ネイチャーポジティブ・ファイナンスを支援する投融資ポートフォリオの自然関連リスク機会の可視化サービスを提供開始
PR TIMES / 2024年4月5日 2時40分
株式会社シンク・ネイチャー(以下シンク・ネイチャー )は、生物多様性ビッグデータとAIに基づいて、金融機関や機関投資家の投融資ポートフォリオにおける「自然との接点、自然との依存関係、自然に対する影響」を定量し、ファイナンスにおける自然関連リスク・機会を可視化するサービスを開発しました。
本サービスの背景
地球温暖化対策に関する2050年カーボンニュートラルと並んで、2030年までに生物多様性消失に歯止めをかけ、生物多様性を回復の軌道に乗せるネイチャーポジティブ(自然再興)、および、2050年までに生物多様性を十分に回復させ「自然と共生する世界」を実現する国際目標があります。これらの目標を実現する要件の一つは、自然資本の基盤である生物多様性の保全再生への投資を促し、ファイナンスの流れを「自然を収奪する方向」から「自然を肯定する方向」にシフトチェンジすることです。
[画像: https://prtimes.jp/i/100724/17/resize/280900dd0086245b15f24702eac648fb.gif ]
本サービスの特徴
金融機関・機関投資家は、「ネイチャーポジティブ」や「自然と共生する世界」の実現のため、自社の金融資産のポートフォリオ情報を元に、自然関連リスクに付随したエクスポージャーを把握することを、まずは迫られています。すなわち、投融資のターゲットである産業セクターの”自然との接点”、”自然へのインパクトや依存”の定量、および、個々の投融資先企業の自然関連リスクの比較評価です。そして、究極的には、生物多様性に配慮したファイナンスへの変革が求められています。このようなニーズに、シンク・ネイチャー開発の本サービスは応えます。
具体的には、自然資本ビッグデータと関連テクノロジーを基に、金融・機関投資家の投融資事業におけるネイチャーポジティブ・ファイナンスへの移行を支援します。金融機関や機関投資家の投融資ポートフォリオ情報(GICSや事業ロケーションデータ)と、シンク・ネイチャーが有する自然資本ビッグデータ(グローバルな生物多様性・生態系サービスやコモディティの空間データ、貿易統計データなど)を重ね合わせることで、セクターレベルや個社レベルの「自然への依存や影響」を定量し、ダブルマテリアリティ観点で、自然関連リスクの状況を把握します。
これらより、金融機関や機関投資家の投融資事業と自然資本の相互関係が可視化され、融資先セクターの事業改善を仮定したインパクト低減をシナリオ分析でき、将来的な投融資事業(エクスポージャー)の改善可能性、すなわち、リスク回避の先にある事業機会を検討できます。
本サービスの新規性と今後の展開
従来は、投融資ポートフォリオにおけるリスクや機会の把握は、個々の企業の有価証券報告書や統合報告書から抽出したデータを分析するアプローチが一般的でした。一方、企業活動に関する自然関連の評価は、企業が自力で収集分析できない外部データ、つまり、投融資事業のバックグランドにある「地球の自然環境情報」が基盤になります。したがって、従来的なアプローチでは、企業の自然関連リスク・機会に関する情報開示は、本質的に不完全にならざるをえません。
そこで、本サービスは、投融資事業の背景にあるグローバルな生物多様性・生態系サービスやコモディティの空間データ、貿易統計データの統合的な分析に基づいて、現状の投融資活動に伴うネイチャーネガティブの度合いを、ロケーションの観点で「見える化」します。
これにより、「どの国の、どの企業の活動が、どのコモディティを介して、どの自然資本・生態系サービスに依存・影響するのか」が理解でき、自然関連リスク・機会の認識の解像度が向上し、ポートフォリオにおける自然関連エクスポージャーを緩和するための実効性のあるアクションプランを考案できます。
このような新規的サービスを基に、シンク・ネイチャーは「2050年自然と共生する世界」の実現に向けて、投融資事業のネイチャーポジティブシフトを推進します。
会社概要
シンク・ネイチャーは、生物多様性科学において卓越した研究業績を有する研究者で構成されている琉球大学発スタートアップです(https://think-nature.jp)。世界の陸・海を網羅した野生生物や生態系の時空間分布を、自然史の研究論文や標本情報、リモートセンシング(人工衛星・ドローンによる観測)、環境DNA調査、野生生物の行動記録(バイオロギング)、植物・動物愛好者の研究などで収集された生物関連データ(地理分布、遺伝子、機能特性、生態特性など)を元にビッグデータ化し、AI等の最先端技術を用いたネイチャーの可視化や予測やシナリオ分析技術を有しています(*1)。このような生物多様性可視化技術を元に、保全再生アクションのインパクトを数値評価し、30by30やOECMの実効性強化を提唱してきました(*2)。TNFDのデータカタリストイニシアティブにも参画し、TN LEAD(*3)で、金融機関・機関投資家・企業の生物多様性対応を支援しています。また、生物多様性研究に尽力していナチュラリストを表彰する「日本生態学会自然史研究振興賞」を提唱し、事業収益の一部を賞金として提供して基礎科学の裾野を支える活動を行い(*4)、さらには一般向けに、生き物の豊かさを、地図で見える化したスマートフォンアプリ「ジュゴンズアイβ版」(無料)をリリースし(*5)、生物多様性の主流化(教育普及)を推進しています。
*1:日本の生物多様性地図化プロジェクト:J-BMP https://biodiversity-map.thinknature-japan.com
*2:30by30の実効性評価:地球の陸と海の30%以上を保護地域にする意義
https://note.com/thinknature/n/n2f8ff1ee6169 官民の自然環境エリア(自然公園やOECM等)の拡大を、生物絶滅リスク抑止の観点から算定し、多セクターのネイチャーポジテイブ事業の実効性を統合的に見える化し、集団的(コレクティブ)アクションを推進する科学的アプローチを、シンク・ネイチャーは提案しています。
*3:全産業セクター&グローバルな事業拠点に対応した TNFD対応支援サービス:TN LEAD https://think-nature.jp/service03
*4:日本生態学会の新賞:生物多様性に関する記載研究を推進している会員を表彰する新たな賞 https://note.com/thinknature/n/n885ba7f11009
*5:ジュゴンズアイ(DugongsAI)β版:豊かさを知る冒険が、待っている!
https://services.think-nature.jp/dugongsai/
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