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次世代カーボン素材の東北大発3DC、リチウムイオン電池向けの「シリコン系負極材料」を高品質で製造すべく、岐阜大・西田 哲准教授と共同研究を開始

PR TIMES / 2024年10月23日 14時40分

~電池業界の長年の夢であった「高容量」と「長寿命」の両立に挑む~



電池の進化を加速させる革新的カーボン新素材「Graphene MesoSponge(R)(GMS)」の開発・製造販売を行う株式会社3DC(本社:宮城県仙台市、代表取締役CEO:黒田 拓馬 代表取締役CSO:西原 洋知、以下「3DC」)は、2024年4月、リチウムイオン電池の長年の夢であった「高容量と長寿命の両立」を実現し得る「シリコン系負極材料」の開発に向けて、国立大学法人東海国立大学機構 岐阜大学 工学部機械工学科 西田哲 准教授と共同研究契約を締結しました。

今回の共同研究では、GMS技術を結集した高品質なシリコン系負極材料を開発することで、リチウムイオン電池の高容量化・長寿命化を実現し、電池の進化とカーボンニュートラルの実現に貢献します。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/98727/17/98727-17-aa0901db308912ddebbd5c56eac7dc18-1920x1005.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


■共同研究を開始した背景
<カーボンニュートラルの実現に重要な「リチウムイオン電池」>
持続可能な社会の実現に向けて、カーボンニュートラルの領域に多くの注目が集まっています。カーボンニュートラルを実現するための手段のひとつに「社会の電動化」があり、電動化の鍵として期待されているのが「リチウムイオン電池」です。リチウムイオン電池は、他の二次電池よりも小型かつ長寿命にできることから、EVの普及や再生可能エネルギーの導入拡大において重要な役割を果たすと考えられています。

リチウムイオン電池の性能の中でも特に重要なのが、1回の充電で貯められる電気の量(容量)です。リチウムイオン電池は1991年に商用化されて以来、その容量を決定づける活物質(正極や負極に使用する材料)を中心に進化してきました。

カーボンニュートラルの実現には、現状よりもさらに高容量の電池が必要です。
<リチウムイオン電池の容量を向上させる「シリコン系負極材料」>
現在、リチウムイオン電池のさらなる高容量化を目指して、シリコン(ケイ素)を含む負極材料「シリコン系負極材料」の研究が世界中で進んでいます。シリコンは、充放電の過程で、従来の負極材料であるグラファイトより10倍も多くのリチウムイオンを取り込むことが可能です。そのため、シリコン系負極材料の使用により、リチウムイオン電池の容量を大幅に増加させられると期待されています。

シリコン系負極材料の中でも近年注目されているのが、炭素材料とシリコンを複合化した「Si/C」負極材料です。Si/C負極材料は、SiOなど他のシリコン系負極材料よりも電池容量の増加や容量維持率の改善が見込めるとして研究開発が進んでいます。

Si/C負極材料にはさまざまな製法があります。その中でも、気相での化学反応によって炭素材料の内部にシリコンを堆積させる方法(気相蒸着法)は、高性能なSi/C負極材料を実現できることが知られています。
■共同研究の内容
気相蒸着法でSi/C負極材料を製造する際に用いる炭素材料として有望なのが、3DCが開発する次世代炭素材料「Graphene MesoSponge(R)(GMS)」です。

GMSは他の炭素材料と比較して、重量当たりに多くの細孔を有しています。そのため、GMS内の細孔にシリコンを気相蒸着させることで、Si/C負極材料に使用されている他の炭素材料よりもシリコンを高充填化できると期待されています。

さらに、GMSはSi/C負極材料の劣化抑制にも寄与します。シリコンはグラファイトより多くのリチウムイオンを取り込めますが、その分だけ充放電に伴う体積変化が大きく、崩壊しやすい点が課題でした。そこで柔軟性の高いGMSを使用すれば、シリコンの体積変化を吸収し、崩壊を抑制できると期待されているのです。

つまり、GMSを使用したSi/C負極材料を開発すれば、リチウムイオン電池の「高容量化」と「長寿命化」を同時に実現できます。これは、従来のリチウムイオン電池の課題であった「容量を向上させようとすると寿命や入出力特性といった別の特性が低下する」問題の解決にもつながります。

