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アジア太平洋地域は「ハンド・イン・ハンド」で、二つのパンデミックと戦う

PR TIMES / 2020年9月2日 18時15分

新型コロナウイルス感染症の影響下で、飢餓と貧困を撲滅するには、農業技術、イノベーション、パートナーシップの活用が必要

飢餓は近年増加しており、アジアの経済的影響力拡大にもかかわらず、依然として同大陸は世界の半分以上の栄養不足人口をかかえています。 そして、現在新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はアジア地域の経済成長を鈍化さ、食料安全保障を一層脅かしています。つまり、アジア太平洋地域は、2つのパンデミックに直面してます。国連食糧農業機関(FAO)は包括的なCOVID-19対応・復興プログラムを新たに立ち上げました。国連のアジェンダに沿って「より良く構築する」ために(Build Back Better)、そして持続可能な開発目標(SDGs)達成に向け、パンデミックの直接的な影響を緩和すると同時に、食料システムと生計の長期的なレジリエンス強化を目指しています。FAOは、これらの課題に取り組むために、「ハンド・イン・ハンドイニシアチブ」を展開しており、オンラインのFAOアジア太平洋地域総会(9月1~4日)は、メンバー国やパートナーが行動を進め資源を活用する方法を模索するのに絶好の機会です。一緒に働き、学び、貢献することにより、二つのパンデミックを克服し、農業食料システムを変革することができるのです。

国連食糧農業機関 (FAO) 事務局長 屈冬玉

世界の飢餓は、残念なことに近年増加しており、アジアの経済的影響力拡大にもかかわらず、依然として同大陸は世界の半分以上の栄養不足人口をかかえています。 そして、現在新型コロナウイルス感染症(COVID-19)はアジア地域の経済成長を鈍化させ、食料安全保障を一層脅かしています。
特に脆弱なのは南アジアで、慢性的栄養不足に苦しむ人々の数は、2030年までに全体のほぼ3分の1にもなる3億3,000万人に達すると予測されています。また、5分の1を占める貧困層の半数以上の子供達がその将来を害するような発育阻害に苦しんでいる、世界で唯一の地域です。しかし、全ての地域に問題は存在します。太平洋島嶼国は世界で最も高い子どもの消耗症率に悩まされており、東アジアは、健康的な食事―カロリーだけではなく栄養バランスのとれた食事―に世界一高い費用がかかります。 加えて、アジア太平洋地域では、子供・成人ともに肥満と過体重が他のどの地域よりも急速に増加しています。
我々は、2つのパンデミックに直面しています。 新型コロナウイルス感染症は、それがもたらす健康被害以上に、人々の生活そのものを台無しにします。そして、もう一つのパンデミックである飢餓は、10年後の2030年までにその根絶を国際社会が誓った持続可能な開発目標2の達成に対する災いの元になっています。
これらパンデミックに取り組むためには、新しいアイデアとより強力な政治的意思が必要です。 過去の進歩は、強力な経済のゆるやかなトリクルダウン効果によって成すことができました。 しかし、現状では、このような効果は当てはまりません。

現実の変化、我々の認識も変える必要がある
食料システム全体のレジリエンスを高めるためには、新しいマーケティングの方法(eコマースなど)を特定したり、損失を削減するために効率を高め、また、利用可能な製品の品質改善をすすめ、健康的な食品の流通やそれら食料品の生産者の収入に不可欠な貯蔵施設を改善するなどの対策を講じる必要があります。農村部のサプライチェーンを強化・拡大するための資金への包括的なアクセスも重要です。
国連食糧農業機関(FAO)は包括的なCOVID-19対応・復興プログラムを新たに立ち上げました。国・地域・グローバルレベルであらゆる資源とパートナーシップを結集して、すべての人に栄養価の高い食料へのアクセスを確保することを目的とした、機敏で調整されたグローバルな対応を提供することを目指しています。 国連のアジェンダに沿って「より良く構築する」ために(Build Back Better)、そして持続可能な開発目標(SDGs)達成に向け、この新しい包括的なCOVID-19対応・復興プログラムは、パンデミックの直接的な影響を緩和すると同時に、食料システムと生計の長期的なレジリエンス強化を目指しています。
私たちは前進していますが、その中でも優先事項として、農家が継続的なイノベーションを通じてよりダイナミックで起業家的になるために、そして競争力を養うための、最も根本的且つ緊急の課題に取り組む必要があります。
小規模農家が不作の心配をせずに栄養価の高い食料を生産でき、そしてこれらの食料を地域全体に広がる飢えに苦しむ人々の口に届けられるようにする必要があります。これを行うために、小規模農家は、資金、技術、イノベーションへのアクセスをどうしても必要としています。 また、健康的な食事の重要性について人々を教育し、農家がそれらの食料を売ることができる、しっかりとした需要基盤を確立させる必要もあります。
アジア太平洋地域は、大規模であると同時にダイナミックです。複数の最高レベルの農業科学者、機関、革新的なアイデアも有しています。オーストラリア、ニュージーランド、太平洋から中国、インド、日本、韓国、シンガポール、そしてその間のほぼすべての国に至るまで、誰もが新しい技術と科学の恩恵を受けることができることが証明されています。
具体的には、洪水や害虫のリスクを監視するためのドローン配備、植物の病気を特定できるスマートフォンアプリ、作物や家畜の飼育に関する進んだ遺伝学、水などの自然資源を守る精密農業・養殖システム、屋内農業、栄養のモニタリングや賢い購入のための消費者向けのツールなどがあります。
無駄にできる時間はありません。 誰もが手を貸す必要があります:政府、学界、民間部門、国連機関、市民社会組織、国際金融機関、そして私たちの食物を生産する小規模農家などもです。 そして、当然ながらすべての人に影響を及ぼし、関与するパンデミックを克服するために、一丸となって努める必要があります。
FAOは、これらの課題に取り組むために、「ハンド・イン・ハンドイニシアチブ」を展開しており、ブータンがオンラインで主催するFAOアジア太平洋地域総会(9月1~4日)は、46のメンバー国やパートナーが行動を進め資源を活用する方法を模索するのに絶好の機会です。
一緒に働き、学び、貢献することにより、二つのパンデミックを克服し、農業食料システムを変革することができるのです。

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