速度12.8GB/秒で連続的にストリーミングされています。実装例には、ダイレクト・デジタル・シンセサイザー(DDS)、ローパスフィルター、ダウンサンプリングなど、DDC機能を実行するために必要な様々な処理ブロックが含まれています。また、GPUは、必要なDDCタスクをすべて実行します。この例では、DDCが生成した複素正弦波信号と収集データの合成、移動平均の計算、その結果のデシメーション(この例では、512分の1)、デシメーション後のデータの有限インパルス応答(FIR)によるフィルター処理、再スケーリング、そしてPCメモリへの処理データの転送と保存をGPUで行なっています。

周波数領域を示す2枚のスクリーンショットからは、ダウンコンバート後の信号(緑)のSN比がオリジナルの信号(黄色)に比べ10dB近く向上していることがわかります。さらに、データファイルのサイズは512分の1と劇的に縮小されている一方で、対象となる周波数帯域内の重要な情報はすべて保持されています。データファイルが小さくなったことで、一般的なPCでの保存、分析、表示が以前よりも容易にできるようになったのです。 今後、この新しいDDC機能は、低価格なSCAPPパッケージの一部として提供されます。このソフトウェアパッケージは、新規または既存のスペクトラム社製デジタイザをGPUカードと組み合わせる際に必要です。

スペクトラム・インスツルメンテーション社(Spectrum Instrumentation)について
1989年に創業したスペクトラム社(CEO 兼 創業者Gisela Hassler)は、モジュラー設計を利用することでデジタイザ製品および波形発生器製品をPCカード(PCIeおよびPXIe)やスタンドアローンのEthernetユニット(LXI)として幅広く生み出しています。スペクトラム社は30年間に、トップブランドの業界リーダーやほとんどすべての一流大学を含む、世界中のお客様に製品をご利用いただいています。当社はドイツのハンブルク近郊に本社を構えており、5年保証と設計エンジニアやローカルパートナーによる優れたサポートを提供しております。スペクトラム社の詳細については、https://www.spectrum-instrumentation.com/ をご確認ください。

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