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「MONEX個人投資家サーベイ 2012年10月調査」 対外巨額買収に評価は分かれる

PR TIMES / 2012年10月31日 16時5分



 マネックス証券株式会社(以下「マネックス証券」)は、2009年10月より、マネックス証券に口座を保有する個人投資家を対象に、相場環境に対する意識調査を月次で実施しております。

 このたび、2012年10月19日~22日にインターネットを通じて実施したアンケート調査1,083件の回答結果を報告書にまとめました。マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木 隆の総括と併せてご活用ください。

【調査結果要約】
(1) 日本株および米国株DI(注)は回復が一服、中国株DIは下げ止まらず
 【日本株DI】(2012年9月) 23ポイント → (10月) 22ポイント (前月比 -1ポイント)
 【米国株DI】(2012年9月) 42ポイント → (10月) 38ポイント (前月比 -4ポイント)
 【中国株DI】(2012年9月) -34ポイント → (10月) -49ポイント (前月比 -15ポイント)
 日本株および米国株DIは8月、9月と2ヶ月連続で上昇していましたが、伸びが一服した格好となりました。中国株DIは下落トレンドが続いており、4ヶ月連続で低下しています。今月の調査では前月比-15ポイントの大幅下落となり、調査開始以来最低の水準を連続で更新しました。
 (注)「上昇すると思う」と回答した%から「下落すると思う」と回答した%を引いたポイント。

(2) 自動車、機械、鉄鋼が下落し、銀行や不動産は堅調
 「魅力的であると思う業種」ランキングで、「自動車」が13業種中、前月の4位から9位へと大きく順位を落としました。また、「機械」が7位から8位へ、「鉄鋼」が12位から13位へと順位を落としました。順位を上げたのは、「銀行」(9位→7位)、「不動産」(7位→5位)、「ハイテク」(5位→4位)、「電力・ガス」(13位→12位)の4業種でした。

(3) 今後3ヶ月程度の米ドル/円相場の見通しは円安の進行を素直に反映
 日銀による追加緩和期待の高まりや、ソフトバンクによる米スプリント社の買収額が巨額だったことを受け、本調査が行われた週(10月15日週)の米ドル/円相場は1円20銭程度円安に振れました。これを反映し、今後3ヶ月程度の米ドル/円相場の見通しについて「円安を見込む」との回答が50%と最も多く、前回調査から15ポイント増と大幅に増加しました。

(4) 個人投資家が注目するトピックは国内要因へ
 日本の個人投資家の関心は前月と比較して米国、欧州、中国を含む新興国から日本国内にシフトしています。前月調査と選択肢の設定が若干異なるため正確な比較が難しいが、日本について聴取した6項目のうち、「政治・外交」が60.6%から59.5%へと微減、その他5項目はすべて上昇しました。

(5) ソフトバンクの巨額買収については評価が分かれる
 今回の調査では、ソフトバンクの米スプリント買収について問う設問を追加しました。「評価する」との回答が42%だったのに対して、「評価しない」との回答は30%と、評価が分かれました。「評価する」と回答した理由としては、「挑戦的な姿勢を評価」「円高の恩恵を受けられる」「企業のグローバル化は必然」といった声が挙げられました。一方で、「評価しない」理由としては、「財務体質が脆弱になる」「米企業との相乗効果が不透明」「国内のサービス向上を優先するべき」といった意見が見られました。

調査結果
1、株式市場を取り巻く環境について
 (1)今後3ヶ月程度の株価予想(日本株、米国株、中国株のDI推移)(参照:グラフ1.)
    日経平均株価(終値)と日本株DIの推移(参照:グラフ2.)
 (2)日本株を買いたい水準 (参照:グラフ3.)
 (3)日本市場の各業種に対する今後3ヶ月程度の見通し(参照:グラフ4.)
2、為替市場について (参照:グラフ5.)
3、お客さまの日本株取引について (参照:グラフ6.)
4、注目するトピック (参照:グラフ7.)
5、ソフトバンクの巨額買収について (参照:グラフ8.)
  評価する
   1. 挑戦的な姿勢を評価
   2. 円高の恩恵を受けられる
   3. 企業のグローバル化は必然 など

