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RWD研究に革新をもたらすTarget Trial Emulation(TTE)フレームワーク

PR TIMES / 2024年12月19日 16時15分

~PHUSE Single Day Eventにて社員が発表~



[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/41916/24/41916-24-2c8bf2657689e7e4cd8adb1f16a7f9b4-1080x1080.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]


株式会社データック(東京都千代田区、代表取締役/医師:二宮英樹、以下:データック)は、2024年12月6日(金)に開催されたPHUSE Single Day Eventにおいて、「Target Trial Emulation(TTE)」フレームワークの概要とその活用方法について発表しました。TTEは、ランダム化比較試験(RCT)の限界を補い、RWD(リアルワールドデータ)研究の信頼性を向上させる革新的な手段として、製薬業界で注目を集めています。

PHUSE Single Day Eventは、PHUSE(Pharmaceutical Users Software Exchange)主催のイベントで、製薬業界におけるデータサイエンス、統計解析、臨床試験、ソフトウェア技術に関する最新の知見やベストプラクティスを共有する場として、業界関係者に広く支持されています。この度、データックからはRWD研究戦略部グループマネージャーの若林諒三が登壇し、TTEフレームワークの概要と実務への応用について、具体的な事例を交えて紹介しました。また、代表の二宮英樹もイベントに出席し、今回のセッションで取り扱われたTTEおよび患者合成データについて、医薬品業界におけるRWD/RWEの位置づけと期待を整理する形で発表しました。本取り組みを戦略面から後押ししています。

データックは実臨床から得られる診療データ「リアルワールドデータ(RWD)」を最大限に活かし、「医学の知の創出を加速する」をミッションとする組織です。

背景と課題
従来、治験などをはじめとするランダム化比較試験(RCT)は医薬品の有効性や安全性を検証するためのゴールドスタンダードとされてきました。しかし、RCTにはコストや倫理的な制約、スピードなどの問題があり、実施には大きなハードルがあります。また、必要な全てのエビデンスをRCTだけで得ることも現実的とは言えません。

これに対して、実臨床の現場で集められたデータを活用するRWD研究は倫理的に許容されやすく、一般的にはRCTよりもコストが低くなります。実際にRWDは医薬品開発プロセスの様々なフェーズで活用され始めており、今後もその領域の拡大が見込まれています。しかしながら、データの2次利用であるがゆえに、交絡バイアスや研究デザインの誤りによる影響を受けやすいといった課題があります。

Target Trial Emulationの導入
データックでは、一部の研究における実務で「Target Trial Emulation(ターゲット・トライアル・エミュレーション、以下TTE)」フレームワークを導入しました。TTEは理想的なRCTを定義し、それを模倣する形でRWD研究をデザインするというアプローチです。これにより、RWD研究における因果推論の信頼性を向上させ、従来のRCTによる研究デザインの限界を補うことが可能になります。
スウェーデン・カロリンスカ研究所のAnthony A. Matthews氏らによる研究(BMJ誌2022年8月30日号)においても、RWD研究をはじめとする観察研究にRCTの研究デザインを適用するTTEのフレームワークが提案され、その成功により、観察研究でもRCTと同等の効果推定値を得られることが示されました(*1)。

*1 Matthews AA, Danaei G, Islam N, Kurth T. Target trial emulation: applying principles of randomised trials to observational studies. BMJ. 2022;378:e071108. doi:10.1136/bmj-2022-071108

Target Trial Emulationフレームワークのプロセス
TTEフレームワークは、以下のプロセスで研究を設計します。
- 適格基準の明確化:研究対象者を特定し、ベースライン時の値に基づいて適切に選定する。
- 治療法と治療の順守:対象者には明確な治療方法を割り当て、治療中止の基準も定義する。
- 割り付けと交絡の調整:観察データを用いて、日常臨床における治療を反映しつつ、交絡要因を調整する。
- アウトカムの定義と解析:明確なアウトカム指標を定義し、適切な統計的手法を用いて解析する。
- フォローアップと因果推論:フォローアップを厳密に管理し、因果推論を支えるデータを抽出する。

これにより、RWD解析に特有の課題である「『Time Zero』の設定」に関連した問題やバイアスが従来より軽減され、より信頼性の高い因果関係を示しやすくなります。

[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/41916/24/41916-24-f350536dbb83dd63d931f6ba738aa387-1000x750.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
データックRWD研究戦略部 若林による発表の様子
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/41916/24/41916-24-e7c81c5268533b89f8354b0159f76ba3-1000x750.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
PHUSE Single Day Event JAPAN 2024の様子


社会的責任
Target Trial Emulationという手法自体は徐々に認知されており、医薬品開発プロセスのスタンダードとなりつつあります。その中で、TTEの概念や実践的アプローチに関する発表をPHUSEのようなカンファレンスの場で行ったことは、医学の発展に貢献するデータックの重要な一歩であると考えています。今後もRWD研究の信頼性を高めるため、TTEフレームワークを活用した研究支援を強化し、業界の最前線をリードしてまいります。

また、「医学の知の創出を加速する」のミッションに基づき、蓄積したノウハウを内部に留めるだけでなく、外部の勉強会やカンファレンスでも積極的に共有してまいります。オープンな知識共有を通じて製薬業界全体の持続的な発展に貢献することも、データックの社会的責任であると考えております。

株式会社データックについて
代表・二宮が脳神経外科医として病院に勤務していたとき常に感じていたのが、医療の質にばらつきがあるということです。受診する医療機関や医師によって治療が異なるケースも多く、このアンフェアな現状に強い課題感を持ちました。

それを解決するため、実臨床から得られる診療データ「リアルワールドデータ(RWD)」に着目。その正しい扱い方、研究デザインの手法を広めることで医学に貢献することを目指し、データックを創業しました。


[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/41916/24/41916-24-719c8cce58c6459b52ab0afa8de284fa-1200x1200.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
データックCEO・二宮英樹

会社概要
・会社名:株式会社データック
・所在地:東京都千代田区飯田橋1丁目8-9-707
・代表取締役:二宮英樹
・設立:2018年8月13日
・事業内容:リアルワールドデータ解析、その他関連事業
・URL: https://datack.jp/

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