脱炭素化支援機構がアトランティックサーモンの陸上養殖事業を推進する8F Aquaculture Fund JapanILPに対して出資を決定
PR TIMES / 2024年11月9日 13時40分
株式会社脱炭素化支援機構(代表取締役社長:田吉禎彦、英語名称:Japan Green Investment Corp. for Carbon Neutrality(JICN))は、アトランティックサーモンの陸上養殖事業への投融資を行う8F Aquaculture Fund JapanI LPに対するLP出資を行うことを決定しました。
今後は、同ファンドを運営する8F Asset Management Pte. Ltd.とともに同ファンドの活動を推進し、モニタリングを通じて、GHG削減に向けた取組等を確認していく予定です。
1.事業の概要
ファンド名:8F Aquaculture Fund JapanI LP
運営期間:8年(最長2年間の延長が可能)
投資対象:三重県津市のアトランティックサーモンの閉鎖循環式陸上養殖施設※を保有する合同会社
三重RASアトランティックサーモンプロジェクト(以下、GK三重RAS)、RAS施設を運営するソウルオブジャパン株式会社(以下、SOJ)他、関連会社
※閉鎖循環式陸上養殖(RAS:Recirculating Aquaculture System):陸上の閉鎖空間で水を循環させることにより水産物を養殖する方法。水を循環させながら水中に排泄された餌や老廃物を取り除き、水質をクリーンに保つことで河川や海洋と接触することなく養殖を行う点が特長。
【SOJ概要】
事業者名:ソウルオブジャパン株式会社
https://soulofjapan.co.jp/
本社所在地:東京都港区
代表者名:代表取締役社長 エロル エメド
設立年月日:2018年10月10日
会社概要:アトランティックサーモンの陸上養殖・加工事業
今般、日本では最大規模(世界でも有数)となるアトランティックサーモンのRAS施設を三重県津市で建設段階であり、SOJでは年間1万トンの生産・販売を計画しています。
2.支援決定に係る政策的意義
(1)温室効果ガス削減の観点
- 日本ではアトランティックサーモンを輸入に頼っており、ライフサイクルにおけるGHG排出では、空輸部分が大半を占めています。陸上養殖によりアトランティックサーモンの国内生産が可能となることで、海外からのサーモン輸送量削減に伴い、空輸に伴うGHG排出の削減への貢献が期待できます。
- 空輸に伴うGHG排出が削減される量は、陸上養殖の際に使用されるエネルギー等に伴うGHG排出を大きく上回りますが、さらに、太陽光発電設備の導入や製造システムの効率化等により、事業の実施に伴うGHG排出についても削減に取り組んでいく方針です。
(2)経済と環境の好循環の観点
世界的な魚類資源保護のトレンドに乗って、水産資源をサステナブルかつ安定的に供給する事業であり、日本の食料自給率向上と漁業の成長産業化、立地自治体と協力した地域の振興、さらにはネイチャーポジティブ経済※移行に貢献するものと期待されます。
- アトランティックサーモンの天然種は生息数が減少しており、準絶滅危惧種に指定される一方で、その需要は世界的に増加傾向となっています。一方、生態系保護や海面養殖に適した地域が限られているという理由で、天然および海面養殖サーモンの供給は頭打ちになりつつあります。
- 地理的制限を受けない養殖方法であるRASは残餌や排泄物の浄化・循環処理が可能であり、海洋汚染や養殖魚の流出といった環境への負荷を低減できることから、水産資源の持続可能な利用と、ネイチャーポジティブ経済への移行に貢献する一つの取組みとなります。また、加工工程で発生するサーモンの切れ端をペットトリート(おやつ)として活用するアップサイクルの取組を実施予定です。
- 養殖業の成長産業化を進める水産庁が策定・公表した「養殖業成長産業化総合戦略」にも合致した事業であり、日本の食料自給率向上に繋がることが期待されます。
- 三重県庁及び津市役所との間で立地協定を締結しており、施設運営を担う地元住民の雇用創出が期待されます。また、養殖されるアトランティックサーモンが三重県のPR商品として活用されることによる地域経済の活性化にも貢献します。
※ネイチャーポジティブ経済:自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させることに資する経済
【参考】
ネイチャーポジティブ経済移行戦略 2024年3月 環境省・農林水産省・経済産業省・国土交通省
https://www.env.go.jp/content/000213092.pdf
養殖業成長産業化総合戦略 2021年7月 農林水産省
https://www.jfa.maff.go.jp/j/saibai/yousyoku/attach/pdf/seityou_senryaku-4.pdf
JICNは、引き続き、様々なステークホルダーと連携しながら、脱炭素に資する多種多様な事業に対する資金供給を行い、また、ノウハウや情報、人財を普及・輩出し、多様な主体がもつアイディアや技術をつなぐことで、豊かで持続可能な未来づくりに貢献してまいります。
【参考1】事業・投資スキーム概要
[画像: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/140317/18/140317-18-e0c11e43341ce9f51849fbc00562c527-655x274.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
※合同会社三重RASアトランティックサーモンプロジェクトがRAS施設を保有する。ソウルオブジャパン株式会社がRAS施設を運営する。
【参考2】株式会社脱炭素化支援機構 会社概要
名称:株式会社脱炭素化支援機構
Japan Green Investment Corp. for Carbon Neutrality(JICN)
代表者:代表取締役社長 田吉禎彦
設立年月日:2022年10月28日(予定活動期間:2050年度末まで)
資本金等:289億円
(民間株主から108.5億円。国の財政投融資(産業投資)から180.5億円)
所在地:東京都港区虎ノ門1丁目21-19 東急虎ノ門ビル7階
連絡先:電話:03-6257-3863
ウェブサイト:https://www.jicn.co.jp
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