高齢者施設におけるパーキンソン病の転倒予防アセスメント構築に向けた観察研究と業務プロセス改善へ向けた取組みを開始
PR TIMES / 2023年4月17日 13時15分
~超高齢社会における介護・医療サービスの進化と変化を目指して~
順天堂大学神経学講座(服部 信孝 教授、大山 彦光 准教授)、株式会社サンウェルズ(代表取締役社長:苗代 亮達、以下サンウェルズ)、グローリー株式会社(代表取締役社長:三和 元純、以下グローリー)は、サンウェルズが運営する住宅型有料老人ホーム「PDハウス」へ入居するパーキンソン病(以下、PD)患者を対象に介護ロボットを活用した転倒パターンの把握及び転倒要因解析のための観察研究を通じ、業務改善プロセスの取組みを開始しました。
順天堂大学、サンウェルズ、グローリーは今後、医療と介護の連携により本研究で得られた知見を基に蓄積した行動データから特徴的な転倒パターンを明らかにし、転倒予防アセスメント構築と施設スタッフの業務プロセス改善に取り組み、これからの新たな介護サービスの創出を目指していきます。
本研究の取組み意義と背景
パーキンソン病やパーキンソン症候群は、ふるえ、動作緩慢、筋強剛、姿勢反射障害等の運動症状や自律神経障害や睡眠障害などの非運動症状がみられ、PD患者は転倒頻度が一般高齢者とくらべて高いことが知られています。その背景にはPD症状である無動、筋強剛、姿勢反射障害、起立性低血圧、前頭葉機能障害があり、その中でも特に姿勢反射障害やすくみ足は治療に反応しにくく、転倒予防を図っていくことが求められています。しかし、転倒予防の方法に確立されたものはなく、要因分析と方法の確立が重要です。特に介護施設では、スタッフの目が届かない、利用者の居室での転倒頻度が高く、その対応が急がれています。
本研究の目的
本研究では、居室内にグローリーが開発した転倒検知システム mirAI-EYE(以下、ミライアイ)を設置し、サンウェルズが運営するPDハウスに入所中の頻繁に転倒を繰り返すPD患者を対象にモニタリングを実施しています。
居室内での転倒が発生すると、ミライアイが検知、転倒に至るまでの行動データを蓄積、PD患者の特異的な行動や転倒に至る動作分析を行い、転倒事故における発生要因やPD患者独自の転倒パターンを把握、施設で運用可能な転倒予防アセスメントの構築を目指します。また、アセスメントの実践と改善を積み重ねていくことで、施設の業務プロセス改善に繋げる計画です。
本研究の概要
[画像1: https://prtimes.jp/i/100797/17/resize/d100797-17-7a8a8e86212cedb6a120-4.jpg ]
本研究での検証方法とアセスメント構築の進め方
・転倒データを三次元動作解析より数値化し動作を解析、疾患との関係性など、保有する知見やエビデンスに基づいた要因に分類、転倒予防アセスメントの構築・実践へ
[画像2: https://prtimes.jp/i/100797/17/resize/d100797-17-8e4970b0be08af1c8897-5.png ]
・保有する知見やテクノロジーを融合し、PD患者の課題解決とサービス品質の向上を目指す
[画像3: https://prtimes.jp/i/100797/17/resize/d100797-17-7469a08eeb9baa54c3fe-2.jpg ]
本研究において活用したシステム構成
「ミライアイ」 が取得したデータをエコナビスタ社の「ライフリズムナビ(R)+Dr.」のアプリを介して施設スタッフへ通知、施設スタッフが訪室、PD患者へ寄り添い介助サポートを実施
[画像4: https://prtimes.jp/i/100797/17/resize/d100797-17-2fa96c1b7c132d847738-3.jpg ]
※ライフリズムナビはエコナビスタ株式会社の登録商標です。
将来的な取組みと目指す世界
(1)PD患者の転倒に至るアセスメントの構築による施設サービス品質の向上
(2)施設スタッフの業務プロセス改善による介護DXの推進やPD患者の運動機能の改善による転倒予知・予防の取組などの新たな介護サービスの進化
(3)施設や在宅問わず、遠隔診療における患者の症状の進行度合いや状態を把握し、診断支援が可能となる仕組みの構築
今後、3者は、PD患者の転倒に至るメカニズムの解明を通し、介護サービスの向上に取り組むとともに、超高齢社会における介護・医療サービスの進化と創出を目指していきます。
なお、本活動の取組みについては、2023年4月18日~20日にオンラインで開催される第14回 介護経営サミットにて、「PD専門ホーム」における介護DX~サンウェルズ×順天堂大学×グローリーによる産学連携事例~として講演を行う予定です。
第14回 介護経営サミット: https://notice.koureisha-jutaku.com/sp/85
世界を代表する医療機関とパーキンソン病特化施設による未来の医療・介護サービスをつくる研究実績
2019年10月より順天堂大学とサンウェルズは「ICT制御に基づく在宅医療開発講座(講座代表者:医学部神経学講座 教授 服部信孝)」を設立しました。本講座は、都内の順天堂大学の専門医による協力のもと、複数のセンサーでモニターし、遠方のPDハウスに入所する患者さんの生活上の課題を洗いだし、QOLを改善していくことを目的にしています。これまで本講座では1.「高齢者施設におけるウォッチ型ウェアラブルデバイスによる、PDおよびパーキンソン症候群の症状の日内変動の観察研究及び開発」2.「拡張現実(AR)技術などを用いた3次元(3D)映像によるPD患者の双方向型オンライン遠隔診療の検証」を実施しており、今回の取り組みで3つ目になります。
サンウェルズが運営する住宅型有料老人ホーム「PDハウス」
(1)専門医監修のPDに特化したリハビリプログラムの提供、(2) 神経内科専門の医師による訪問診療、(3) 看取りまで対応した24時間の訪問看護体制を備えたPDの専門介護施設です。
「我がままに生きる」の施設コンセプトの下「PDだからできない」ではなく「PDでもできる」を実現する為に、利用者様一人ひとりに合わせた生活ケア、リハビリテーション、看護を提供いたします。そして脳神経内科の専門医師監修による、一人ひとりの状態に合わせた専門的な医療・看護・リハビリを提供し、運動機能の維持・改善を目指します。
2023年4月17日現在、都市部を中心に全国で24施設を運営しており、同年には新たに7施設の新規開設計画を予定しています。
SaaS型高齢者施設見守りシステムNo.1※の介護施設導入(稼働)実績 であるライフリズムナビ+Dr.
睡眠解析技術をベースにした活用したSaaS型高齢者施設見守りシステム。室内の状況をリアルタイムに把握し、アラート通知を行うほか、収集データより健康レポートも作成。
※2022年4月27日発行 高齢者住宅新聞 見守りシステム アンケート調査より
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