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機能性ペプチドによる毛髪成長促進効果を発見 新たな育毛製品、スカルプケア製品への応用可能性

PR TIMES / 2021年2月26日 12時15分

株式会社アジュバンコスメジャパン(本社:兵庫県神戸市中央区下山手通五丁目5番5号 代表取締役会長兼社長:中村豊、以下「アジュバンコスメジャパン」という)と国立研究開発法人理化学研究所生命機能科学研究センター 器官誘導チーム(辻孝チームリーダー、以下「理化学研究所」という。)の共同研究チームは、化粧品で利用されている特定の機能性ペプチドが毛髪の成長促進効果を有することを発見しました。



[画像1: https://prtimes.jp/i/43371/17/resize/d43371-17-693612-0.jpg ]

 毛髪は、毛包という器官の毛母細胞が毛乳頭の指令を受けて増殖することにより生み出される上皮細胞の集合体で、その内部が線維化したものです(図1) 。毛髪は、人々の社会性や生活の質に深く関係するため、脱毛症の改善に向けて、様々な育毛成分の探索や多数の商品が製品化されており、現在でも科学的なエビデンスに基づく男性型脱毛症のみならず女性の脱毛症にも有効な新規育毛成分が世界中で期待されています。

 今回、共同研究チームは新たな育毛成分の発見を目指し、成分の探索を行いました。その結果、化粧品成分として用いられる特定の機能性ペプチド(アミノ酸が重合したもの、以下「機能性ペプチドA」という。)がミノキシジルと同等に毛髪を成長させることを発見すると共に、この機能性ペプチドAが、毛髪の成長を制御する毛乳頭細胞における育毛に関連する生理活性物質の遺伝子の発現を誘導することを明らかにしました(図2)。

 本研究成果は、機能性ペプチドAが育毛効果を有することから皮膚科学の研究に貢献すると共に、この機能性ペプチドAを育毛のための機能特化成分として応用することにより、これまでにない育毛製品やスカルプケア製品、化粧品などへの応用が期待されます。アジュバンコスメジャパンでは、この度の研究成果を活かし、人々の健康長寿やヘルスケア製品への応用を進めていきます。
 本研究成果から、アジュバンコスメジャパンと理化学研究所は共同でこの機能性ペプチドAの育毛効果において特許出願をすると共に、次の通り第25回日本臨床毛髪学会学術集会(2020年11月30日開催)にて発表いたしました。


[外部発表]
演題名:ペプチドによる毛幹成長促進効果に関する研究
発表者名:中村荘太1)
共同演者名:高橋秀樹1), 向井佑紀美1), 永谷貴弘1), 増田健二1), 辻孝2)
1) アジュバンコスメジャパン
2) 理化学研究所 生命機能科学研究センター

[画像2: https://prtimes.jp/i/43371/17/resize/d43371-17-565733-1.png ]



1.本研究の目的と概要
 本研究では、育毛に有効な素材の探索と作用機序の解析を目的として、理化学研究所が保有する評価系を導入し、共同研究チームにて多様な物質のスクリーニングを実施しました。さらに育毛作用の解析及び作用機序の解析を行いました。毛包は再発生を繰り返す唯一の生物体器官であり、生涯にわたり毛種に特徴的な毛周期リズムを繰り返す性質を持ちます。また、毛幹伸長は日数を経るにしたがって伸長速度が変わり、毛周期における成長期と退行期に二分されます。

 今回の研究では、スクリーニングにより発見した成分のみならず、既に育毛効果が確認されている「ミノキシジル」を解析対象に加え、次の二段階に分け評価しました。最初に、51種類の素材について、毛周期長が約20日の生体モデルを用いて毛幹伸長速度と最大毛幹長を測定することにより、スクリーニングを行いました。次に、育毛効果の作用機序を明らかにするため、ヒト由来毛乳頭細胞に各成分を添加し、その遺伝子発現を解析しました。


2.育毛効果物質のスクリーニングとその結果
 51種類の素材について、毛周期長約20日の生体モデルを用いて毛幹伸長速度と最大毛幹長を測定した結果、コントロールでは毛幹の成長促進は認められなかった一方で、ミノキシジル及び機能性ペプチドAにおいては毛幹伸長速度と毛幹長の有意な上昇が認められました(図3、4)。

[画像3: https://prtimes.jp/i/43371/17/resize/d43371-17-625112-2.png ]



3.有効成分の毛乳頭細胞における育毛関連遺伝子発現の誘導効果の解析
 育毛効果の作用機序を明らかにするために、ヒト由来毛乳頭細胞に各成分を添加し、その遺伝子発現を解析した結果、毛包周囲の毛細血管の増殖や新生を促進する働きを持つ成長因子「VEGF」と、毛母細胞の増殖・分裂を促進する働きを持つ成長因子「FGF-7」ともに発現量が増加し、ミノキシジルと同等またはそれ以上の濃度依存性が認められました(図5)。
[画像4: https://prtimes.jp/i/43371/17/resize/d43371-17-785199-3.png ]



4.本研究の結論と今後の展望
 本研究成果では、機能性ペプチドAがミノキシジルと同等に毛髪を成長させることを発見し、毛髪の成長を制御する毛乳頭細胞における育毛に関連する生理活性物質の遺伝子の発現を誘導することを明らかにしました。
 一般的に、男性型脱毛症の原因は毛髪の軟毛化による成長期の短縮、女性型脱毛症の原因は休止期の延長によるものと考えられています。また、最近の報告ではVEGFが成長期毛包を増加させることや、FGF-7が休止期毛包を減少させることが挙げられています。それ故に、機能性ペプチドAがVEGFとFGF-7のいずれの遺伝子発現も促進し得ることは、今後の皮膚科学の研究に貢献すると共に、新たな育毛製品やスカルプケア製品、化粧品への展開が期待されます。

 アジュバンコスメジャパンでは、この度の研究成果を活かし、人々の健康長寿やヘルスケア製品への応用を進めてまいります。

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