肌の恒常性維持のための技術開発について
PR TIMES / 2024年12月16日 12時15分
ザ・ギンザは、肌の恒常性維持のために必要な力を肌の“感知力”と定め、“感知力”を発揮させるために肌の自己回復力および安定力を高める技術開発を進めてきました。その結果、肌の自己回復力のために東欧産の菩提樹抽出液、肌の安定力のためにセリ科植物抽出液と高分子素材であるPVAがそれぞれ有効であることを見出しました。今後、本研究知見を活用し、美しく、強く、揺らがない肌へ導くソリューションの提供を目指します。
ザ・ギンザが考える“感知力”
ザ・ギンザはブランド誕生から20年以上に渡り、皮膚生理に基づいた研究とものづくりを続けています。皮膚生理とは皮膚のあらゆる機能であり、肌が自ら健やかな状態を保ち続ける恒常性維持機能も含まれます。私たちは、 肌の恒常性のための肌の力を“感知力”と定義しました。“感知力”とは、肌自身が角層、表皮、真皮への影響に反応して健全な肌に導く力です。“感知力”によって肌の恒常性が発揮され、肌は健康で安定した状態を維持することができると考えています。
“感知力”を発揮させるためには、肌の自己回復力と肌の安定力が重要です。肌の自己回復力は、肌が様々なダメージを受けたときに、肌自身が健康で良い状態に回復しようとする力で、肌の安定力とは、肌を取り巻く環境が変化したとしても、その変化に適応し肌を安定に保つ力です。
肌の自己回復力を高める技術の開発
肌の自己回復力の研究を進めるにあたり、私たちは創傷治癒のメカニズムに着目しました。皮膚が傷ついたときに回復する過程では、まず炎症が起こり、その後肌が再構築されていきます。この過程において、表皮・真皮で起こっている現象に着目して研究を進めた結果、以下の知見を見出しました。
1. 表皮の再生におけるCDPコリンの役割と菩提樹抽出液の効果
表皮の再生のためには、新しい細胞の誕生、細胞の移動、バリア機能の再構築が必要です。今回の研究で細胞膜の構成成分の前駆体として知られていたCDPコリンに表皮細胞の移動を促進する効果およびバリア機能に重要なタイトジャンクション因子の産生を表皮細胞において促進する効果を新たに見出しました(図1)。
また、菩提樹抽出液に表皮細胞におけるCDPコリンの産生量を増加させる効果を見出しました(図2)。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/70066/23/70066-23-36144b3a80d6dad265e1378f7a45256b-2455x1339.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図1 CDPコリンのタイトジャンクション因子産生効果
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/70066/23/70066-23-a49f6d606c84fe97681a8e60f1cae7a9-1353x1406.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図2 菩提樹抽出液のCDPコリン産生効果
2. 真皮炎症ダメージと菩提樹抽出液の効果
創傷治癒過程の真皮では、マクロファージが重要な役割を果たしています。マクロファージには2つの
タイプ(M1マクロファージ・M2マクロファージ)があります。M1マクロファージは炎症過程で、M2マクロファージは皮膚が再構築される過程で中心的な役割を果たすことで、創傷治癒過程が適切に進行します。
一方で、環境などの影響でM1マクロファージの働きが過剰な状態が慢性的に続いてしまうと 、皮膚組織に炎症が伝播しダメージを受けてしまいます。そこで、M1マクロファージ刺激による炎症伝播を抑制する成分探索を行い、菩提樹抽出液に効果を見出しました(図3)。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/70066/23/70066-23-478b76cdef79b5ba4285232dd36927a9-1514x1403.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図3 菩提樹抽出液の炎症性因子産生抑制効果
環境変化に適応し、肌の安定力を高める技術の開発
温度や湿度などの環境変化は、肌に影響を及ぼします。私たちは特に湿度変化に着目して、肌内部と肌表面で湿度変化に適応することで肌の安定力を高めるための研究を進め、以下の知見を見出しました。
1. <肌内部>湿度変化に応じてうるおいを生み出す酵素PAD1
肌のうるおいを保持するNMF(天然保湿因子)は、フィラグリンというタンパク質が分解されることによって供給されています。PAD1とは、フィラグリンを分解する酵素です。この酵素は、ヒトの皮膚では夏に比べて冬に活性が高くなり、また、細胞実験でも低湿・低温の培養条件において、その遺伝子発現が上昇することが分かりました(図4)。 湿度変化のない胎内では機能しておらず、誕生して初めて機能することも知られており、肌を取り巻く湿度環境の変化に対応して、NMFを生み出す機能を発揮する酵素です。私たちは、この酵素PAD1の遺伝子発現量を高める効果をセリ科植物抽出液に見出しました(図5)。
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/70066/23/70066-23-53e310576ac3b09afaa6cc472cea2fda-3900x965.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図4 PAD1活性の季節変動と湿度・温度の遺伝子発現への影響
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/70066/23/70066-23-479e42cd8571d83cc7076d64ab0af02d-1420x1374.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図5 セリ科植物抽出液のPAD1発現促進効果
2. <肌表面>湿度変化に応じて透湿制御する基剤成分
周囲環境の湿度変化に対応するために、湿度変化に応じて水分の透過性を制御することができる基剤成分の研究を進めた結果、医療現場でも用いられる安全性の高い高分子素材のPVAという成分にいたりました。PVAは低湿度では水分透過性が低く、高湿度では水分透過性が高くなるという性質を見出し(図6)、そのメカニズムについて、PVAは高湿度では結晶性が低くなることで水分透過性が高まるということを解明しました。
[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/70066/23/70066-23-1d656de7754b3942dfe4eee00a8ff7c3-1163x383.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
図6 PVAの透湿制御作用(イメージ図)
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