科学の国際競技会で福島の安全性を高校生日本代表が170ヶ国に発信
PR TIMES / 2021年10月6日 9時45分
~放射線測定小型衛星の打ち上げに南相馬市で初成功~
世界170か国の高校生が参加する科学の国際競技会「FIRST Global Challenge」(以下、FGC)に出場する日本代表チームが、2021年9月26日 福島県南相馬市にて大会の競技課題の一つである、小型衛星の打ち上げに成功しました。現在170カ国中4位につけており優勝への期待が高まります。小型衛星には放射線測定センサーを搭載し、福島の安全性を全世界に発信しています。
【URL】FGC2021日本代表チーム cubesat打ち上げ成功動画@福島南相馬市
YouTube-https://www.youtube.com/watch?v=VkP2iAKRF2Q
[画像1: https://prtimes.jp/i/48616/15/resize/d48616-15-83c941044c4189b6a642-0.jpg ]
■FIRST Global Challenge(FGC)とは
FGCは、教育NPO「FIRST(R)」の創始者ディーン・ケーメン氏によって設立されたSTEAM※競技会の一つです。毎年約170ヵ国が参加する高校生対象の科学の国際大会です。各国から国を代表する1チームが招待され、3ヶ月にわたるプロジェクトに挑戦し世界一を目指しています。毎年、大会では世界が直面する社会問題が大会テーマとして掲げられ、全チームは大会テーマにちなんだ科学・ロボットのプロジェクトに挑戦し、それぞれのプロジェクトの得点を獲得し総合点を競います。
FGCの理念は「コミュニケーション」と「協力」で、競技会を通じて他国のチームと共同してロボットやSTEAMに関わるミッションに挑戦します。毎年世界が直面する社会問題が大会テーマとなり、全チームがミッションへの挑戦を通じて、科学とテクノロジーで世界の課題を解決する体験をしていきます。
FIRST Global Challenge: https://first.global/
※ STEAM教育:Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)、Mathematics(数学)、Arts(リベラル・アーツ)を統合する教育手法
■現在170カ国中4位につけ、10月30日の結果発表に向け優勝を目指す
今年のFGCの大会テーマは「DISCOVER & RECOVER」です。昨年に引き続きオンラインの開催となり、コロナで大きくダメージを受けた世界に発生する諸問題を、STEAMの力で解決する方策を探求しています。今年のFGCの競技課題は3つあり、各国や世界が直面する課題を解決のためのソリューションを編み出し、他の国と共同で提案する「ソリューションズ・チャレンジ」、4つの課題に沿ったロボット・プログラムを設計する「ロボティクス・チャレンジ」、支給される電子基板をベースにしたキットで小型衛星(キューブサット)を制作し打ち上げる「キューブサットプロトタイプ・チャレンジ」の課題にチャレンジしています。
9月26日に、福島県南相馬市(南相馬フライングクラブ片倉飛行場)で小型衛星の打ち上げ・測定を成功させ、課題の提出も完了しました。提出以前の段階で現在世界4位につけており、今回の小型衛星打ち上げ成功が世界大会優勝に向けた一助になると期待しています。最終的な大会の結果発表は10月30日の予定です。
FGCの各競技結果の発表ページ 「2021 FIRST Global Challenge : Leaderboard」 https://first.global/fgc/
■多国籍な日本代表チームで福島の安全性について意見交換
日本代表チーム「Team Japan」は、公募で選出された3チームで編成された新チームで、渋谷教育学園渋谷高等学校(東京都渋谷区)、江戸川学園取手高等学校(茨城県取手市)、FRC*ロボットチーム「SAKURA Tempesta」(千葉県)の3つの学校や団体に所属の男子7名、女子7名の14名の生徒で構成されています。出身が日本・中国・フィリピン・パキスタンという多国籍なメンバーで、高い技術力、幅広い興味・関心、意欲を持った創造的で国際的なチームです。
※FRC (FIRST Robotics Competition)は、毎年約4,000チーム、95,000人の中高生が参加する約25年の歴史を持つ世界最大規模のロボット競技会です。
[画像2: https://prtimes.jp/i/48616/15/resize/d48616-15-54eef19e2c085827476c-1.jpg ]
FGCの特徴の一つは、海外の出場チームとの交渉や協力が必要なことがあります。その中で、日本に対する各国からの印象や、問題点を議論する上で、2011年に起きた東日本大震災や、福島第一原子力発電所事故の現状に対する認識の薄さなどが対話を通して感じることがありました。このため、小型衛星の打ち上げというプロジェクトは、福島の正しい現状を世界に伝えるチャンスだと捉え、放射線測定小型衛星の開発と打ち上げにチャレンジしました。それと同時に、世界各国のチームに福島の現状認識についてのヒアリングや意見交換を重ねてきました。
[画像3: https://prtimes.jp/i/48616/15/resize/d48616-15-620b7b54944e07a8090b-5.png ]
また、日本は航空法などの法律が厳しく、小型衛星の打ち上げは日本国内で実施する場合通常は数か月を要します。しかし、小型衛星打ち上げの課題発表から提出までの期間が1ヶ月しかなく、日本代表チームは絶望的な状に陥っていました。このため、SNS等でアドバイスを頂きながら、打ち上げ実施をご協力頂ける場所を探した結果、福島県南相馬市の役場の方々のご支援を頂き、短期間での実験を実施することが実現できました。
[画像4: https://prtimes.jp/i/48616/15/resize/d48616-15-e1adb9235e7212de5f38-6.jpg ]
[画像5: https://prtimes.jp/i/48616/15/resize/d48616-15-57509ccaae2e33204b05-3.jpg ]
■NPO 法人青少年科学技術振興会FIRST Japanについて
日本の未来を創る科学人材・グローバル人材の育成に貢献していくことを目的に2004年に設立されました。主な活動として教育NPO組織FIRSTが展開する「FLL(FIRST LEGO League)」「FRC(FIRST Robotics Competition)」といった、毎年全世界から約50万人が参加する世界最大規模のSTEAM教育イベントの日本大会の主催・運営しています。また、学校や科学館と連携しSTEAM教育の普及活動を行い、科学の楽しさを体感できるイベントやカリキュラムの提供、世界の青少年と交流をはかる場を提供しています。
FIRST Japanウェブサイト: https://firstjapan.jp/
FGCでは「国際コミュニケーション」と「協力」が重視され、他国のチームと共同してミッションに取組み、科学やテクノロジーで世界の課題を解決する体験をしていきます。
FGCの日本の事務局はNPO法人青少年科学技術振興会が担当し、チームの選出から日本代表チームのメンタリングまで関わっています。
【お問い合わせ先】
NPO 法人青少年科学技術振興会FIRST Japan
TEL:045-479-3327
e-mail:info@firstjapan.jp
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