リガク、非晶質炭素材料の原子構造を3Dで可視化する新技術を開発
PR TIMES / 2024年11月14日 11時45分
~電池デバイスなどの高性能化に必要な材料の開発に貢献~
【新技術の特徴】
⚫実測データに基づいた非晶質炭素の3D構造情報を観察することに成功
⚫3D構造および精細な内部構造情報が得られることで、より狙い通りの材料開発が可能
⚫本手法により結晶から非晶質※1までの幅広い材料の3D構造の観察が可能
リガク‧ホールディングスのグループ会社である、X線分析装置の世界的ソリューションパートナーの株式会社リガク(本社:東京都昭島市 代表取締役社長:川上 潤、以下「リガク」)は、X線研究所にて非晶質※1炭素材料の原子レベルの3D構造を明らかにする新技術「TXS-RMC法 (全散乱測定+RMC法、以下「TXS-RMC」)」を開発しました。
TXS-RMC は非晶質材料の構造や機能に対する理解の深化を促し、電池デバイスの高性能化や、気体・水・電気を通す機能性材料の開発の加速に貢献します。
※1:原子や分子が結晶のように規則正しい配列をしておらず、不規則な配列を持っているもの
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/132608/15/132608-15-47110daff86731cc34d64e90433407ea-1126x543.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
▲本手法で推定した非晶質炭素の構造モデル (左)とTXS解析用SmartLab (右)
従来、非晶質炭素材料の原子の構造は定性的に扱うか、分子動力学法(MD)によって予測・推定していました。TXS-RMCの3D構造可視化技術でより正確な情報を得ることが可能となり、物質的特性に対する理解の促進や機能の予測への活用が期待されます。
TXS-RMCは、機能性材料開発における「狙った構造や特性・物性を持つか検証したい」という高いニーズに応える技術です。さらに、X線による原子レベルの構造解析手法の適用範囲を結晶だけではなく非晶質にまで広げたことが大きな成果です。
なお、TXS-RMCに関する論文が2024年10月25日付の「Scientific Reports」に掲載されました。
“Local structure of Amorphous carbon investigated by X-ray total scattering and RMC modeling”
https://www.nature.com/articles/s41598-024-76796-x
【リガクのX線研究所について】
1992年に設立された民間では日本で唯一のX線を専門とした研究所です。リガク製品への活用だけではなく、人類の科学技術の進歩のために約70名の先端X線技術のスペシャリストが研究に励んでいます。
【リガクグループについて】
リガクグループは、X線分析をコアに熱分析等も含む最先端の分析技術で社会をけん引する技術者集団です。産業・研究用分析のソリューションパートナーとして1951年の創業以来、90か国以上でお客様と共に成長を続けています。日本国内で極めて高いシェアを誇り、海外売上は約70%に達しています。応用分野は、半導体や電子材料、電池、環境・エネルギーからライフサイエンスまで日々拡大中です。世界で2,000名超の従業員が「視るチカラで、世界を変える」イノベーションの実現に取り組んでいます。詳しくはrigaku-holdings.comをご覧ください。
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