【一般初公開】国際的な研究資金を日本へ:調査結果、データ分析および識者による議論からの洞察を発表
PR TIMES / 2024年12月20日 10時45分
日本人研究者が国際的な研究助成金にアクセスするための課題と機会獲得に関する提言を公開
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研究助成金獲得へのステップ
学術研究者向けソリューションサービスのグローバル・リーダー研究支援エナゴと、世界中の研究者および研究管理者に研究助成金情報を提供するscientifyRESEARCHは、2024年10月16日~17日に沖縄科学技術大学院大学で開催された「RA協議会第10回年次大会」にて、日本の研究者の研究助成金獲得機会についての共同調査の結果を発表しました。日本の研究者が国際的な研究資金を獲得する上での課題と、助成金へのアクセスを改善するための提言をまとめた内容で、広範なアンケート調査、データ分析、専門家による議論に基づき、現状の改善には、研究者、リサーチ・アドミニストレーター(URA)、研究助成金提供機関の協力が重要であると結論付けています。
この調査結果について「RA協議会第10回年次大会」にご来場されなかった方にもご覧いただきたく、エナゴが運営する学術情報総合ポータルサイト「エナゴ学術英語アカデミー」で概要を公開しました。
■エナゴ学術英語アカデミーの記事はこちら(2024年12月19日公開)
国際的な研究資金を日本へ:調査結果、データ分析および識者による議論からの洞察を発表
調査では、日本人研究者の国際的な助成金獲得に影響するいくつかの重要な課題が浮き彫りになりました。エナゴの調査からは、日本の研究者の多くが、米国政府助成金を申請・管理するためのポータルサイトgrants.govや日本学術振興会の科学研究費助成事業(科研費)のような体系化されていない情報源をよく利用しており、その一方で助成金獲得に関連する機会を見つけ出すのに苦労していることが判明しました。この結果は、URAがプロセス全体を通じた研究者の個別のサポートを行うなど、資金調達のためのより合理的なアプローチが必要であることを示唆しています。
日本国内では、かなり高額な資金が研究開発に投じられていますが、国際的な研究助成金、特に米国国立衛生研究所(NIH)のような主要な助成金提供者からの助成金を獲得している日本人研究者の割合が低いことが明らかになりました。例えば、NIHが支援している研究プロジェクトをまとめたデータベースNIH RePORTERのデータによれば、NIHが計6億2,400万ドルの支援を行った米国以外の国の研究プロジェクトの中に日本人研究者によるプロジェクトは含まれていませんでした。こうした現状は、国際的な助成金へのアクセスを妨げる要因に早急に対処する必要性を強く示しています。
明るい展望につながる点としては、世界的な助成金提供者のかなりの割合(6割)が国際的な共同研究を支援していることがscientifyRESEARCHのデータから見て取れることです。これらの資金の80%以上が、日本の研究者にも獲得可能です。こうした助成金の競争率は高いものの、国際研究ネットワークの拡張や、国際的な助成金へのアクセスを試みる日本人研究者にとっては、貴重な機会となり得ます。
今回の調査の結果からは、日本には女性研究者に特化した助成金が限られていることも判明しました。世界の研究助成機関の10%以上が女性研究者に特化した助成金を提供していますが、その多くは機関本国の研究者に限定されています。しかし、3分の1は国外の申請者も対象としているため、それらは日本の女性研究者が国際的な助成金を獲得する新たな道となるでしょう。
「私たちは、国際的な舞台で活躍するために必要なツールやサポートを日本の研究者に提供することを通して、研究を支援することに真摯に取り組んでいます。今回のscientifyRESEARCHとの共同調査研究は、研究資金調達の状況を理解し、日本の研究コミュニティが資金源によりアクセスしやすくなるための重要な一歩となるでしょう。」
- エナゴ、ヴァイス・プレジデント、ラジブ・シルケ(Rajiv Shirke)
「今回の共同調査を通じて、日本の研究者が直面している資金調達の課題について貴重な洞察を得ることができました。私たちは、これらの課題に取り組むことで、日本の研究者がイノベーションを推進し、研究目標に到達するために必要な助成金にアクセスするお手伝いができると確信しています。」
- scientifyRESEARCH、創業者、ジュディ・ミールケ(Judy Mielke)
本調査は、これらの課題の解決に向けた段階的な方策も提案しています。重要な提言のひとつは、研究者の専門性に合った助成金を特定する効果的なシステムの開発によって、手作業での手間と時間に頼らず助成金の機会を追跡できるようにすることです。
加えて、URAの役割を拡大し、助成金申請から助成金受領後の管理まで、助成金に関連するプロセス全体を通じて研究者をサポートするために必要なツールやトレーニングをURAに提供することも提言しています。
また、国際的な助成金提供者における包括性(すべての人を対象とすること)を促進すること、特に女性研究者への公平な資金提供の機会を確保することも、重要なポイントであると記しています。
研究支援エナゴとscientifyRESEARCHでは、引き続き研究を進め、研究機関等による支援体制が、研究者の助成金獲得にどのような影響を与えるかを探っていく予定です。また、今後の研究では、国際共同研究がどのように資金調達の成果を向上させ、研究全体の質を高めることができるかを検証していきます。
■発表ポスターはこちら(PDF)
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■ポスター会場で配布したハンドアウトはこちら(PDF)
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エナゴについて
エナゴは、世界中の研究者の論文執筆活動および出版活動支援事業を展開する会社です。2005 年以来、私たちは 125 か国以上の研究者の研究活動および論文執筆活動をはじめとし、ジャーナルへの採択までを支援しています。
エナゴは、世界中の主要な出版社、学会、大学のパートナーでもあります。東京、ソウル、北京、上海、イスタンブール、ニューヨークに拠点を構え、研究者をローカルでサポートする地域チームとともにグローバルに活動しています。
https://www.enago.jp/
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scientifyRESEARCHについて
ScientifyRESEARCHは、世界の研究助成金についてオープンで体系化された情報のデータベースです。データベースは毎日アップデートされ、世界中のすべての研究者が、地理的条件に関係なく、研究助成金に関する情報にアクセスできるようにしています。そのミッションは、研究者の研究助成金獲得を支援することであり、最高の研究と有望な研究者に、公平に助成金が提供される世界となることを目指しています。
https://www.scientifyresearch.org/about/
エナゴ学術英語アカデミーについて
エナゴ学術英語アカデミーは、国際ジャーナルへの英語論文掲載を目指すあらゆるステージの研究者・学生の皆様に向けた、総合情報プラットフォーム。英語論文執筆や出版のノウハウに関する情報源やウェビナーを定期配信しています。
https://www.enago.jp/academy/
株式会社クリムゾンインタラクティブ・ジャパンについて
株式会社クリムゾンインタラクティブ・ジャパンはさまざまな専門分野に精通した翻訳・ローカリゼーションサービスを提供する会社です。学術論文のジャーナル投稿支援サービスの研究支援エナゴ(Enago)のほか、論文翻訳のユレイタス(Ulatus)、文字起こしサービスのボックスタブ(Voxtab)などのブランドを展開し、総合的な英語ソリューションをお届けします。
https://www.crimsonjapan.co.jp/
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会社概要
社名:株式会社クリムゾンインタラクティブ・ジャパン
本社所在地:東京都千代田区外神田2丁目14−10 第2電波ビル4階
代表取締役:シャラド・ミッタル
事業内容:企業・個人向け翻訳、学術翻訳、英文校正サービス、投稿支援、テープ起こし、ナレーション
設立: 2009年4月
https://www.crimsonjapan.co.jp/
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