3DCは今回、GMSを使用したSi/C負極材料の開発によりリチウムイオン電池の高容量化・長寿命化に貢献するため、優れたシリコン気相蒸着技術を有する岐阜大学・西田 哲准教授と共同研究を開始しました。
■共同研究先:岐阜大学 西田 哲 准教授について
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/98727/17/98727-17-5f828a21c3c5acedbaf6138021b4b7c7-291x384.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
西田 准教授

岐阜大学 工学部機械工学科 機械コース 准教授

2005年3月に、名古屋大学理学研究科 素粒子宇宙物理学専攻 博士課程を修了。博士(理学)。2005年4月から2007年7月まで、首都大学東京で日本学術振興会特別研究員(PD)として勤務。2007年8月、岐阜大学大学院 工学研究科 環境エネルギーシステム専攻(工学部機械システム工学科兼任)の助教に就任。2016年4月より現職。

CVDプロセスを用いた薄膜形成・材料作成や、原子間顕微鏡を用いた微小領域の電気特性評価などに取り組む。2013年には、化学工学会反応工学部会CVD反応分科会において、「シラン/水素PE-CVD中のシリコン局所製膜の解析」の題目で若手奨励賞を受ける。

研究室HP:https://www1.gifu-u.ac.jp/~komilab/index.html
■共同研究によって3DCが目指すこと
優れたシリコン気相蒸着技術を有する岐阜大学・西田 哲准教授との共同研究により、高品質なSi/C負極材料の基礎検討を行います。これにより、リチウムイオン電池の高容量化・長寿命化を実現し、カーボンニュートラルの実現に貢献します。
■本技術の事業化パートナーとなる企業様を募集中
今回の共同研究により開発する技術は、シリコンの気相蒸着技術を有するメーカー様との産業化を目指しております。事業化パートナーとなる企業様を募集をしておりますので、ぜひお気軽にご連絡ください。
■3DCについて
3DCは「クリーンエネルギーを100年先の世界に届ける」のミッションのもと、蓄電池向け機能性導電助剤としての活用が期待される次世代炭素材料「Graphene MesoSponge(R)(GMS)」の量産化を目指して2022年に設立された、東北大学発のベンチャー企業です。GMSはすでにアカデミアで高く評価されており、既存のリチウムイオン電池に留まらず、全固体電池をはじめとする次世代電池の機能向上にも貢献すると期待されています。3DCは、2024年2月にGMSを出荷開始して以降、多くの事業会社と実証化に向けた性能試験を進めております。

また、2024年3月~5月にはプレシリーズAラウンド 2nd closeとして複数のベンチャーキャピタルや事業会社から総額5.8億円の資金調達を実施し、2024年8~9月には内閣府等の主催する大型助成金に複数採択されました(SIP&BRIDGEGX)。現時点での累計調達額(助成金含む)は、29.7億円となっております。

GMSにより大幅に機能および寿命が向上した電池を普及させることで、環境と人にやさしい真のカーボンニュートラル社会を実現すべく、事業開発に邁進しております。
■GMSとは
GMSは、炭素1原子分の厚みでスポンジのような三次元構造を備えた「三次元型のグラフェン」素材です。柔軟性や多孔性、導電性、耐食性といった複数の優れた性質を併せ持つ革新的な材料であることから、GMSは、電池における「容量を向上させようとすると別の特性が低下する」トレードオフ問題を解消し得る炭素材料として、全世界から注目されています。
■採用情報
3DCは、カーボンニュートラルの実現に向けて採用を強化しております。
<募集職種>
- 電池応用研究
- 材料分析
- 技術営業
- 事業開発

<勤務地>
仙台または川崎

少しでもご興味のある方は、以下からお気軽にお問い合わせください。
3DC HP - 採用フォーム

============
<3DC会社概要>
企業名:株式会社3DC
代表者:黒田 拓馬・西原洋知
設立:2022年2月
本社所在地:宮城県仙台市青葉区片平2-1-1 東北大学 産学連携先端材料研究開発センター
川崎事業所:神奈川県川崎市幸区新川崎7-7 新川崎・創造のもり地区 AIRBIC A38&A41
事業内容:炭素材料の開発・製造・販売
HP:https://www.3dc.co.jp/ja

<お問い合わせ>
GMSや弊社との共同研究開発にご興味のある方は、以下からお気軽にご連絡ください。
コンタクトフォーム:https://www.3dc.co.jp/ja/contact
メール:info@3dc.co.jp

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