次世代カーボン素材の東北大発3DC、高品質な導電助剤の早期量産に向けて、愛知工業大学・糸井 弘行准教授と共同研究を開始
PR TIMES / 2024年10月22日 13時15分
~導電助剤用GMSの早期普及により電池の進化を加速させ、カーボンニュートラルの実現に貢献~
電池の進化を加速させる革新的カーボン新素材「Graphene MesoSponge(R)(GMS)」の開発・製造販売を行う株式会社3DC(本社:宮城県仙台市、代表取締役CEO:黒田 拓馬 代表取締役CSO:西原 洋知、以下「3DC」)は、2024年6月、高品質な「導電助剤用GMS」の安定生産に向けた量産プロセスを確立すべく、愛知工業大学 工学部応用化学科 糸井弘行 准教授と共同研究契約を締結しました。
今回の共同研究により、高品質な導電助剤用GMSを広く社会に届ける基盤を整えることで、電池の進化とカーボンニュートラルの実現に貢献します。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/98727/16/98727-16-ac4423c0176dce683bee3b7a03baf9ec-1920x1005.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
■共同研究を開始した背景
3DCが開発する「GMS」は、リチウムイオン電池や次世代電池、キャパシタ、燃料電池といった蓄電・発電デバイスの電極に使用する次世代の炭素材料です。柔軟性、多孔性、導電性、耐食性といった複数の性質を併せ持つことから、リチウムイオン電池の長年の課題である「容量を向上させようとすると別の特性が低下する」点を解消し得る炭素材料として、全世界から注目されています。
3DCは現在、GMSを導電助剤向けにアレンジした製品「導電助剤用GMS」のベンチスケール(ラボレベルと大量生産の間)生産に取り組んでいます。今後数年間のうちには大量生産を実現し、導電助剤用GMSを広く社会に届ける計画です。
導電助剤用GMSの大量生産プロセスを確立する上で重要なのが「導電助剤用GMSの品質を担保したままスケールアップする」ことです。これを達成するには、スケールアップの過程でGMSの構造評価・電気化学的評価をこまかく実施し、その結果をフィードバックしつつ慎重にプロセス設計を進める必要があります。
そこで今回、導電助剤用GMSの構造評価・電気化学的評価を詳細かつ円滑に進めるため、炭素材料とその評価技術に深い知見を持つ愛知工業大学・糸井 弘行准教授と共同研究を開始することとなりました。
■共同研究先:愛知工業大学 糸井 弘行 准教授について
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/98727/16/98727-16-eba11404c17de5456c56b6421aef4ba2-2194x2925.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
糸井 准教授
愛知工業大学 工学部応用化学科 准教授
2011年9月に、東北大学工学研究科 応用化学専攻 博士課程を修了。博士(工学)。2012年5月に東北大学工学研究科の助教(特任)に就任。2013年4月から愛知工業大学 工学部応用化学科 講師、2015年4月より現職。
無機材料である炭素材料に、有機化学・電気化学といった他分野の技術を活用する研究に取り組む。研究例は、「エネルギー貯蔵・変換用の新規炭素複合材料の合成や評価」「触媒や電極触媒」「水素貯蔵材料」など。
2018年には、「有機・高分子化学をベースとした炭素ナノ細孔の化学的修飾とエネルギー貯蔵能の向上」という題目で炭素材料学会 2018年学会賞 研究奨励賞を受けた。
■共同研究の内容
今回の共同研究では、3DCが製造した導電助剤用GMSを愛知工業大学に提供し、大学内の設備を用いて構造解析(※1)や電気化学的測定(※2)を含む多角的な評価を実施していただきます。その後、得られた評価結果を元に3DC側で現状の製造課題をあぶり出し、その問題点をプロセス設計に反映させます。このサイクルを回すことで、高品質な導電助剤用GMSの大量生産を早期に実現する計画です。
(※1)走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)による解析を実施。
(※2)GMSを使用して電極を作製し、上記電極の残存NMP量や電解液分解によるガス発生量などを評価。
■共同研究により予想される効果
<3DC側>
今回の共同研究を通して、高品質な導電助剤用GMSを早期に量産化し、導電助剤用GMSの普及を加速させます。これにより、電池の進化とカーボンニュートラルの実現に貢献します。
<アカデミア側>
GMSは、きわめて新規性の高い材料です。このような材料を大学レベルで詳細に分析・評価することで、材料分野の発展につながる新たな発見が生まれる可能性があります。これにより、アカデミアや産業界が活性化し、よりよい研究や事業が生まれることも期待できます。
■3DCについて
3DCは「クリーンエネルギーを100年先の世界に届ける」のミッションのもと、蓄電池向け機能性導電助剤としての活用が期待される次世代炭素材料「Graphene MesoSponge(R)(GMS)」の量産化を目指して2022年に設立された、東北大学発のベンチャー企業です。GMSはすでにアカデミアで高く評価されており、既存のリチウムイオン電池に留まらず、全固体電池をはじめとする次世代電池の機能向上にも貢献すると期待されています。3DCは、2024年2月にGMSを出荷開始して以降、多くの事業会社と実証化に向けた性能試験を進めております。
また、2024年3月~5月にはプレシリーズAラウンド 2nd closeとして複数のベンチャーキャピタルや事業会社から総額5.8億円の資金調達を実施し、2024年8~9月には内閣府等の主催する大型助成金に複数採択されました(SIP&BRIDGE、GX)。現時点での累計調達額(助成金含む)は、29.7億円となっております。
GMSにより大幅に機能および寿命が向上した電池を普及させることで、環境と人にやさしい真のカーボンニュートラル社会を実現すべく、事業開発に邁進しております。
■GMSとは
GMSは、炭素1原子分の厚みでスポンジのような三次元構造を備えた「三次元型のグラフェン」素材です。柔軟性や多孔性、導電性、耐食性といった複数の優れた性質を併せ持つ革新的な材料であることから、GMSは、電池における「容量を向上させようとすると別の特性が低下する」トレードオフ問題を解消し得る炭素材料として、全世界から注目されています。
■採用情報
3DCは、カーボンニュートラルの実現に向けて採用を強化しております。
<募集職種>
- 電池応用研究
- 材料分析
- 技術営業
- 事業開発
<勤務地>
仙台または川崎
少しでもご興味のある方は、以下からお気軽にお問い合わせください。
3DC HP - 採用フォーム
============
<3DC会社概要>
企業名:株式会社3DC
代表者:黒田 拓馬・西原洋知
設立:2022年2月
本社所在地:宮城県仙台市青葉区片平2-1-1 東北大学 産学連携先端材料研究開発センター
川崎事業所:神奈川県川崎市幸区新川崎7-7 新川崎・創造のもり地区 AIRBIC A38&A41
事業内容:炭素材料の開発・製造・販売
HP:https://www.3dc.co.jp/ja
<お問い合わせ>
GMSや弊社との共同研究開発にご興味のある方は、以下からお気軽にご連絡ください。
コンタクトフォーム:https://www.3dc.co.jp/ja/contact
メール:info@3dc.co.jp
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