  評価しない
   1. 財務体質が脆弱になる
   2. 米企業との相乗効果が不透明
   3. 国内のサービス(通信品質など)向上を優先するべき など

総 括
 先日、ジェームズ・スロウィッキー著『「みんなの意見」は案外正しい』という書籍をもとにレポートを書いた(10月24日付けストラテジー・レポート『「みんなの意見」は案外正しい』)。個人一人ひとりは正しい判断を下せなくても、個人の集合体としては正しい判断をするという、「集合知」の話である。

 その伝でいくなら、この「個人投資家サーベイ」もまた集合知そのもの、「みんなの意見」は案外正しい、ということになろう。ところが、そうはうまくいかない。これまでも何度か指摘してきたが、当サーベイの「予測」は先行きの予想というより、「現状の追認」となっている。例えば、グラフ2.「日経平均株価と日本株DIの推移」を見れば、一目瞭然、両者が一致して動いていることが分かる。株価が上がればDIも上がり、株価が下がればDIも下がるといった具合にその時々の市況に大きく影響されている。3ヶ月程度先の見通しを尋ねているわけだから、もしもこのサーベイが集合知としての機能を発揮するならば、株価動向に対して先行性がなければならないのだが、残念ながらそうした結果になっていない。

 レポートをお読みでない方に種明かしをすれば、『「みんなの意見」は案外正しい』は、この「案外」という部分がミソである。集合知は絶対ではない。うまく機能しない場合も結構ある。だけど、みんなが思っているよりは「案外」正しい。ポイントは、それをうまく引き出して活用するにはそれなりのコツがいるということだ。このサーベイを企画している当社側に問題があると思う。質問の設定を変えるなど、潜在的に有益な情報源となり得る集合知を引き出し活用できるように、もっと工夫をこらしていきたいと考える。

 どのように工夫するか?それを考えるひとつのヒントが、今回尋ねた「ソフトバンクによる米携帯電話スプリント買収についてどう思うか」という質問に対する回答だと思う。結果は肯定派が4割、否定派が3割、中立が3割ときれいに割れた。好意的に受け取る意見は「挑戦的な姿勢を評価する」「円高の恩恵を受けられる」「企業のグローバル化は必然」というものが多く、一方、否定的な見方では、「財務体質が脆弱になる」「米企業との相乗効果が不透明」といったものから「国内のサービス(通信品質など)向上を優先するべき」とするものが主だった。これはまさにアナリストなどの専門家が指摘する今回の買収に係るプロス&コンズ(長所短所)を網羅していると言ってよい。個人一人ひとりでは見方が偏ったり見落としている点があるが、「千人の眼」で見れば文字通り、複眼的、多角的な見方がそこに提示される結果となる。

 同書の著者であるスロウィッキーはこう述べている。「多様で、自立した個人から構成される、ある程度の規模の集団に予測や推測をしてもらってその集団の回答を均(なら)すと、一人ひとりの個人が回答を出す過程で犯した間違いが相殺される。言ってみれば、個人の回答には情報と間違いという二つの要素がある。算数のようなもので、間違いを引き算したら情報が残るというわけだ。」

 前述のソフトバンクの事例はスロウィッキーの指摘と正反対のケースである。つまり「均さない」ことで全体像がより明確に把握できるというケースである。日経平均の先行き見通しを尋ねて算出するDIは、「均して」しまうがゆえに役に立たなくなっている例だろう。

 そしてソフトバンクの巨額買収への評価が、肯定派4割、否定派3割、中立3割ときれいに割れたことが示唆に富む。すなわち、このディールの評価はすぐには定まらない - よってソフトバンクの株価はボラタイルな(変動の大きい)値動きが当分続くと読み解ける。これこそまさに集合知の有益な活用法ではなかろうか。

 今回も皆様のご協力により有益な調査結果を得ることができました。皆様の資産運用を考える一助となれば幸いです。

 (マネックス証券 チーフ・ストラテジスト 広木 隆)

調査の概要と回答者の属性
 調査方式:インターネット調査
 調査対象:マネックス証券に口座を保有している個人投資家
 回答数:1,083件
 調査期間:2012年10月19日~10月22日

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