ルポルタージュ「ル・マン24時間耐久レース」 伝統ある長距離レースでBosch Motorsportのテレメトリーシステムが活躍
PR TIMES / 2012年6月26日 11時35分
・2012年6月16~17日開催の「ル・マン24時間耐久レース」で Bosch Motorsportのエンジニアが奮闘
・テレメトリーシステムがレーシングチームをサーキットでサポート
・Bosch Motorsportがモーターレース用に適合された製造技術やカスタム仕様製品を提供
「夜中、2つのヘッドライトが遠くに見え、それが次第に接近。静寂を切り裂くようなエンジンの爆音とともに、レーシングカーが目の前を疾走していく。暗闇の中、2つのブレーキディスクが、熱く真っ赤に照らし出され火花が散る。マシンは、ヘアピンカーブを抜けると再び、耳をつんざくような轟音で加速。そして、闇夜に静寂が戻る。」昼夜24時間続くレースで、このような光景が1万回以上繰り返されます。レースファンなら幾度となく魅了されるシーンですが、ボッシュのエンジニアは画面をにらみながら、別のことを考えています。彼の注意は完全にデータ、曲線、直線、数値、測定値だけに向けられています。
「ル・マン24時間」は世界で最も有名な耐久レースで、56台のレーシングカーが参戦し、参加チームは勝利、栄光、名誉を賭けて覇を競います。ドライバーとマシンの限界に挑戦する80回目のレースが、今年は6月16~17日に開催されました。ドイツ南部のシュトゥットガルト近郊の町、アプシュタットで勤務するBosch Engineering GmbHのエンジニアにとっても、このレースは1年間の仕事のクライマックスであり、興奮に包まれた24時間となります。伝説のル・マン・レースでは、フランスの町ル・マンから隣接するミュルサンヌ村まで、全長約14 kmの周回コースが使用され、その一部は一般道となっています。世界的に有名なダンロップブリッジと世界最長のユノディエールストレートの第1セクションから、ミュルサンヌヘアピンまでが前半区間で、後半区間にはカーブの多い難しいコースが続きます。2011年にゴールを迎えた優勝車は、このコースを354周しました。
Bosch Motorsportのエンジニアと開発担当者は、1年前からこの耐久レースに向けて準備してきました。レースが終わると、再び新たなスタートとなります。オフィス、整備工場とラボは直ちに、翌年のレースの準備に着手するのです。Bosch Motorsportは、ル・マンでスターティンググリッドについた約半数の車両に、コントロールユニット、燃料噴射システム、センサー、ディスプレイ、ワイヤーハーネスなど、非常に複雑なレーシング技術を提供しています。これらのコンポーネントはすべて、世界で最も過酷なレースのために開発・製造・テストされたものです。ボッシュのスタッフは、アウディ・スポーツやコルベットなど、カーメーカーのビッグチームの近くでサポートを行います。カーメーカーのピット内では、ボッシュの専門家によるサポートも頼りにされています。
ル・マンのサーキット脇には、大手カーメーカーのピットでの作業に直接関わらないボッシュのエンジニアもいます。とはいえ、彼らの仕事は、カーメーカー各社にとって極めて重要です。ボッシュのエンジニアは、悪名高いミュルサンヌヘアピンに陣取り、目で追うことしか出来ない、具体的なかたちのない技術を担当します。ピットのコンピューターや画面に数値やデータを確実に届けることが、彼らの任務なのです。レーシングカーとピット間で行われるこのデータ転送は、業界ではテレメトリーと呼ばれます。「私たちの仕事が注目されることはほとんどありません。しかし、これがないと、ピットにいるチームは、何も表示されない画面を見つめることになってしまいます」と、Bosch Motorsportのモータースポーツエンジニアを務めるBernd Nottebomは言います。Nottebomとその同僚たちは、こうしたデータを曲線、測定値、表の形式で提供します。彼らが用意するレーシングカーのエンジンやシャシーのデータは、株価のようなものです。株価が分からなければ、株の売買を決断するのは困難です。しかし、この情報があれば、例えばいつ燃料補給をするか、燃費はどうなっているのか、すべてのシステムが正常に作動しているかなど、チームは重要な質問に答えを出し、決定を下すことができます。
レーシングカーは、ピットに一定の流れで情報を送信します。ピットが遠すぎると、データが届きません。ル・マンのような長距離サーキットの場合は、それが問題となってきます。そこで、Nottebomとその同僚たちはミュルサンヌで、チームが判断材料にするための重要なデータを、いわば暗号化したメールのようにピットに送信する作業を行います。「私たちはミュルサンヌカーブで車両データを捕捉し、フィルタリングと増幅処理をしてから、データをピットのコントロールルームまで7 km伝送します」。長年のレースファンでもあるNottebomは、さらにこう続けます。「ですから、このレースは私たちにとって、『ル・マン24時間』ではなく、『ミュルサンヌヘアピン24時間』耐久レースなのです」
Bosch Motorsportは、ボッシュのエンジニアリングサービス専門子会社であるBosch Engineering GmbHの1部門です。ボッシュは、モーターレースの世界で111年にわたる実績があり、1901年にはボッシュのテクノロジーがレースの勝利に初めて貢献しました。
企業プレスリリース詳細へ
PRTIMESトップへ
この記事に関連するニュース
-
アストンマーティン 新型Vantage GT3Heart of RacingがFIA WECにて初優勝
PR TIMES / 2024年9月9日 14時15分
-
アストンマーティン 新型Vantage GT3 Heart of RacingがFIA WECにて初優勝
Digital PR Platform / 2024年9月9日 11時32分
-
アストンマーティンVantage GT3 FIA世界耐久選手権が久々に開催されるCOTAでの栄光を追跡
Digital PR Platform / 2024年8月30日 17時51分
-
トヨタが「新型エボ2」を初公開! 高性能「直6ターボ」×軽量2ドアボディの“ガチガチ”モデル! ド迫力ウイングが超カッコイイ「GRスープラ GT4」発売
くるまのニュース / 2024年8月23日 15時10分
-
1台の製造に3500時間、ルマン制したポルシェに着想、公道走れるレーシングカー『GT ONE』
レスポンス / 2024年8月21日 21時0分
ランキング
-
1金融市場「いまだ不安定」=影響見極め優先―中川日銀委員
時事通信 / 2024年9月11日 18時23分
-
2仕事を超効率化する「メールボックス」の仕分け法 「うっかりさんにおすすめ!」フラグを使ったメール管理
東洋経済オンライン / 2024年9月12日 7時30分
-
3日経平均株価、一時1200円超上昇…3万6800円台で推移
読売新聞 / 2024年9月12日 9時42分
-
4「若手を叱るな」「本気ですか?」で組織崩壊の悲劇 「プライドを傷つけない」叱り方を全力で考えよ
東洋経済オンライン / 2024年9月12日 7時30分
-
5約3000通の郵便物を捨てた10代新入社員、背景に「昼休みを取れず残業が横行…」元職員が明かす“ブラック職場”疑惑 日本郵便は「労働力の確保に苦労している」
NEWSポストセブン / 2024年9月11日 7時15分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください