地域が潤うサイクルツーリズムの研究に関する論文が地域活性学会の学会誌「地域活性研究Vol.20」に掲載されました
PR TIMES / 2024年5月28日 15時45分
旅と学びの協議会(事務局:ANAホールディングス株式会社)会員である、信州大学 客員研究員の海野麻恵氏は、本協議会の研究部サイクルツーリズムプロジェクトの実証実験第一弾を帯広市で実施し、その結果をもとに「『サイクリング×人とのつながり×学び』の相関性がもたらす地域が潤うサイクルツーリズムの研究-帯広市での実証実験を通じて-」と題する論文を執筆しました。本論文は、地域活性学会の査読審査を通過し、同学会発行の学会誌である「地域活性研究Vol.20」に掲載されました。旅と学びの協議会は、今後も研究員や地域と連携し「旅に関するデータの科学的検証」を推進していきます。
[画像1: https://prtimes.jp/i/88508/23/resize/d88508-23-10a2b22178c959968cb7-0.png ]
本研究は、旅と学びの科学的な検証に挑戦する「旅と学びの協議会」の取り組みの一環として、本協議会研究員で信州大学 客員研究員の海野麻恵氏と同協議会サイクルツーリズムプロジェクトが実証イベントを主催し、十勝バイシクルプロジェクト(所在地:北海道帯広市、代表:小川宣幸氏)、一般社団法人十勝プラス(所在地:北海道河西郡芽室町、代表:及川雅敦氏)、帯広市役所の協力のもと取り組みました。
本協議会の会員と帯広市民の合計12名を対象とした、小規模なサンプルツアーを帯広市にて企画し、ツアー参加者を対象に行ったアンケート調査を分析し、初心者から中級者向けのガイド付サイクリングツアーがもたらす「人とのつながり度合」「学びの効果」「五感の活用度」「地域での消費行動」について調査しました。今後は、本調査のさらなる大規模調査を行い、研究結果を深め、それらを基盤にした「地域活性につながる新しいサイクルツーリズムの推進」に向けて、スポーツ庁・観光庁などに調査結果を共有し、様々な協議を行う予定です。全国の自治体でサイクルツーリズムが推進される中で、『地域が潤うための新たなサイクルツーリズムの開発と実践』の発展が期待されます。
【論文名】
『サイクリング×人とのつながり×学び』の相関性がもたらす地域が潤うサイクルツーリズムの研究-帯広市での実証実験を通じて-
【本論文要旨】
2017年に国土交通省が自転車活用推進法を施行して以来、各地でサイクルツーリズム*1 が推進されている。しかし、サイクルツーリズムに関する取組の中で実施されていない事柄のワースト1位が「ガイドの養成」、2位が「ガイド付サイクリングツアーの企画・発信」であった。さらに、ガイド付きサイクリングにおける学びや消費購買行動などに関する先行研究も途上である。そのため、本研究では、「『サイクリング×人のつながり×学び』の相関性がもたらす地域が潤うサイクルツーリズム」について、北海道帯広市にて実証実験を行い、その調査結果の分析を行った。その結果、地域消費購買行動促進システムを導入したガイド付サイクリングツアーは『サイクリング×人のつながり×学び』を創出し、五感の活用を向上させ、地域での消費購買行動向上を促進させることが示唆された。
*サイクルツーリズムとは:
「自転車を活用した観光振興の方策として、自転車で特有の道路環境の走行を楽しむこと、地域独自の資源や魅力等を楽しむことを促すための取組」のこと
論文名:『サイクリング×人のつながり×学び』の相関性がもたらす地域が潤うサイクルツーリズムの研究―帯広市での実証実験を通じてー
掲載誌:地域活性研究 = Journal of the Japan Association of Regional Development and Vitalization / 地域活性学会 編 20, 147-156, 2024
著者:海野麻恵(信州大学客員研究員)
協力:十勝バイシクルプロジェクト・一般社団法人十勝プラス・帯広市・旅と学びの協議会・旅と学びの協議会研究部サイクルツーリズムプロジェクト
■著者 信州大学 客員研究員の海野麻恵氏のコメント
