神戸ファッション美術館は、11月23日(土)から阪神・淡路大震災30年 能登半島地震復興支援特別企画「ガラスの祈り-能登島ガラス美術館名品」展を開催します。
PR TIMES / 2024年11月21日 15時12分
震災に耐えた貴重なガラス作品と衣装コレクションが共演
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西 悦子 《ジャーマンアイリス》 2016年 石川県能登島ガラス美術館蔵 撮影:岡村 喜知郎
石川県能登島ガラス美術館はガラスを専門とする文化施設のパイオニア的存在で、国内外の現代ガラス作家の造形作品を中心に約500点を収蔵しています。1991年、石川県七尾市・七尾湾に浮かぶ自然豊かな能登島に開館すると、企画展やワークショップなどを通して国内外のガラス芸術の情報を発信する中枢的役割を果たしてきました。しかし、2024年1月1日に発生した能登半島地震によって展示品が破損するなどの大きな被害を受け、現在も休館を余儀なくされています。
本展は同じく震災を経験した神戸市の施設として文化的な側面から少しでもお役に立てれば、との思いから開催する運びとなりました。同美術館コレクションを代表する中国清朝時代のガラス工芸作品と国内外で活躍する現代作家によるガラスアート作品の中から、震災に耐えた貴重なガラス作品36点に加え、被災し修復が叶わなくなったガラス作品1点もご紹介します。また、貴重なガラス作品と当館の衣装コレクションが初めて“共演”いたします。
2025年1月17日、阪神・淡路大震災から節目の30年を迎える神戸で、お互いの地の作品を鑑賞することで、震災にあった地域同士が手を携えて進み、被災した地域の復興を祈念する機会となることを願います。
■開催概要
1)タイトル/阪神・淡路大震災30年 能登半島地震復興支援特別企画
「ガラスの祈り-能登島ガラス美術館名品」展
2)会 場/神戸ファッション美術館(神戸市東灘区向洋町中2の9の1)
電話 078-858-0050 ファックス 078-858-0058
3)開催期間/2024年11月23日(土)~2025年1月26日(日)
4)休 館 日 /月曜日、年末年始(12月29日~1月3日)、1月14日(火) ※1月13日(月・祝)は開館
5)開館時間/10時~18時(入館は17時30分まで)
6)観 覧 料 /特別展「ファッション写真が語るモード-写真とドレスの関係性-」に含む
※一般1,000(800)円、大学生・65歳以上500(400)円、高校生以下無料
7)主 催/神戸市(神戸ファッション美術館)、神戸新聞社、毎日新聞社
8)共 催/石川県能登島ガラス美術館(公益財団法人七尾美術財団)
9)後 援/七尾市教育委員会、サンテレビジョン、ラジオ関西
10)展示協力/大阪樟蔭女子大学
11)特別協賛/株式会社神戸新聞会館、ヤマダストアー株式会社、株式会社アサヒファシリティズ、
神戸国際大学、神戸松蔭女子学院大学、 株式会社くすのき、株式会社NACS、
神戸国際ステージサービス株式会社、交友印刷株式会社、みなと観光バス株式会社
(順不同)
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西 悦子《ジャーマンアイリス》2016年 石川県能登島ガラス美術館蔵 撮影:岡村 喜知郎
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藤田 喬平《ヴェニス花瓶》1996年頃 石川県能登島ガラス美術館蔵 撮影:岡村 喜知郎
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藤原 信幸《「小文間の植物」シリーズ 2013-02》2013年 石川県能登島ガラス美術館蔵 撮影:岡村 喜知郎
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青地黄被花鳥文瓶 18世紀・清時代 中国 石川県能登島ガラス美術館蔵 撮影:岡村 喜知郎
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黄色朝珠 19世紀・清時代 中国 石川県能登島ガラス美術館蔵 撮影:岡村 喜知郎
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黄色饕餮文平壺 18世紀・清時代 中国 石川県能登島ガラス美術館蔵 撮影:岡村 喜知郎
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マリアノ・フォルチュニー 「デルフォス」ドレス 1930年代 神戸ファッション美術館蔵
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黒色牡丹紗繍吉服褂 20世紀・清時代 中国 神戸ファッション美術館蔵
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紗繍吉服袍(龍袍) 20世紀・清時代 中国 神戸ファッション美術館蔵
■展示構成
第1章…中国清朝の工芸―ガラスとファッション
中国の清朝(1644−1912年)で歴代の皇帝たちは、圧倒的な権力で地方から職人を呼び寄せ、また外国人技術者を登用し宮廷内におけるガラスや染織などの工芸は花開きました。特に第6代の乾隆帝(在位1735−96年)の時代には中国特有の思想や美意識を反映させる目覚ましい発展を遂げました。一方で、17世紀以降に西洋で誕生したシノワズリ(中国趣味の美術様式)は、中国の工芸が西洋の美術やファッションに影響を与えたことを示唆しています。その意味で、二つの美術館が同時代同地域の逸品をコレクションしていることは偶然ではないでしょう。
本章では、石川県能登島ガラス美術館所蔵の清朝のガラス工芸から16点と、当館が所蔵する同時代の衣装及び染織計8点を展覧します。いずれも開館前後に収蔵され、コレクションの中核をなしてきた逸品です。
第2章…国内外で活躍する現代作家によるガラスアート
石川県能登島ガラス美術館のもう一つのコレクションの柱が「現代ガラス」です。同館は活動方針として「ガラス工芸の情報発信基地として国内外のガラス芸術活動の中枢的役割を果たす」ことを掲げており、国内で開催されたガラス公募展に出品された優れた作品を収集するほか、近年は寄贈によってコレクションを充実させてきました。所蔵の現代ガラス作品244点の中から、日本のガラス造形を牽引してきた岩田糸子や青野武市、藤田喬平らの巨匠作家、新進気鋭の若手作家から北陸地方にゆかりのある上前功夫や佐々木雅浩、塚田美登里、若色正太、2023年に新たに収蔵された扇田克也をご紹介します。あわせて、当館の衣装コレクションの中から、現代のガラス作家がテーマとした「ヴェネツィア」や「中東」を連想させる作品もお楽しみください。
第3章…植物をモチーフに生み出されるガラス造形
「私たちは身近な草木から季節の移ろいを知り、新緑のみずみずしさ、咲き誇る花の美しさを愛で、花の散りゆく様に人生のあり様を重ねます。私たちの感情に寄り添いながら暮らしのさまざまな場面を彩る植物は、ガラス造形の世界でも、その魅力的な姿や生命力が作家の創造力を掻き立て、実に多彩な作品が生み出されています」
(2018年、石川県能登島ガラス美術館で開催された「ガラスの植物園」展より)
ガラスは加工がしやすく汎用性が高い一方で、繊細な儚いイメージを伴います。そんな姿に時代や国を問わず人々は魅了されてきました。2024年1月能登半島地震では、同館の屋外作品を含め23点の作品が被災し、一部は修復が叶わない状態となりましたが、大半は揺れを耐え抜きました。本章では、震災を耐え切った作品のうち、自然の中でたくましく育つ「植物」の力強い造形を表現した9点をご紹介します。悲惨な震災から力強く復興へと立ち向かう象徴とご覧いただければ幸いです。
【同時開催】
特別展「ファッショ-」写真が語るモード-写真とドレスの関係性
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アドルフ・G・ド・メイヤー《手をあげてポーズをとる女性》1920年代 神戸ファッション美術館蔵
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