1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. プレスリリース

エスカレーター事故を0にするため、3者共同でレポートを発表オーケー東伏見店でおきた死亡事故における原因分析と解決策

PR TIMES / 2024年7月30日 12時45分



[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/85383/22/85383-22-e9d0a3ca13d9ac4e9c9a48e3545500d4-1200x660.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


一般社団法人Ayumi(代表理事:山口広登、所在地:東京都渋谷区)は株式会社U Dエスカレーター(代表取締役:江本 真聰、所在地:東京都港区)と江戸川大学名誉教授 斗鬼正一の2者とオーケー東伏見店でおきた死亡事故における原因分析と解決策を発表いたします。

1.エスカレーター事故の分析・提言の目的
本年3月26日J R水戸駅(茨城県)、6月12日オーケー東伏見店(東京都)と、3ヶ月を置かず、立て続けにエスカレーター利用中の死亡事故が発生した。実は、東京都内では1日平均3名~4名(年間1400件前後)の救急搬送事故が発生している(2019年東京消防庁「救急搬送データから見る日常生活事故の実態」)。

本レポートは先月(2024年6月)にオーケー東伏見店で発生した死亡事故に焦点を当て、事故の原因分析及び解決策について提言するものである。より公平かつ広範な観点からの分析となるよう、以下3者共同での現地調査、分析に基づくものとした。

− 江戸川大学斗鬼正一名誉教授
文化人類学の観点からエスカレーター文化の研究、安全な利用の提言を行なっている。上記2つの死亡事故についてもいち早く分析を行っています。
webサイト:https://tokimasakazu.amebaownd.com/

− 株式会社U Dエスカレーター
エスカレーター事故を0にすることを理念に掲げ、利用者の身体バランスを整えることで防ぐことができる転倒事故をメインに事業展開を行う。
webサイト:https://www.udescalator.co.jp/

− 一般社団法人Ayumi
身体障害者と共に、バリアフリー情報プラットフォームの提供とバリアフリー認証の取得への支援を行う。
webサイト:https://the-ayumi.jp/

2.2件の死亡事故における共通項
今回2件の死亡事故に共通しているのは「高齢者」の「転倒」が原因であることだ。事故後の各種報道では「挟まれた」ことが大きく取り上げられているが、そもそも挟まれた要因は「転倒」であることが分かっている。日本の高齢者人口は、直近約20年間で10%程度上昇しており、今後もこういった事故は増える可能性が高い。実際に、エスカレーター救急搬送事故の種別としては転倒事故が95%が占め、その内65歳以上の高齢者が65%を占める(2019年東京消防庁「救急搬送データから見る日常生活事故の実態」)。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/85383/22/85383-22-3d11692fa5e649e86a18bb8ce0330507-1200x630.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
エスカレーター救急搬送事故の種別

これら2つのキーワードの掛け合わせに焦点を当てることで、より汎用的かつ効果的な分析が可能であると考える。

3.現地調査による事故分析

今回のオーケー東伏見店での現地調査から、以下の通り問題点を整理した。
3-1.設備上の観点から
1.エレベーターの存在が分かりにくい
店舗の一般入り口は2ヶ所あるが、大通りに面している入り口がメインで利用されているように見えた。そのメイン入り口を入るとすぐにエスカレーターを視認できる。一方で、エスカレーターがある場所から一見してエレベーターは確認できず、案内板なども見当たらなかった。そもそも、店舗利用者にとってはエスカレーターまたは隣り合わせた階段が上階、下階への実質的に唯一の導線と認識されているように感じた。


2.エスカレーター内の移動スペースが限られる
本件は、シルバーカーを手前に配置していたことが事故原因の一端であると考えられる(後述)。例えば二人用のエスカレーターであれば荷物を利用者の隣に移動させることもできる。転倒しそうになった時はスペースを利用して体勢を立て直すことができかもしれない。自身がバランスをとるためのスペースが確保できないことや本店舗においては左右が壁で囲まれている心理的な圧迫感も、本店舗の一人用エスカレーターの問題点であると気付かされた。


3.緊急停止ボタンの場所がエスカレーター毎に異なる
今回センサーが作動し自動停止したとのことだが、当該エスカレーターは一般的なエスカレーターと同様、非常停止ボタンがベルト吸込口近くの床面から数センチのところに設置されており、転倒しても手が届く距離ではあった。しかしながら、エスカレーターにおいては非常停止ボタンの位置が機種、設置者によってかなり異なり、表示も目立たず、文字も小さい場合が多い。このため利用者がとっさにボタンの位置を想起しづらいと言う問題もある。

3-2.利用者のバランス能力の観点
1.シルバーカーを持ちこむことで前屈みになる
人間は前屈みになることで直立でのバランスを取るのが通常よりも難しくなる。また、今回、事故が発生したエスカレーターは下りであることから上りに比べて前屈みでの乗降になりやすく、買い物袋や荷物を前に置いた際は下り口の視界不良がある。そして、終端部で荷物を持ち上げる際はさらに前屈みになるため、不安定な姿勢になり、転倒しやすくなる。

