「躍進企業の挑戦 ~ イノベーションが切り拓く未来」
PR TIMES / 2013年2月28日 11時34分
イノベーションセミナー 開催報告
フューチャーアーキテクトが運営する社会貢献活動団体フューチャー イノベーション フォーラムは、ビジネスパーソンを対象にワークショップやセミナーを開催しています。
2013年2月4日に開催した「イノベーションセミナー」では、特別講演にコマツ坂根正弘会長をお招きしました。また、日産自動車、東京海上ホールディングスの「グローバルビジネスを支える強いIT」について各社の事例をご紹介いただきました。
フューチャーアーキテクト株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役会長兼社長:金丸恭文)が運営する社会貢献活動団体フューチャー イノベーション フォーラム(略称:FIF、代表:牛尾治朗・ウシオ電機株式会社会長、金丸恭文・フューチャーアーキテクト株式会社会長兼社長)は、2013年2月4日に「イノベーションセミナー2012」を開催しました。本セミナーは、次世代リーダーの育成と交流を目的に毎年開催しており、企業のトップをお招きし特別講演やパネルディスカッションを行っています。
◆ 講演概要 ◆(敬称略)
■ 第一部 特別講演 「グローバル競争に勝ち抜く企業をめざして」コマツ 取締役会長 坂根 正弘氏
人口増加と都市化が急速に進む現在、ぶれない経営判断をするためには、世界の変化を的確にとらえ問題の本質が何なのかを見極めることがとても重要だ。私は8年間の米国赴任中に、日本人の強みは何をやるにもきめ細やかで、他者との協働を苦にしないというものづくりに最適なDNAだと実感した。一方でビジネスモデルを確立するのが不得手であると感じた。ものづくりの強みを活かすには、ビジネスモデルをどう創り上げるのかが勝負である。
2001年の経営改革では、自社の強みを見直し、固定費を削減した。まず業界シェア1、2位の商品だけに注力するよう取捨選択し、ICTを活用した「KOMTRAX」や無人ダンプの運行システムなど強いビジネスモデルも確立した。リーダーのなかにはあれもこれもやるよう指示する人間がいるが、大切なのは、「何を捨てるのか」を明確に指示することである。そのプロセスが自社のダントツ商品は何か、ダントツサービスとは何かを明確にし、ダントツ経営の礎となる。
また、代を重ねるごとに強くなる会社であるためには企業文化をつくっていくことがとても重要だ。コマツでは、「コマツウェイ」によって社員全員が価値観や行動規範を共有している。日本が生き残っていくためには、企業の活性化が不可欠である。企業は国に頼るだけではなく、自社の強みや弱みを整理し分析することが求められている。それゆえ、リーダーの役割は非常に大きい。リーダーには、世界の動きや物事の大局、問題の本質をきちんと自分の目で確かめてもらいたい。また、自分の判断や考えは言葉できちんと伝え、さらにはその言葉を自分自身の行動で示すことが大切だ。そうすれば自ずと社員はついてくる。言葉の溢れる会社は強いということを忘れないでほしい。
■ 第二部 パネルディスカッション 「グローバルビジネスを支える強いITのつくり方」
パネリスト 日産自動車株式会社 グローバル情報システム本部 IS資源管理部 部長
(兼) コネクテッドビークルシステム部 部長 金子 淳史氏
東京海上ホールディングス株式会社 執行役員 IT企画部長 澁谷 裕以氏
コーディネーター FIF運営委員会委員長
フューチャーアーキテクト株式会社 取締役副社長 安間 裕
澁谷:「システム開発をシステム部門の仕事」としている会社では失敗が多い。IT改革成功の鍵は、業務サイドがITを自分のこととして捉える態勢を構築できるかにある。2004年、多種多様な保険商品により複雑化していたシステムを商品・ビジネスプロセスと三位一体で改革する「抜本改革」を開始した。この改革では、25年間使い続けていた情報基盤を一新するとともに、商品をシンプルにし、代理店が使いやすいシステムに変革することでキャッシュレス、ペーパーレスのプロセスを構築した。東京海上のIT戦略の核にあるのは、全社的にITを自分のこととして捉える「アプリケーション・オーナー制度」である。これは、業務サイドとシステム部門との役割、責任を明確にすることで、システムトラブルの最大原因であるコミュニケーション・ギャップの解消を図るもので、2000年の導入の翌年にはトラブルが8割削減された。2009年のブラジルの子会社への展開を機に、グループ企業内で順次導入し、成果をあげている。ITを真に経営の力とするためには全社的な態勢づくりが必要である。そのために、IT部門として最も大切なことは、透明性と説明説明責任である。
金子:2005年からの5年間、IS(情報システム)部門の中期戦略として「BEST」という改革を行い、業務部門と協力しながらIS部門の効果と効率を追求した。その結果、情報基盤の最適化、技術の標準化が進み、最適なソーシングを行ったことで35%以上ものコスト削減効果をうみ、400を超えるアプリケーションを削減した。また、数字の成果だけではなく、トップや各事業部の役員が集うステアリングコミッティを行うなどITガバナンスが確立し、IS部門の新たな価値を社内で築くためのベースができた。そして、2011年からは「BEST」の後継として、日産の中期経営計画「パワー88」をITから支えるための戦略「VITESSE」がスタートした。ビジネスサイドとIS部門がより協業することで、プロセスの改善や生産性の向上を目指し、利益の増大化に貢献している。日産では6年間にわたり事業部門と連携してプロジェクトを進める力を養ってきたことで、IS部門がビジネスに貢献できるしくみがグローバルで実現している。
安間:両社に共通するのは、システム開発をIT部門だけの役割とせず、企業全体の「仕事」としてとらえ、経営と業務とITが継続的に一体化するメカニズムが埋め込まれていることである。経営と業務部門がITを自分たちの戦略を実現するための武器と考えることが、ITで強い会社を作るための第一歩だと言えよう。
◆ 実施概要 ◆
テ ー マ:躍進企業の挑戦 ~ イノベーションが切り拓く未来
開催日時:2013年2月4日(月)15:00~18:00
場 所:ANAインターコンチネンタルホテル東京(東京都港区)
参加人数:約100名
【お問い合わせ】 FIF事務局
T E L:03‐5740‐5817 (祝休日を除く平日10:00~17:00)
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