国内初、人工皮革用離型紙のリサイクルの取り組みを開始
PR TIMES / 2023年8月21日 19時15分
CO2排出量と産業廃棄物の削減に貢献 (共同リリース)
帝人フロンティア株式会社のグループ会社で人工皮革の開発、製造、販売事業を展開する帝人コードレ株式会社(本社:大阪市北区、社長:内田 俊一)と、エコ・リサイクル商材の販売ならびに環境コンサルティングのベンチャー企業であるWR Supply株式会社(本社:東京都足立区、社長:鹿倉 康男)および、レンゴー株式会社(本社:大阪市北区、社長:川本 洋祐)は、国内で初めて、100%古紙由来の原料を用いた人工皮革用離型紙(*1)のベース紙を製造する技術を活用し、再びベース紙や他の板紙製品にリサイクルする取組みを開始します。このことにより、ベース紙製造や、使用済み離型紙の焼却処理の際に発生するCO2排出量を削減するとともに、離型紙のリサイクルを推進します。(*1) 人工皮革用離型紙:人工皮革製造時に表面に意匠性を付与する工程紙。ベース紙と樹脂層の2層構造で、樹脂層の上に天然皮革や幾何学などの柄を付けて人工皮革の表面に貼り付け、写し取ることで模様をつけることもできます。
3社は、このたびのリサイクルの取り組みを足がかりとして、カーボンニュートラルと循環型社会の実現に貢献していきます。
1.今般の離型紙用ベース紙のリサイクルスキーム構築の背景
(1)帝人コードレは、人工皮革の製造において、リサイクルポリエステル原料や、有機溶剤を使用しない環境にやさしい水系ポリウレタンを採用するなど、製品や製造工程の環境対応をすすめる中、さらなる環境対応のため、ほぼ全量を焼却や廃棄している使用済み人工皮革用離型紙のリサイクルを検討してきました。
(2)しかし、従来の離型紙のベース紙にはバージンパルプ100%の洋紙が使用されていますが、その洋紙に再生パルプを使用した場合には品質の低下や、再生工程によってはバージンパルプ使用時よりCO2排出量が増加するという問題があるなど、離型紙のリサイクルは実現できていませんでした。
(3)一方、WR Supplyは、古紙を原料とした離型紙用ベース紙製造の研究を重ねており、自社が有する特許とレンゴー独自の板紙製造技術を合わせることで、古紙を100%使用した人工皮革用離型紙向けベース紙「EB(イービー)シリーズ」の開発に成功しました。この「EBシリーズ」を用いることで離型紙のリサイクルが可能となりました。
(4)こうした中、3社は共同で、使用済み離型紙を回収して再びベース紙や他の板紙製品へ至るリサイクルスキームを構築することとしました。
[画像: https://prtimes.jp/i/102243/12/resize/d102243-12-14e91b8211ceddfe9992-0.jpg ]
2.今般構築の使用済み離型紙リサイクルのスキームについて
(1)帝人コードレは、自社で使用した人工皮革製造用の離型紙を回収します。
(2)レンゴーは、使用済み離型紙を古紙にリサイクルし、WR Supplyが有する特許を活用し「EBシリーズ」を生産します。また、このリサイクル古紙を利用し他の板紙製品も生産します。
(3)WR Supplyは、離型紙を製造する加工会社へ「EBシリーズ」を販売します。
(4)帝人コードレは、加工会社から離型紙を購入し、再び人工皮革製造に使用します。
3.人工皮革用離型紙向けベース紙「EB(イービー) シリーズ」の特長
(1)WR Supplyが有する特許とレンゴーの板紙製造技術により、原料に古紙を100%使用しながらも、従来のベース紙と同等の品質を実現しています。
(2)原料である古紙を水でほぐして生産するため、バージンパルプを原料とする従来のベース紙の製造時に必要な、熱や薬剤を加えてパルプチップをほぐす工程や漂白工程などが不要となり、製造時のCO2排出量を約60%削減(*2)します。(*2) WR Supply調べ
(3)原料は古紙100%であるため新たな樹木の伐採が不要となります。例えば、従来のベース紙を「EBシリーズ」へ10,000m置き換えた場合、約100本のアカシアの伐採が不要(*3)となります。(*3) WR Supply調べ
(4)「EBシリーズ」の活用により人工皮革用離型紙のリサイクルが可能となり、帝人コードレで従来発生していた使用済み離型紙の焼却処理によるCO2排出量を年間約100トン削減するとともに、使用済み離型紙に由来する産業廃棄物を年間約80%減量することが可能となります。
4.今後の展開
(1)3社は今般構築したリサイクルスキームを活用し、2023年12月頃に使用済み離型紙のリサイクル開始を目指します。
(2)3社は持続可能な離型紙のリサイクルを実現する仕組み構築が可能となるように、3社以外の離型紙・人工皮革業界全体へ幅広く働きかけるなど、資源循環型社会実現に貢献していきます。
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