2.体重のかけ方により車輪がスムーズに進まない
今回のようにシルバーカーに体重をかけている状態では、乗降口のわずかな段差でタイヤが引っかかる可能性がある。ここで、シルバーカーを容易に持ち上げることができない場合、特に高齢者はバランスを崩しやすくなる。また、最近では簡易的なタイヤストッパーが付加されているシルバーカーもあるため、荷物が動かないよう安全のためのロックを外し忘れることで発生する事故もある。

3.シルバーカーを持ち込むことが当たり前となっている
店舗の性質上、店舗運営者及び利用者はシルバーカーを使用したままの乗降が当たり前となっていた可能性がある。例えば、空港や駅などはキャリーケースなどを持ち込む景色は日常の風景となっている。そもそもエスカレーターは、身体に負荷をかけずに移動ができる移動補助設備であるため、荷物を持ち込むことによる負荷の軽減をメリットの一つとして捉えるのは自然である。そのような状況で、「大きな荷物を運んでいるのだから仕方がない」という店舗運営側も利用側も暗黙のコンセンサスが出来上がっていると考えられる。

4.今回のケースに対する解決策
4-1. 設備上の観点
1.エレベーターへ自然に誘導する
高齢者(歩行器を使う高齢者は特に)や幼児、ベビーカーユーザーなどエレベーター利用やスロープ利用を呼びかける啓蒙ポスターをエスカレーター付近以外の出入り口にも設けて啓蒙強化を行うことや表示板を天井からぶら下げる必要がある。そうすることで、エレベーターの存在を認知してもらうことが可能になる。

2.緊急停止ボタンをわかりやすくする
緊急停止ボタンは、各社、各種エスカレーター毎に統一されていないことを周知した上で、緊急停止ボタンがどこにあるかの表示、アナウンスを加えるようにする。

4-2.利用者のバランス能力の観点
1.手すりに手を添え、体を支える力点を増やす
前屈みになったとしても脳がバランス力を維持するため正しい姿勢を確保するために、背筋を少しでも伸ばす意識を持つことが単純だが効果的である。また手すりに手を沿添えるだけでも、体を支える力点が分散し、転倒につながるリスクが軽減されると考えられる。

2.視線を手すりに向ける
足元に視線を落としがちな高齢者に対しては、手すり上に視線を誘導するマークなどをデザインすることで、視野が広くなることによる視覚的情報の拡大が促され、バランス力が低下しらい環境を自然に作ることができる。

3.自分で持ち上げられない荷物は載せない
荷物を持ち込むことがすなわち事故につながるのではないことは、80歳-84歳−の救急搬送事故者数は20歳−24歳の7倍であることからも理解できる(2019年東京消防庁「救急搬送データから見る日常生活事故の実態」)。つまり、荷物そのものが悪ではなく、荷物に体が持っていかれることが悪とするなら、「その荷物を持ち上げられるまたは浮かして移動することができる」ことを条件としてエスカレーター利用を許可するなどルール作りと徹底により転倒事故のリスクが軽減できる可能性は高い。

4.エスカレーターの代替手段を明確にする
上記のように、利用者に制限をかけた場合、上階、下階に物理的に移動できない可能性もある。第一優先はエレベーターであり、利用者が容易に辿り着くための施設としての表示板やその他案内を整備する必要がある。難しい場合は、利用者が店員の助けを求めやすくすること、及び運営施設側が優先的に介助できる体制を整えておくことも考えておかなければならない。

最後に
この2つの事故は特殊なものではなく、“身体バランス能力が複合的な要因で自然に低下する高齢者の一般的な転倒事故”とも捉えられる。こういったハンディキャップを抱えた方々の目線をスタンダードとして、店舗作り及び啓発、支援を行なっていくことは今後バリアフリーやユニバーサルデザインをデフォルトとした施設及び組織作りに求められる。

この観点は、2024年4月1日から施行された「改正障害者差別解消法」に基づく合理的配慮の視点に向き合うことにつながる。エスカレーター事故は「極めて稀な事故=利用者責任である」という意識を取り去り、事業者責任として地域を守る取り組みを推進していくことで、店舗の経済性も向上することにつながると考える。

法人概要
法人名:株式会社UDエスカレーター
代表取締役:江本 真聰
所在地:東京都港区虎ノ門1丁目17番1号 虎ノ門ヒルズビジネスタワー 15階
事業内容:
・エスカレーター手すり広告のバリアフリー機能並びにユニバーサルデザインに関する研究、開発、販売
・エスカレーター手すり広告の企画、立案と広告スペース販売
・エスカレーター手すり広告の制作、施工管理
法人URL:https://www.udescalator.co.jp/about-us
電話番号:03-6807-5937


法人名:一般社団法人Ayumi
代表理事:山口広登
所在地:東京都渋谷区神宮前六丁目23番4号 桑野ビル2階
事業内容:バリアフリー認証・バリアフリー情報サイト
法人URL:https://the-ayumi.jp
バリアフリー認証:https://the-ayumi.jp/service/
バリアフリー情報サイト:https://the-ayumi.jp/media/
電話番号:03-6778-2636

問い合わせ先
法人名:株式会社UDエスカレーター
広報担当:寺町
電話番号:03-6807-5937
メールアドレス:info@udescalator.co.jp


法人名:一般社団法人Ayumi
代表理事:山口広登
電話番号:03-6778-2636
メールアドレス:contact@the-ayumi.jp

企業プレスリリース詳細へ
PR TIMESトップへ

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください