蘇州の職人技が光る | 「蘇州文化観光展in東京」で職人に出会う
PR TIMES / 2019年6月26日 5時40分
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「蘇州文化観光展in東京」が東京の中国文化センターで開催されました。館内では、蘇州の絹織物、刺繍、タペストリー、チャイナドレスなど、きらびやかな手工芸品が陳列され、蘇州の張斌服飾デザインスタジオより特別にご提供いただいた崑曲(舞台演劇)の衣装も展示されました。これら手工芸品は、蘇州の職人たちが多大な心血と時間を注いで作り上げられたものです。職人たちの多くは、何十年も手工芸品の制作に従事し、経験の積み重ねと芸術への理解でもって、精巧で美しい作品を一つ一つ完成させます。ここでは、蘇州からお越しいただいた伝統的な職人二名をご紹介し、蘇州の手工芸品業界での経験を探索します。
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江蘇省蘇州で生まれた伍秀芳さんは、30年以上に亘って蘇州刺繍に従事してきました。今回は、日本の皆さんに蘇州刺繍の精緻で巧妙な職人技をご紹介しようと、蘇州からはるばる東京へ、10点以上の上質な刺繍入りチャイナドレスを運んできました。17歳から刺繍の仕事を始め、18歳のときに一人で上海に行き、刺繍作品販売のために多くの貿易会社をまわりました。当時、伍さんは何度も壁にぶちあたり、蒸しパンをかじりながら夜の上海の街をさまようこともありました。しかし、刺繍工場を経営するという夢を決してあきらめませんでした。「文化継承が未成熟な時代においては、刺繍は生計を立てるための手段にすぎません。代々受け継がれてきた、本能のようなものです」と伍さんは蘇州展の開会式で述べました。ついに、伍さんはチャイナドレス作りに精通した崔万志さんに会いました。彼女の作品がチャイナドレスに初めて入れられたとき、それまでのすべての努力の辿り着いた先に気付かされました。
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今、中国の刺繍は外国でも高く評価されており、蘇州の伝統的な手工芸品産業は現代的な美学と組み合わされることで、人々のテイストに合う作品を生み出しています。蘇州の伝統的な手工芸品が海外へ行き、職人が誇る蘇州の手工芸品がもっと多くの外国の方々の目に触れられることを伍さんは強く望んでいます。
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二人目は、有名な中国の舞台演劇衣装デザイナーであり伝統的な職人でもある張斌さんです。蘇州は崑曲(舞台演劇)の発祥の地であり、崑曲は600年もの間、歌い継がれてきました。大学生であった張斌さんは、浙江崑曲団によって招かれ、蘇州で衣装制作監督をしました。蘇州はおだやかな文化・芸術の都市であり、手工芸産業が発達し、衣装制作についても、豊富な資源がある、と張斌さんは感じました。蘇州に行こうと考えたのもその時でした。当初の勾欄瓦舎(娯楽施設・劇場)に始まり、今日の大規模ホールに至るまで、衣装は長い過程で洗練され、何百種類にもなりました。舞台衣装制作について、張斌さんは独自の考えとこだわりを持っています。「伝統と革新は矛盾しませんが、現代の美学は舞台演劇と伝統的な美学に基づくべきです。型にはまらず、伝統に従わずに、といったものではありません」と話します。衣装制作では、体を測って服を仕立てること、手作業で刺繍することにこだわります。手刺繍は衣装を着る人に温かみを与えます。機械では一日ですむ作業が、手作業では一ヶ月かかりますが、手作り衣装の手触り、色、装飾の生き生きとした感覚は一目で分かります。昔の職人は何世代にもわたり刺繍を学んできましたが、手刺繍は少なくなっています。職人たちが自分の技術が役に立ち、機械にはない人情味がある、と感じてくれるようになることを張斌さんは願っています。
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2009年、張斌さんは蘇州に張斌服飾デザインスタジオを設立しました。10年間で、多くの全国レベル、省レベルの劇団のために衣装と小道具を制作し、伝統的な演劇と新しい演劇を完成させ、CCTVのドキュメンタリー『探索と発見・職人の技』に登場しました。「俳優が舞台で自分の衣装を着て、伝統的な中国文化を広めているのを舞台裏で眺めると、誇りに思えるのです」と張斌さんは率直に語りました。今回、張斌さんから「蘇州文化観光展in東京」に崑曲の衣装を提供していただきました。中国の崑曲芸術が遠いところまで届き、より多くの人々に認知されることを望んでいます。
蘇州には、彼らのような職人が他にもたくさんいます。彼らが手工芸品の都、蘇州を作り上げ、何世代にもわたる記憶を受け継いできました。世界に蘇州の伝統、貴重な文化を紹介するのは、精緻で美しい芸術品の背後に生きる彼ら職人にスポットライトをあてるだけに留まりません。今回の蘇州展の輝かしい期待でもあるのです。
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