前職の旅行会社在籍時から全国の自治体の皆様と共に地域活性のためのサイクルツーリズム推進事業に携わり、早13年が経過しました。全国各地でサイクルツーリズムに関するハード面の整備は進んでいるものの、地域が本質的かつ継続的に潤うことを目的としたサイクルツーリズムの推進は未だ発展途上であるのが現状です。
この課題解決に向けて、この度、旅と学びの協議会の助成を受け、以前より交友関係があった北海道帯広市を舞台に「『サイクリング×人のつながり×学び』の相関性がもたらす地域が潤うサイクルツーリズムの研究」に関する実証実験を実施いたしました。地方の人口減少加速化が顕著になり、自治体予算も減少している中で、本論文に記載した「地域が潤うサイクルツーリズム」を推進させていくことが、地域消費を増大させ、さらには、交流人口、関係人口、移住定住人口増加を促進していく一助になるのではないかと考えております。
今後は、この実証実験の結果を元に、さらなる大規模調査を実施しながら、スポーツ庁・観光庁などと連携をし、地域活性のためのサイクルツーリズムの推進に邁進して行く所存です。自治体様など、サイクルツーリズムの推進に関してお悩みの点などございましたら、ぜひお気軽にご相談いただけますと幸いです。
最後に、本論文の執筆にあたり、実証実験実施時に多大なるご協力を賜りました、十勝バイシクルプロジェクト様、一般社団法人十勝プラス様、帯広市様、そして、研究助成をいただきました旅と学びの協議会と同サイクルプロジェクトメンバーに心より謝意を申し上げます。
■旅と学びの協議会について
[画像2: https://prtimes.jp/i/88508/23/resize/d88508-23-d7ae7412d6ab2adafc51-1.png ]
「旅と学びの協議会」は、ANAHDが、立命館アジア太平洋大学(APU)前学長 出口治明氏、理事 東京学芸大学大学院准教授、スタディサプリ教育AI研究所所長 小宮山利恵子氏、慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授 前野隆司氏、駒沢女子大学観光文化学類教授 鮫島卓氏をコアメンバーとした有識者とともに、教育工学・幸福学・観光学の視点から、旅の効用を科学的に検証し、次世代教育の一環として旅の活用を提言することを目的に2020年6月に設立した任意団体です。
URL:https://ana-conference.com/
■十勝バイシクルプロジェクトについて
[画像3: https://prtimes.jp/i/88508/23/resize/d88508-23-c1851abbab42f918c70d-2.png ]
北海道十勝を中心に活動している自転車愛好家チーム。2011年設立し、現在20代~70代までの男女約30名で活動中。メンバーによるライド企画や、地域のサイクルイベントの運営やサポート、グリーンシーズンからウインターシーズンまで1年を通して楽しむことができるサイクリングを発信しており、地域自治体などのサイクルツーリズムにおけるサイクリスト目線の助言やツアーの企画運営などを行っている。ツアーに関してはインバウンド需要の受入を想定したモニターツアーや、2023年に開催された「アドベンチャートラベルワールドサミットin北海道」のメディアツアーのコーディネートなどを行った。多言語ツアーに関しては地域のサイクル人材のネットワークを活かして対応の幅を広げている。
■一般社団法人 十勝プラスについて
[画像4: https://prtimes.jp/i/88508/23/resize/d88508-23-3418ddd089a6cc0d4ba0-3.png ]
当法人は、北海道十勝地方にある芽室町及びその周辺地域における資源の活用により、観光事業の育成や振興を図るとともに、教育事業やまちづくりの推進を図る事業などを通し、地域経済の持続的な発展と持続可能な社会の構築に寄与することを目的とし、その目的に資するため、1.観光事業 2.ゲストハウス運営支援事業 3.探究学習・地域教育支援事業 4.関係人口・国際交流創出および促進事業 5.その他地域活性化に資する事業 の各事業をおこなっております。
URL:http://tokachiplus.com/wp/
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